空のむこう (白泉社文庫 え 1-16)

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著者 : 遠藤淑子
  • 白泉社 (2012年9月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592890164

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空のむこう (白泉社文庫 え 1-16)の感想・レビュー・書評

  • この頃やエヴァンジェリン姫のころみたいに色んな話を描いてほしい。出版社よろしく。

  • 収録作を見ると、まとまりが無い。
    強いて言えば、ファンタジー色が強いということくらいが共通点だろうか。
    売れない漫画家とその妻が越してきたボロ家で、出会う不思議な少年の話「あのこ」。
    成仏するために、誰かを幸せにしなければならないという少年にとりつかれた、義理の母とぎくしゃくしている少年の話「幸せになろう」。
    永遠に結ばれない夫婦になる架空の王国の王とその『妻』の物語「そらのむこう」。
    が、開いたら、「敏腕! 茂合課長」
    おまえかよ!
    ますますまとまりがない。
    一応、文庫なんだから、なんらかのまとまりを…とも思うのだが、フィギュアのエッセイなんかも混じっていてやっぱりまとまりがない。
    思うに、編集さんはメジャーになり切れないこの作家の物語を一つでも多く絶版から救いたいのだろう。
    なんていっても「五ヶ月連続フェア」ですよ。出版社の枠さえ越えて、帯まで作って。
    おそらく、遠藤さんファンと同じで「本当にイイ漫画なんです! 内容だけでいったら、今頃は何か賞のひとつもとれて映画化してもいいくらいなんです!」と力説したいんじゃなかろうか。

    さておき、この単行本の話で共通していることは、どうしようもなく切なく苦しいことでも、諦めて飲み込んで、自分が進まなければならないことに、皆立ち向かっているということだろうか。
    そのつらいことは人により様々だ。
    大事な相手を国のために犠牲にすること。
    好きな相手の幸せを祝福すること。
    大切な仲間と離れること。
    負けると分かっている戦に出ること。好きな人が死ぬと分かっていても止められないこと。
    自分は特別じゃなくて、才能を持った人はどこにでもたくさんいること。
    どれも優劣は無い。
    それぞれ、誰も諦めたくないのにそうしなければならないことに直面する。
    それぞれ、登場人物は選択する。
    「でも、もう動かなけりゃ このままじゃ誰も幸せにはなれない 幸せになる為にはここから動いて進まなけりゃ」(『幸せになろう』)
    「西本さぁ 子供のころ心の中で賭とかしなかった? つぎの一発で逆上がりできたら漢字のテストいい点とれるとかさ リンクがうまくできたらオレにも何かできるんじゃないかと思ってたんだけど」(『リンク』)
    「俺は空のむこうに行けると思う 百年後か 千年後か 行けるさ 必ず」(『空のむこう』)
    「人の作った世ならば 結局は難儀な事は出てくるものだ どこへ行こうと逃げようと つらいことはやはりつらい それならば馴れた土地でしのいでみるさ」(『すのう』)
    切ないけれど、皆、それぞれの選択の道を行く。後悔を心の奥底にしまって前だけを向く主人公たちは、雄々しく潔い。

    あ、茂合課長も勇ましいです…ええ本当に。

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