夏のおわりのト短調 (白泉社文庫)

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著者 : 大島弓子
  • 白泉社 (1995年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592883517

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夏のおわりのト短調 (白泉社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 身に刺さるような痛みを感じる作品集。
    「たそがれは逢魔の時間」の崩壊感覚、
    「裏庭の柵をこえて」の疎外感が皮下にびっしりと詰まった夏の感じ、
    そして「赤すいか黄すいか」の人が灰になる場面!

  • 青春を四季のどこかになぞらえるなら、やっぱり春~夏だと思う。
    だから、眩しい季節の終わりを惜しむセンチメンタリズムのお供には、憂鬱な短調がよく似合う気がする。
    なんだか素敵なタイトルだなあと心惹かれて手にした一冊。

    いつが青春の終わりなのか、いつから少女は大人になるのか。

    厳密で明確なボーダーラインは無いはずなのに、その時が来ると、目に見えない何か大切なものが、手の指の間から滑り落ちていくような救いようのない気分になる。

    それが、豊かな感受性なのか、揺れ動く感情の波形なのか、揺るがぬ純粋な信念なのかはわからないけれど。

    天衣無縫な心に綻びが生じ、身軽さを失っていくむずがゆさを思い出せるお話だった。

    思春期の葛藤真っ只中の時期に読むのもよいけれど、月日が経って大人になった今読んでも、また違った趣があっておつだった。

    世の中を知って、静かに諦めを覚えてもなお、自分の心の奥の奥に隠れているいつぞやの少女と久しぶりに対面出来た気がする。

    残念ながら、わたしはまだ、大人になり切れていないらしい。

    「たそがれは逢魔の時間」と「裏庭の柵をこえて」が特にお気に入り。

  • 「鳴いてる鳥をライフルで撃てる?」ゆがんだ家族の話。自分の作ったものを素知らぬ顔で破壊されるのは非常に嫌な気分。最終的に蔦子おばさんの最後をやさしく包む家族であったのが救いである。一番の被害者といった顔をしていたおばさん以外は全員家族としての自覚と愛情を持っていたというのがなんとも悲しい。家庭崩壊炎上の原因の一端が自分の両親にもあると知った主人公が強かった。
    主人公の私だったらズダダダダと叫ぶシーンが気に入っている。

  • あまのかぐやま

  • たそがれは逢魔

    いつかかならずすれちがう、ぼくの胸は早鐘だった。かさをかそう!かさをわたそう!かさを!…

    譲のように相手と目を合わす事も出来ず、
    こうやって気が遠くなるほど誰かを意識する季節がわたしにもあった。

    何度も邪夢の言葉を反芻しています。
    「わたしも譲くん好きです。」

  • 表題作を含む5つの作品集。独特な世界観の中で人の心のずれや病みや狂いみたいな事が描かれてる。ふっと考えると恐くなるような内容は面白い。表題作の西洋館に暮らすおばさまが狂ってく様は心理ホラー。おじさんと少女のお話は切なく…いや、どれも濃い。

  • 収録作「裏庭の柵をこえて」(1981年)を
    初めて読んだときは涙ボロボロ止まらなかった。
    これを読んで、泣きはしないまでも、
    涙する私に共感してくれない人とは友達になれない気がする。
    蠱惑的な美少女に惑わされてよろめくオジサンを描いた
    「たそがれは逢魔の時間」も好き。

  • 赤すいか黄すいか

  • 「魔界中学」 「邪悪の邪 夢想の夢 わたしの名まえは邪夢 あまくとろけるストロベリージャム」 

  • 絵にちょっと抵抗があったけどかなり好きだ。

  • このへんから大島先生のポエティックな世界観を、ちゃんと好きっておもえるようになったと思う。それまでは「こんなに文字が多くて線が細い漫画どうやって読んだらいいの!文字に絵が埋もれている!」って大混乱だった。

    この時代の女の子の清廉潔白さって、今はきっとどこを探しても無いのだろうな。無意識の内に男の人に残酷な事を言えてしまう女の子ってすごくせつなくて愛しい。大島先生の登場人物って皆危なかっしくて見ていてはらはらしてしまう。応援せずにはいられない。こういう人間らしさの表現を、漫画って言う媒体で表すっていうのは大島先生にしか出来ない。

  • これねえ、もう、すごい漫画だと思う。
    この短編には、頭が上がらない。

  • ははーん だいぶ好きだな、今までの大島作品ナンバー2くらいいくよ。
    微妙な年頃によくある揺れる思いを、こうもサラっと書いてしまえる。

  • 思春期の女の子が持つきらきらとした理想や不安感、残酷すぎるほどの潔癖さ、汚れた者たちへの嫌悪感。大人になるということはそれらを脱ぎ捨て、生々しく醜悪な現実を泥だらけになりながら生きるということの切実な意味を知ってしまうことなのかもしれません。汚れた存在に抗いながら、客観的で乾いた視線で大人が持つ湿った感情を切り捨て、現実と幻想の間を行ったりきたりしながら、幻想に脚を取られないように、かと言って現実という沼に引き摺りこまれないようにもがき苦しむ季節の後に、長調から短調へと旋律が切り替わる、誰にでもそんな瞬間が訪れるのでしょうか。この本の中には思春期の少女だけではなく、それをとおに通り過ぎた人々にとっても求めずにはいられない、永遠に続く純粋なものへの憧憬があります。大島さんは、そんな感情を掬いとるのが本当に上手いです。上手すぎます。でも、あの痛々しい季節に戻りたくはないなぁ。

  • 全編いい感じの編集

    「たそがれは逢魔の時」
    昔の好きな女の子に気持ちを伝えられなかった
    過去に縛られている40の男が
    当時の面影がある少女に出会い恋をする話

    妻は浮気していて
    この少女は売春をしている

    男は抱いていいといわれるが
    預金を全部渡して売春をやめるようにつたえる

    少女は売春をやめ 男はまた過去に縛られて
    妻と何事も無かったように生活を送る
    深い・・・

    「裏庭の柵を越えて」
    結構好きな話
    世間からはずれた感覚の大学生のお兄さんと
    小学3年生の女の子の話
    大学生の価値感はなんか共感できた

    「赤すいか黄すいか」
    普段は能天気だけど生理痛になると
    自暴自棄で陰鬱な性格になる女の子の話
    ヒトを傷つけながら
    つらさから自分を開放する術を見つけて成長していく

    「あまのかぐやま」
    女子高生達と古文教師の物語
    女子高生達に臆する事無く
    自分を通す古文教師が素敵に見える

  • 表題作は、最初は読みにくく意味がわかりづらいなと思っていたら、突然ラストですべて美しく収束したのでおどろいた。

  • 眼鏡のフレーム

  • 「夏のおわりのト短調」

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