エミリー

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制作 : バーバラ クーニー  Michael Bedard  Barbara Cooney  掛川 恭子 
  • ほるぷ出版 (1993年9月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593503032

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エミリーの感想・レビュー・書評

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  • 1830年、アメリカ・マサチューセッツ州のアマーストで生まれ、1886年に同じ土地で亡くなった詩人・エミリー・ディキンソン。
    自分の意志で発表した作品は一篇もないという実に凛々しい芸術家であり、また大変な隠遁家でもあったらしい。
    その「エミリー」の住む家の向かい側に引っ越してきた家族の、小さな女の子の眼を通して語る「エミリー」との出会い。
    淡いけれども鮮烈な印象を残すその交流を描いた一冊で、この上なく美しい作品。
    図書館に返却する日まで、毎日必ず一度は読んで、読むたびに発見があり、読むたびに涙がにじんだ。

    今で言う「引きこもり」の状態でも、エミリーの内面がどれほど充実して幸せだったか、主人公の女の子の語りでそれが描かれている。
    ある日突然、ブルーベルの花(この花、とても好きです)とともに手紙が届く。
    近隣から「謎の女性」呼ばわりされているエミリーからの手紙で、その手紙に託されたメッセージをきちんと
    受け取った女の子の母親が素晴らしい。
    そこから、なんとも不思議な交流が始まっていく。
    詩人は、見えないものを見、聞こえないものを聞き、丁寧に言葉を紡ぐ。
    後書きによれば、庭仕事の達人でもあり自然のするどい観察者でもあったという。
    お話の最後にエミリーが女の子に手渡したとされる一篇の詩が原文とともに載せてある。
    読んで、思わず胸が震えるのは私だけではないだろう。

    表紙をめくった次のページからもうバーバラ・クーニーの世界が広がる。
    イラストボードにシルクを張り、下地に石膏を二度塗った上にアクリル絵の具と色鉛筆・パステルなどを使って描いたという。
    アマーストの風景やエミリーの生家の様子など、精密なスケッチが見ごたえがある。
    冬の精のように描かれたエミリーも登場する。
    クーニーがどれほどこの詩人に敬意をはらい、心を寄せて描いたかがダイレクトに伝わってくる。

    掛川恭子さんの翻訳もとても味わい深く素敵だ。
    詩人との出会いにふさわしい表現の数々に、思わずアンダーラインを引きそうになるほどだった。
    絵とテキストと翻訳の三位一体で、美しい音楽を奏でているような魅力あふれる作品。
    一生の宝物になるような一冊で、読後すぐにエミリー・ディキンソンの詩集まで入手した。

    1993年度コルデコット賞受賞。
    読み聞かせに使えそうもないのが、唯一の困った点。

  • ◆©1992 by Michael Bedard 訳:掛川恭子 ◆ディキンソンの詩集を2冊読了後に。◆彼女の詩情が、バーバラ・クーニーさんの絵で。可憐な草花や生き物たちが各所できいています。設定や文章も、作者がエミリーとその詩を愛していることがストレートに伝わってきます。〈詩はどこに宿るのか。〉〈言葉はどのように詩に変わるのか。〉… 私がエミリーを好きな理由が、素敵なエピソードを添えてまさに絵本化されている、作者と私はエミリーに同じ魅力を感じている…そういう高揚感を抱きました。この絵本大好きです。□

  • アメリカの詩人エミリー・ディキンソンと小さな女の子の交流を描いた絵本。

    エミリー・ディキンソンは、1830年マサチューセッツ州のアマーストで生まれ、1886年その地でなくなりました。
    ずっと独身で両親の家で妹と暮らし、内気で知らない人には会おうとせず、とくに亡くなる前の25年間は家を出なかったそうです。
    死後に1800もの詩が見つかり、発表された詩で有名になりました。
    最初にそう聞いたときには、鬱蒼とした館で鬱々と暮らしていたイメージでしたが、そんなに暗くはないようです。

    通りに面した家で、庭仕事もしていて、草花を育てる達人でした。
    近所の子供とは付き合いがあったそうで、家に来る子供と話したり、窓から籠に入れたクッキーを降ろしてあげたりしていたとか。
    きちんと髪を結って、白いドレスを着た、内気な女性。
    丁寧なタッチで、あたたかく描かれています。

    おむかいの黄色い家には、姉妹が住んでいて、お姉さんの方は外に出てきたことがない謎の女性。
    小さな女の子の家に、ある日手紙が舞い込みます。
    いつもピアノの練習をしているママにあてて、家に来てピアノを聞かせて欲しいというお誘い。
    その夜、「興味はあるんだろう」とパパがママに話しているのが聞こえました。
    次の朝、家中が音楽で溢れていました。
    「詩ってなんなの?」とパパに聞くわたし。

    新しい絹の服を着て、ママと一緒にお向かいに出向きます。
    謎の女性は、部屋の外の階段で聞いている様子。
    一曲ひき終えると「ごしんせつなおとなりさん。コマドリもあなたにはかないませんわ。もっと弾いて下さい。もう、春がそこまで来ているような気がしてきました」と小さな声がします。
    部屋の外に出て、階段にいるエミリーに会った女の子は、紙切れを見て「それ、詩なの?」と聞きます。
    「いいえ、詩はあなた。これは、詩になろうとしているだけ」と答えるエミリー。

    1993年度コルデコット賞受賞作。
    バーバラ・クーニーは3度目の受賞だそうです。

  • 詩人エミリー・ディキンソンの謎に満ちた人生を一人の女の子の視線で描いた美しい文章をクーニーが神秘的な色合いの穏やかな絵で彩ります。
    「詩」がどうやって生まれるのか、その意味をこどもたちに語りかける絵本です。

  • 詩人エミリー・ディキンソンとエミリーと出会う少女とのささやかな交流を描く絵本です。

  • これもまさかの史実
    そんな…不思議な詩人がいたのか…
    す、すごい…すごいミステリアス…

  • 詩人エミリー・ディキンソンの事、なんか幻想的なはなし・・・

  • 上品で神秘的で詩的な絵本。

  • 雪の一片
    花や草の
    水仙の球根

  • バーバラ・クーニの絵が好きです。

    最後に書かれていたエミリーの詩がステキです。

    天国をみつけなければ--地上で--
    天上でもみつけられないでしょう--
    たとえどこへうつりすんでも
    天使はいつもとなりに家をかりるのですから--

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