ロストハウス (白泉社文庫)

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著者 : 大島弓子
  • 白泉社 (2001年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592887096

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ロストハウス (白泉社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 大島弓子は何を読んでも素晴らしい。
    素晴らしいのだが、それを百も承知で言うとすれば、今回初めて読んだこの短編集は最高傑作(のひとつ)だと思う。
    平成になってからの作品ばかりだが、とにかくどれもこれも恐ろしいほどクオリティが高い。そして、彼女らしい幻想と哲学が全開だ。
    そこで描かれるのは、世界の終りと向き合う田舎の女子高生、都会から田舎へ移住した若いカップル、若年性痴呆症にかかった女子大生などなど、なにかしら欠落を抱えた、あるいは欠落に向き合おうとする人々だ。
    残酷な現実とそれを乗り越えるための幻想。
    そして、跳躍はいつも意図せずふいにやってくる。
    欠落はなにも変わらない。
    だが世界の全てが突然輝きだす瞬間。

    それらの作品のあまりの説得力に、本を閉じ、そんな奇跡にひょっとしたら自分も出会えるのかもしれない、と思う。
    例えば、表題作の主人公の女の子が思うように。

    「わたしは/わたしの前で/世界のドアが/とつぜん/開け放たれて/いくのを/感じていた/この世界の/どこでも/どろまみれになっても/思い切りこの世界で/あそんでもいいのだ」

    そう、思い切りこの世界であそんでもいいのだった。
    それをたった今思い出した。

  • ラジオドラマで聴いていたけれど、絵になるとやはり格別の風味。
    とにかくモノローグが絶妙なんだ。
    少女や少年に入り込めてしまうのだ。
    そして作者の優しい眼差しと、ホラーな視線。

    ちなみに。
    女の子の怒った顔ってかわいくていいなぁ、
    と読書中思っていたが、読後、現実に帰ってはたと気づく。
    あ、かわいい女の子の起こった顔がいい、と混同していた。

  • 「自分のおうち」って? そんなことを考えながら読んだマンガ。ラストの主人公の「気づき」に、とても開放感を感じました。

  • 『綿の国星』『夏の終わりのト長調』
    の独特の雰囲気で好きになった大島弓子さんです。
    夢の様な絵の中に、うっすら漂う怖さ、みたいな。

    ただ、この本ではその雰囲気がちょっと少なかったので残念。



    『青い固い渋い』
    結婚という形をとらずに、田舎暮らしを始めた二人。行ってみれば良いことや良い人だけではな。投げ出して都会に帰ろうとした電車を待つ間、顔見知りの無口の郵便局員さんが一言話しかけてくれた。
    それだけで、もうちょっとがんばれるようになった

    『8月に生まれる子供』
    凄まじい速さで老化していく大学生・びわ子。
    姉に産まれる子供の話を聞いて、自分は痴呆によって全てを忘れるのではなく、新しく産まれ変わるのだと感じる。

    『ロストハウス』
    鍵を開け放して出かけるマンションのおとなりさん。
    小学生のえりはいつでも入っても良いとのお許しをもらい、ちょくちょく出かけるようになる。
    いつのころからかお隣さんの彼女が一緒に住むようになり、最初は居場所を奪われた気持ちになったが、
    彼女からも「いつでも入って来て良い」との言葉が。
    入っていっても話はしないが、そっとお茶を出してくれる。
    彼女の死と自身の家の引越しによってその場所は失われてしまったが、
    大学生になった今も、えりはその「奇跡の関係」を求めている。

    『クレイジーガーデンPART1・2』
    実家の山を守るため、文通相手を勝手に頼って都会へ出てきた高校生テル。
    文通相手から部屋の半分を借りることになり、ついでに彼の卒論のテーマとなることになった。
    高給にひかれて電話風俗に勤務していたが、偶然芸能界にスカウトされて大人気となる。
    風俗がばれた時も、同棲(実際には同居だが)が世間にバレた時も、テルは何も隠さず悪いとは思わず、文通相手にだけはきちんと謝るさっぱりさ加減が面白かった。

  • おすすめの漫画は、と聞かれたら、大島弓子と答えるのだけど、反応は薄い。なんでだろう。季節の描写とか、セリフの一つ一つがとてもきれい。「8月に生まれる子供」は、寝る前に読むと老いるとか死とかについて考え込んでしまう。

