- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593500307
感想・レビュー・書評
-
そろそろこの本の季節かなと、過去記事を読み返してみたら、なんと載っていない。
こんな有名な作品を忘れていたなんて、思わず「ガンピーさん」に謝ってしまった。
この作品で、作者のジョン・バーニンガムさんは1970年にケイト・グリーナウェイ賞を受賞している。
良い絵本とはどういうものか、この作品を読むたびに教えられる。
子供たち・うさぎ・猫・犬・・・と、次々にガンピーさんの舟に乗りたがるが、そのたびに「いいとも・・〇〇しなけりゃね」というガンピーさんの穏やかな言葉が繰り返される。
のんびり・ほのぼのとした川くだりの始まりである。
見開きの左側がモノクロの線画で、右側に大きくカラーの動物が描かれる。その安定感がなんとも心地よい。
特にうさぎと猫とやぎが綺麗で、「あら、こんなものも描き込まれてる!」という楽しさも。
そして、小さな舟にそんなに乗って大丈夫かな?とだんだん心配になった頃、ちゃんとお約束どおり舟がひっくり返る。
みんな、ガンピーさんとの約束を守れなかったのだ。
それでもちっとも怒らないガンピーさん。
この後、みんなで一緒にお茶をする見開きのシーンが出てくる。いかにも英国!
しかも最後は「またいつか 乗りにおいでよ」という素敵な言葉で終わるのだ。
こういう大人のひと言で、どれだけ子供の心が安定するか、計り知れないものがある。
小さな冒険があっても、はじめの場所にまた戻ってこられると言う幸せ。
主役のガンピーさんの鷹揚さが、何よりも素晴らしい。大人はこうでないとね。
ガンピーさんが自分の家の前で舟を漕ぎ出すシーンの、静かな緑色の場面だけでも、好きになってしまうかも。
日本とは違う、かの国の鮮やかな緑色を思い描いてうっとり。。。
ゆっくり読んで約5分。3歳くらいから。低学年でも喜んで聞いてくれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やさしいガンピーさんの舟に、次々と乗りたがる友だち。大人しくする約束だけれど、やっぱり…。みんなびしょ濡れになって、それでも誰も誰かを咎めたりしないのは、ガンピーさんの人徳ですねえ。ラストにみんなで飲むお茶、美味しそう!
-
〝お人好しで、気立ての良い<ガンビ-さん>は、小舟を一艘もっていました。ある日、ガンビ-さんは舟遊びに出かけようとすると「一緒に連れてって」と、子どもたちが言いました。「いいとも、喧嘩さえしなけりゃね」...続いて「乗せて下さい」と言って乗りこんできたのは
-
ガンピーさんが舟に乗ってでかけると、子どもやうさぎ、猫など次々に乗せてほしいと頼んできます。
ガンピーさんはそれぞれに約束をして乗せてやりますが…
独特なタッチの淡い色調で、想像力をかきたてます。
ロンドンでは1970年、日本に紹介されたのは1976年のロングセラー。
3才ころから。 -
どんどん賑やかになっているはずなのに、終始、静かな雰囲気の絵本でした。ガンピーさんが穏やかで静かな雰囲気のある人だからでしょうか。
お、怒らないんだ...!とちょっとつっこみをいれてしまいました(笑)
最後お茶会のシーンが素敵です。
絵が一枚一枚ポストカードになりそうなくらいきれいでした。 -
たしかに。これは賛否別れるだろうな。そして、人生の中で読むタイミング、というか解釈が難しい絵本。
生きるって、理屈じゃないし、うまくいかないことの方が多い。
でも、最後に“お茶”の時間があることが大切だよね。
うん、そう、お茶でいいんだ。 -
やっぱりやっちゃったかーって感じ 笑
-
これ、なんかいいなぁ。ガンピーさんは頼まれるたび、こどもたちもねこもいぬも、うさぎも、やぎもと、みんな乗せてあげる。そのたびに「いいとも。けんかしなけりゃね」とか「とびはねるんじゃないよ」とか声はかけるんだけどさ。お約束として、ガンピーさんがやっちゃいけないことを、みんなやっちまうんだよね。で、舟はひっくりかえるでもなく、あがって体をかわかして、じゃ、お茶にするか、って。大人の姿だなぁガンピーさん。注意はするけど、いざそうなったら、怒ったりせずに受け入れる。いつもそれができるとは限らないけど、ひとつの大人の理想だよね。