フラワー・オブ・ライフ 第3巻 (白泉社文庫 よ 4-6)

  • 白泉社
4.09
  • (31)
  • (35)
  • (21)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 359
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592886945

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • みんないいこたち…!!

  • 1~3巻通しで読んだ感想です。

    読む前までは正直あまり期待してなかったんですが、これはすごく面白くて、好きな作品です。

    白血病で一年遅れで入学した春太郎。目立つのがキライなマンガ好きでおデブな翔太。見栄えがいいのに、腐れオタクで性格に難ありの海。
    この三人を軸として日常が描かれているのですが、ほかにも、

    オカマちっく(?)な担任の滋と数学教師のホモなの(?(笑))不倫関係とか、料理上手だけど引きこもりの姉とか、同じクラスの女子同士の友情関係とか。

    一見ありえないような学園生活ですしキャラの設定もちょっとぶっ飛んでいるように思えますが、、よくよく読み進めていくと、優等生でも不良でもない普通の生徒達の姿がいきいきと描かれていて、引き込まれます。

    ストーリーも、家族模様や恋愛、不倫、友情、目指せマンガ道(笑)とか、盛りだくさんな内容が同時に進んでいきますが、けして複雑な印象ではなく、キャラクター達の魅力でわかりやすく読み進めることが出来ました。

    途中のエピソード、手書きマンガの(回し読み)大ヒット(笑)とか、それを原作とした学園祭のクラス劇対決なども、大笑いしながら読みました。

    青春ものとしては王道でないのかもしれませんが、キャラクター一人一人がとても魅力的なので、読後感はよかったです。

    「大奥」とはまた違った、名作だなぁと思います。オススメです。

  • たくさんの辛いこと、やさしさからうまれる残酷な嘘、
    哀しいことはあったけれど、
    つまるところここにあるのはあたたかな光。

  • 「きのうなにたべた?」に掲載されていた広告を見て、同様のほんわかほのぼのとした高校生たちの日常物語を期待して第1集~第3集までまとめ買い。予想に反して、登場人物の瑞々しい日々の美しさと脆さが、清々しくもとても切ない余韻をもたらした作品だった。

    月に1度白血病の検査を受ける主人公。仕事にもなじめず不安定な姉。教師と教え子の恋愛、不倫。自分の世界で生きる友人。拙い漫画の持ち込み。

    ひとつひとつのエピソードにある登場人物の心の機微や、高校生独特の若さの描写が緻密でいいなと思ったが、なにより優れているのはこういった人々の危うい感じを単純なハッピーエンドに落とし込まなかったことだと思う。

    一生懸命で、不器用で、ひた向きで、ささいなことで心をいつも忙しく動かしていた登場人物たち。そして、そうしたキラキラとした青春は決してなにかドラマチックな結末を持つことなく、彼らは静かに現実へ帰っていく。

    第1話で「素直さ」でもって自分の心を開いて接した主人公は、最終話で友人に自分を「隠す」ことを覚える。

    真っ直ぐで繊細で美しい、夢のような花盛りの日々はそろそろおしまい。他人を気遣うことを覚え、自分や現実と向き合うことを覚え、そうして高校生の彼らは一歩一歩大人になる。
    最後のページはそんなことを表しているようであった。

  • ほかの作品に比べるとびっくりするくらいライト。

    と、思いきや、実はさらッと登場している吉田秋生の如く、
    清く流れるかのような物語の中に人間の川底の泥が描かれている。

    かといって重いわけではなくて。

    人生と同じように、誰一人として脇役がいない作品。

著者プロフィール

東京都生まれ。代表作の『西洋骨董洋菓子店』は2002年、第26回(平成14年度)講談社漫画賞少女部門受賞。2006年、第5回(2005年度)センス・オブ・ジェンダー賞特別賞、第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。ほかの作品に、『大奥』『フラワー・オブ・ライフ』『愛がなくても喰ってゆけます』『愛すべき娘たち』『こどもの体温』などがある。


「2022年 『きのう何食べた?(20)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

よしながふみの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×