鐘迷宮,桜迷宮 (白泉社文庫 か 6-10 京&一平シリーズ 10)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592886402

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  • 京が誘拐される話。一番側にいたのに、と後悔する一平。やっと笑えるようになったのに。ほんとにね。一人で切り抜けちゃったけど、心で真っ先に呼ぶのは、唱えるのは一平の名前なんだなぁ。お守りのように。すこしこわかったと素直に吐露する京に震えました。その後埋めるように側にいて、ずっとそうしたらいいよと思った。お互いを想って、一悶着ありますが、大事なんだよときちんと教えてくれて、嬉しそうな京がかわいかった。ひねくれた言葉や態度の根底は、相手を想ってるからなんだよね。言葉が足りないだけで。だから常に誤解される。でも一平はその足りない言葉をきちんと聞こうとするから。とことん追いかけて行って。言わなきゃわからないと。本当に大きな存在だろうなと思います。
    鐘迷宮。結城の大事な人が帰ってくる話。色々とあり続けた結城の複雑だった家族関係はこれでひとまず。17歳の結城はとても大人びてたけど、様子がおかしいのに気付いて見守ってくれるまどか夫婦が良かった。一歩引いていながらも、家族になれる場所があって良かったよね。それでも結城はすごいと思います。あんな生い立ち、育ちでも、周囲のひとを皆愛してる。誰かを愛してるだけなのにの台詞には泣きました。結婚式でのシーン。絶対そういうの見ちゃうんだよね京ちゃん(笑)とばっちり~。隣の一平はいつも気づかない。というか一平は一平であんな状態で。どんな気持ちで言ったんだろう、君の幸せはって。出会ったのは桜の季節だった、と終わった鐘迷宮。そこから続く桜迷宮。もうノーコメントでいきたい。へこみます。あとがきで言われた「一部の読者」ですはい。と言いつつ書いちゃうよ。始まりと終わりがいつもと違う。えぐられます。特に終わりが。しんどすぎてあんまり読みたくないんですこの巻。ひとりだって、思わせないで。一平の様子のおかしさに気付いて側に行く京。泣きながら、京に縋りながら、そんな言葉。普通の友達なら何とも思わないよ。でもひどいなと思ってしまう。これで君の暗い顔を、と言う場面、自然体でいられるはずの一平の前で気丈にふるまってるように見える。最後の結城主役の短編でも。優先するのは当然でしょう?と何も思ってない風を装ってるようにしか見えない。頭ではそう思ってても感情は多分ついていってないように思います。ついていくはずがないよ。だって特別なんだもん。実際結城にもそう見えたから連れて帰ったんだろうし。あぁ。こっから先はしんどさが増すばかり。だから。ここからだったなぁあんまり読み返さなくなったの。

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