- Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593534951
感想・レビュー・書評
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これが児童書かと思うほど深い。
格言などもあって大人でも読み応えがある。
でも人前では読めない。涙が溢れる。
訳も上手く、引き込まれて、さながらノンフィクションのよう読んでしまう。
でも、最後の展開は現実にはあるかな?
少年の素晴らしい性格が評価されるわけだけれども、障害があって、普通の性格だったらどうだったんだろう?
障害者は、素晴らしい性格でないと、受け入れられないのか?
ハンデがあっても性格で乗り越えられるというストーリーではあるけれど。
映画も観たい
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「もうひとつのワンダー」を先に読んだんだけど、同じ書き方。
同じ時間が何人かの子の立場で書かれていて、ものにはいろんな見方があるってよくわかるし、みんな、それぞれの場所で一生懸命生きてるって思う。
特に顔の障害のある子の話なんだけど、そのこと以外の部分の方が印象深い。 -
涙ぼろぼろ、鼻水たらしながら、読みました(^^;
「普通」と「異常」って、なんだろう。
「普通」じゃないものを、受け入れられないことも、また「普通」であるはずなのに…。
さまざまな立場からの答えのでない葛藤が、つきささりました。
答えがないからこそ、考えさせられるし、つきささる。
やさしい物語すぎて、きれいごとに見えるかもしれませんが、それが児童書のいいところだと思います。
だれかに、少しだけ親切になりたい。
読み終えたあと、そう思えます。 -
先天的な遺伝子異常で、生まれつき顔の作りがほかの子どもと大きく違うオーガスト・プルマン(オギー)が、5年生の歳になって初めて学校に通い始めた。家族や理解を示すごく一部の友達の助けを借りながら、周囲の無理解と向き合い、それでも明るく成長するオギーの1年。
オギーやオギーの姉、友人らの独白というかたちで物語は進み、ひとつの物事がさまざまな視点から語られる。 -
小学生高学年の課題図書だそうで、なるほど。
オギーは普通の10歳の少年。顔以外は・・・
彼が家族の元で過ごした10年間から、学校という社会に飛び出す。
不安と怒りと喜びと
それは彼と回りに人を年齢性別に関わらず
巻き込んで変えていく。
でも、一番変わったのはオギー自身だったかもしれない。
主人公のオギーだけでなく、
家族や友達の視点からの話があったのがよかったな。
姉のヴィアの気持ちが辛かった。
複雑な思いを持つ人間関係は
他にもあるのだろうけれど
『いつも、必要だと思うより、少しだけ余分に人に親切にしてみよう』
というのは、いいかもね。難しいけれどね。
もしも、お子様が読んでいたら
是非、親御さんも読んでみて!と言いたいね。
本を読まない人に限って
子どもの本なんて!っていうんだもの、勿体ないよ。 -
児童書のカテゴリーに入れてしまい、大人が読まないのはもったいない一冊。
出版当初から評判が良かったが、納得。
人間の可能性に期待出来る、読んだ人が皆、自分ももう少しこうしよう!と、未来を照らすような本でした。
2016年読書感想文課題図書小学校高学年の部 -
この一冊に出会えたことに感謝。
私は一人の書店員として、2人の子どもを持つ母親として、そしてこの世に生きる一人の人間として、全身でこの本を支持します。
オギーの過ごした10歳の一年間で、彼の家族、先生、友だち、そして彼自身が得たものの大きさは、多分何物にも代えがたいもので。そしてこの物語を読むすべての人も同じ大きな宝物を得られるという幸せをかみしめる。
生まれもっての障がいと折り合いを付けながら生きていくことの困難さ。とくに、顔に障がいを持つことがどれほどの差別やいじめを生むか、想像に難くない。どれほど家族が愛してくれたとしても、一生家の中でだけ生きていくことはできないわけで。だからオギーの両親も彼を中学校へ行かせることに決めたのだけど。その選択と、そして選んだ学校の校長の素晴らしさが生んだ奇跡。
自分ならどうするか。ずっとそう自問しながら読んでいた。障がいを持つ子の両親なら、姉なら、友だちなら、そしてオギー自身なら…私ならどうしただろう。それぞれが語る章を読むとよくわかる。誰もが驚き、困惑し、悩み、もがき、苦しみ、そしてその中で一つの光に向かって進んでいく。その光の元にあるのは「勇気」。一人の少年と、彼の周りにいる心優しい人たちによって照らされた「勇気」という道をこの世に生きる全ての人が歩んで行けたとしたら。きっと今よりもずっと優しい世界になる。
彼は奇跡である。だけどこの奇跡が「あたりまえ」のことになったとき、世界は愛と平和に満ち溢れたものになるのだろう。そんな日が来るまで私はこの物語を一冊ずつ手渡していくだろう。