  • 『ダリアの帯』とも共通しますが、
    登場人物がどんなにお茶目でかわいくても、
    そこに描かれているのが
    どれほどほのぼのとした日常風景だったとしても、
    どうにも拭いようのない、
    ほのかな死の匂いが漂っています。
    平凡で幸福な女子大生が、
    突然、奇病に見舞われ、急速に老化が進行してしまう
    「8月に生まれる子供」(1994年)は
    女にとって、かなりホラー。

  • 美しいモノローグに、かわいらしい絵・・・でも本当は怖い大島弓子・・・。大好きですが、体調が悪いときは読めないですね。

  • 収録されている話では、クレイジーガーデンが一番好きです。実写化したら面白ろそう(笑)

  • 大島弓子の中ではイマイチ?だけど、
    世界観自体が好きなのでまあ良かった。
    この中では、タイトルにもなってるけど
    ロストハウスが一番よかった。
    私も散らかった部屋でお留守番したいです。

  • そう、世界は既に開かれているのだ。
    様々なことに絡めとられて見えなくなってしまっているだけで。
    わたしはただそれに気づくだけでいいのだ。

  • 大島弓子は私のエバーグリーン。この作品を読むと忘れてた記憶がよみがえるような、不思議な気持ちにおそわれる。

  • 「8月に生まれる子ども」
    青春の真っ只中で、急に老化が始まる少女。
    肉体的にも、精神的にも加速度をつけて、変化していく。
    症状が進み、ついには自分が何者かということも細切れの意識のなか、ゆがんだ字で手紙を書く。
    たとえこうこうと眠るだけになっても、どんな姿になろうと、最後の最後まで生かして欲しい、という内容だったと思う。

    自分なら、そんなこと思えない。絶望すると思った、、、。
    初めてこの本を読んだときは、まだ学生だった。
    30代の今、読み返せば、生きたいというその少女の言葉に救われる思いがする。
    また、時間を置いて読み返したい。

    生をまっとうすることについて、色々思いを馳せます。

  • わたしの働いている意味がなくなってしまったのです なんのためにゆっくり眠ることをゆっくり歩くことをゆっくり考えることを失ってくらすのでしょう

  • どすこい素晴らしい。
    ロストハウスは、素晴らしい。

  • 掲載誌がイロイロ読んだことのない作品がいくつも載ってた。
    クレイジーガーデンが好き。

  • ロストハウス 好き。
    うん、この本、好き。

  • 映画『グーグーだって猫である』を見た直後
    「8月に生まれる子供」ってどんなだっけ?
    と思って吉祥寺のリブロで購入してしまった。

    大島弓子の最近の作品が6点。
    けっこう秩序だった感じの作品が多いと思うのは
    初期の作品から慣れ親しんでいるせいかしら。

    ジイジイとロストハウスが好き。
    ジイジイに出てくるようなおばさんが、
    わたしにもいたらいいのに。
    夏休みの、あったかいスイカの味。

    このへんの大島弓子は雪にこっていたのかな?
    なにか個人的な思い入れが、あったのだろうか。

    しかしよく考えたら、この本読んだことあるかも。
    実家の本棚にねむっている気がするけどまあいいや。
    ful cafeと吉祥寺西公園、
    中央線がとまったので吉祥寺からのバスで
    ゆっくり読めたので、まんぞくまんぞく。

  • やっぱり「8月に生まれる子供」が印象的かなあ。根が暗い人の持つ切なくなるほどの明るさがすごく好き。

  • どれも読んだ後 ちょっと切なくなるのだけれど
    「8月に生まれる子供」という話を読んだ時は
    最初 とても衝撃的でした

  • この中の8月に生まれる子供という作品はすごいインパクトだった。
    実際、早老症というのは聞いたことがあるが、
    肉体の老化と精神の老化のバランスがとれないというのは
    大きな不幸だろうけれど、普通の人には見えないものが見えることが
    あるのかもしれない。

  • 何が尊いかっていうのは、この人が知ってる気がする

  • 「ロスト ハウス」

  • 『8月に生まれた子供』
    読み返すたびに むせび泣く・・救いは全然ないんです。
    生きるコトは尊いコトというのを、これほどストレートに伝える作品を他に知りません。読むべきです。

  • 8月に生まれる子供で泣いた

  • 表題作「ロストハウス」は、珍しくも私が本気で泣いてしまったマンガ。

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