- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593534982
作品紹介・あらすじ
盗みの神・ヘルメスの力の象徴である杖が盗まれた! それを取り戻すのに、どうしてデート中のおれが呼び出されるんだ? 神様って、超力があるんじゃないのか? そこでおれは、ある取引をした。――表題作『ヘルメスの杖』ほか短編3編とスペシャルインタビューを収録した、人気シリーズの外伝!
全世界で、シリーズ累計5000万部を突破!
感想・レビュー・書評
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第1シリーズと第2シリーズの外伝と作者の息子さんの作品。まあ、特筆するほどのこともない
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パーシー・ジャクソン シーズン2の外伝
『ルークの日記』
ルークは、パーシー・ジャクソン シーズン1で、最初はハーフ訓練所の頼れるお兄さんでパーシーの年上の友達でアナベスの保護者で初恋の人だったのだが、ギリシアの神々の勝手さに神々と人間たちを壊滅させようとするクロノスに加担する。しかし最後に自分の身を犠牲にしてこの世を守ったというまさに”英雄”となった。
作者が「読者からルークの過去を知りたいという質問が来るので、ルークの日記を公開します。これで若くて優秀だった彼がなぜ道を過ったのかわかるでしょう」ということで書いたということ。
たしかにシーズン1でも裏切者悪役のはずなのに、悪役ボスにこき使われ妙にくたびれてて、読んでいて悪役なのに途中から心配になってしまうくらいだったしなあ。まあラストで「いかにクロノスを止められるか」を考えその苦しい方法を自らに課すことにしたということがわかるんですけどね。
時期はシーズン1が始まる前のこと。ルークとタレイアが怪物から逃げながら旅をしていてアナベスと出会う話。タレイアとは疑似家族状態で、タレイアに好かれたり頼られたりして喜んでいて「好きな相手から頼られるとやらずにいられなくなるから、次に相棒を選ぶときは好きになれない相手にしようかな」とか考えてる姿がちょっと可愛らしかった。
『ヘルメスの杖』
シーズン1とシーズン2の間のお話。
心の通じ合ったパーシーとアナベスが交際1ヶ月記念デートをしていると、泡食ったヘルメスが現れて「ぼくの杖が盗まれてしまった!秘密裏に取り返したいんだ!」と言う。
パーシーはある条件と引き換えにその命がけの任務を受ける。
シーズン1と同じくパーシーのひとり語りで、軽妙で一言多くて神妙な場面でおふざけせずにはいられない性格が出てるので、命がけの対決でも軽く読める。
作者が言うには「伝達の神のヘルメスの失態を暴くことになるから、ヘルメスからは郵便配達しないとかインターネット繋げないとか株で損させてやると脅されたけど公表しちゃいます」とのこと(笑)
『ヘルメスのお供であるジョージとマーサへのインタビュー』
ヘルメスが持っている杖には二匹の蛇、ジョージとマーサがいる。誰彼構わず軽口叩く性格で、彼らが出てくるとちょっと息抜きになるという有名脇役。そしてそんな名脇役へのインタビューなのでちょっと気が抜けて軽く読める。
『ブフォードさがし』
シーズン2の1冊目が終わったあたりの物語。現代のアルゴス船を造っている最中のリオがちょっとした失敗をしちゃって、ジェイソンとパイパーに助けを求めるんだけど、なんか人喰いニンフに捕まりそうになって…。
シーズン2でひょいひょいと軽い性質なのはパーシーとリオなんだが、そのリオが中心なのでかなり深刻な状況でも軽く語られる。
『魔術の女神の息子』
これは作者のリック・リオーダンの息子で16歳のヘイリー・リオーダンが書いた短編だ。
ヘイリーがADHDで難読症と診断された時、リック・リオーダンは彼が大好きなギリシア神話を文字を覚えるために聞かせていたところ「続きのお話を作って」と言われたので「パーシー・ジャクソンシリーズ」を書いたのだそうだ。作中でパーシーを始めとする神と人間とのハーフは、リックと同じADHDで難読症としている。
そしてそんなヘイリーがこの短編を書いたというのだからすごいよなーーーと素直に思う。
シーズン1のあと、敵のクロノス側について生き残ったハーフはどうなったのか?なぜ怪物はハーフを狙うのか、などの謎の解説となっている。
16歳のデビュー作で文章はさすがに堅いし物語も重圧感のあるシリアスだけど、ちゃんと理由付けもできているし、お話としても面白いし、語り口や話の展開方法は親子で似ていると思った。 -
第2シーズン最終刊から間が空いて、ようやくシリーズ全巻読了。貸出中(延滞中?)で、なかなか返ってこなかった。
巻末中編「魔術の女神の息子」は著者リック・リオーダンの子息ヘイリーによるもの。「技量は僕(リック)より上」というのは親バカ発言だろうと読んでみて、「後生 畏るべし」。父親の朱筆が入っていないなら、大変なものだ。 -
去年の冬に出てたんですね。
ルーク視点
パーシー視点
リオ視点
の短編三本に加え、著者の息子さん(当時16歳)が執筆されたと言う、本作単発キャラクター、クレイモア博士視点の短編一本。
プラスアルファ、おまけ要素。
その様な構成です。
著者の息子さんへの敬意と言うか、うちの息子天才やん!! 感が微笑ましく、作家として重要部分の設定を息子とは言え他者に書かせる懐の深さの様なものを感じました。勿論原稿チェックはしてるんでしょうけど。
内容としては、著者特有のユーモアをきかせた一人称視点の短編ばかりでどれも気軽に読みやすかったです。外伝なのでこのくらいが丁度いい。今回も敵は曲者揃いでした。
毎回ギリシャ神話に実在(?)するのか、著者のオリジナルなのか気になって調べながら読んでいるのですが、ルークタロ? はオリジナルなんですかね?? 全く情報が出てこなくて気になります。