エレファントマン・ライフ (白泉社文庫)

著者 :
  • 白泉社 (1998年9月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592883852

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  • 飄々としてユーモラス、どこからか降ってきてまたふっと消えてしまうような不思議な現象の起こるふわふわとした世界の中で、少し変わった登場人物が暮らしている。
    アフリカで象の写真を撮りたいという夢を持っていた、今は失業中で都会に家族と暮らすジャッキーの隣にエレファントマンが越してくる表題作「エレファントマン・ライフ」の他、短編漫画9編を収録。
    特に好きなのは、
    いつも問題を起こすエドナー・ライクと彼を友人として庇うチャールズ・ダーウィンの「くされ縁」。これはエドナーが亡くなるという悲しい終わり方で、何とも言えない余韻を残す。
    また、「ペキニーズ」は、アフリカ野生動物保護委員会の男性五人組が、隣にやってきた北京から来たというマイペースな女性に振り回される話。
    旅行中に追い剥ぎにあったところを村の人に助けられ、言葉の通じない中、牛のたくさんいる村で過ごす青年の「タマリンド水」という話も少しほろ苦いオチで良かった。
    「奥様お手をどうぞ」という話は、女性を引っかけて詐欺をしている男性が、上流婦人と知り合うが、彼女は夫もいるのにのほほんと男性と接していて、困惑させられる話。
    全体的に読んでいて、ぼんやりとしあわせな気持ちになる。

  • きっちり出来上がったストーリーというよりもどこからか降ってきて、またどっかに行っちゃうようなお話。よく言えば余韻がある、悪くするとなんだかよくわからない。

    嫌いではないんだけどね。

  • 改めて読むと、こういう余韻を残せるマンガ家って、後にも先にも、彼女以外いないよね?

  • 「くされ縁」に星5つ。後も概ね5か4。
    やっぱり坂田さんの漫画はよいなぁ。

  • 失業中のジャッキーの夢は,アフリカに行って動物の写真を撮ること。勤めに出ている妻に代わって家事をこなす彼は,引っ越しを手伝ったことから隣人のエルシー,ダニエルと知り合う。しかしどうみても2人はゾウ!不思議な隣人との交流をユーモラスに描く表題作ほか,9編収録。どの話も不思議でユーモラスでシュール。読後は爽やかです。

  • 2005/08/28

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著者プロフィール

大阪府高槻市出身、石川県金沢市在住。1975年、『花とゆめ』掲載の「再婚狂騒曲」でデビュー。以来、白泉社、小学館など幅広い雑誌で活躍。英国を舞台にした作品のほか、さまざまなファンタジーや日本の怪談・説話を素地にした作品も多い。『闇夜の本』『バジル氏の優雅な生活』『マーガレットとご主人の底抜け珍道中』『水の森奇譚』『芋の葉に聞いた咄』『磯の貝に聴いた咄』『堤中納言物語』『伊平次とわらわ』など多数。

「2008年 『王朝貴族のおまじない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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