もうひとつのワンダー

  • ほるぷ出版
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本棚登録 : 851
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593535224

作品紹介・あらすじ

いじめっ子のジュリアン、オーガストの幼なじみのクリストファー、優等生のシャーロットの3人の視点から語られる「もうひとつのワンダー・ストーリー」。この本の中ではオギーは脇役であり、オギーとの出会いによってそれぞれがどのように影響を受けて変化していったかを描いている。冒頭には、続編は書かないつもりでいた著者が『ワンダー』刊行後に米国で起こった「ジュリアンになるな」運動に違和感を持ち、本作を書くことにした経緯がつづられている。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借り。
    オリジナルの『ワンダー』は2017年に読んでた。

    『ワンダー Wonder』のレビュー R・J・パラシオ (everydaysundayさん) - ブクログ
    https://booklog.jp/users/everydaysunday/archives/1/459353495X
    当時、Aがイヤイヤ期でなかなかじっくり味わえなかったんだけど、それでもほぼ一気に読んだ覚えがある。
    「障害児から見える世界はどんなものだろう」「きょうだい児はどんなことを考えてるんだろう」と最近考えていて、『ワンダー』を思い出し、スピンオフ作品があることを知ったので借りた次第。

    ・p7「はじめに」から。ジュリアンについて作者が語った部分
     ジュリアンは、たしかにひどいことをしましたが、だからといって必ずしも「悪い子」だということではないのです。あやまちから人を判断することはできません。本当にむずかしいのは、おかしたあやまちを受け入れることなのです。

    ・p10 親切になさい。あなたが出会う人はみな、きびしい戦いのさなかにいるのだから。――イアン・マクラーレン
     オリジナルもそうだけど、この辺の格言が胸に刺さるのであった。姉妹本『365日のWonder ブラウン先生の格言ノート』にも載ってるのかな…。読みたい


    ・p44あたり、ジュリアンのママが「スーパーママ」になるか「スーパーみっともないママ」になるかと、あれこれ考えを巡らせているジュリアンの内面の描写。
    辛辣だなあと思う。このくらいの年、十一歳でももう自分の親のことをいろいろみてるんだな、良かれと思って母親が表に出たことが、子どもの目に「みっともなく」映ることもあるんだよな…

    ・p108、ジュリアンのおばあちゃんの言葉
    「ジュリアン、おまえはまだ若い。そして、自分がしでかしたことは正しくなかったと知っている。おまえは、正しいことをできないこというわけじゃない。まちがった行いを選んでしまっただけなんだ。あやまちをおかしたっていうのは、そういう意味だよ。(中略)けれどジュリアン、人生のすばらしさはね、ときにまちがいを正せるってことなんだ。あやまちから学ぶ。そして、よりよい自分になるんだ。(中略)おまえもあやまちから学ぶんだよ。ほかの人にはぜったい同じことをしないと、自分自身と約束しないといけない。たった一度のあやまちで自分を決めつけるんじゃない、ジュリアン。わかるかい?ただ、次はもっとよい行いをしなくてはいけない」

    ・p224 クリスのパパの台詞 こういうこわいできごとっていうのは、人に警鐘を鳴らしてくれる。警鐘って、わかるか?人生にとって大切なものを、あらためて考えなおさせてくれるんだ。家族、友だち、大好きな人たちについてな

    ・シャーロットの章は、女子同士のグループ間の空気感、見えない窮屈さや装ってる自分、そういうのが見えてわかるわかる、とうなづいた。空気が読めない、点つなぎが好きなマヤ。うちの子にちょっと似てる。彼女がシャーロットに受け入れられてホッとした。

    読みながら、どの子もどの大人もみんな、幸せになれ。障害があろうがなかろうが、性格良かろうが悪かろうが、なんだろうがみんな幸せになれ。と思わずにはいられなかった。

  • まず、このワンダーの続編を書こうと思った作者の意図を読みすごく感動した(感動とはちょっと違うけどいい言葉を知らない。)
    前作でジュリアンはいわゆる悪者扱いで物語でゆう必要な存在だった。でもジュリアンにもそうならざる得なかった環境であったりと複雑な心境であったことを見せられた。とても思うことの多いジュリアン編だった。
    ワンダー前作はすごく考えさせられる本で、色んなことを思った。友達とこの本について話したが、もちろん正しいとか正解の答えは出なかったし、私が生きる実際の世界であり得た時どんな行動が自分にできるのかも結局想像でしかなくて、また相手も一個人であることには変わりがなく、無理やりなにかしようとするものでもないと感じた。
    この2冊目のもうひとつのワンダーは、1作目のものよりすごくリアルで実際に自分の周りに起きた時に近いのではないかと思った。クリストファーもシャーロットもオギーという存在を通して人間関係について悩み、自分はどうしたいのか、どうすべきなのかを考え行動した人の1人である。私はこの本を通し色々な立場の人間の考えを覗くことができた。これはオギーのような存在がいるいないに関わらず、人の立場に立って考えるということの重要性を教えてくれる機会になったと感じている。
    最後にシャーロットはハッピーエンドがいかなる時もおこるわけではない、映画のような劇的な変化があるわけでもない、と考えている。前作のオギーの視点ではものすごくハッピーエンドで劇的な変化のように描かれていた。だが実際はシャーロットのような人がたくさんいるのだということ、それでも一歩進むことができたというリトルハッピーエンドがいくつもこの学年に起こったということ、そんなちょっとした周りの変化を描くこの作品は前作以上により多くの人に寄り添った本であると感じた。
    今回の感想は上手く書けなくて自分にがっかりしていますが、文にすること以上にたくさんのことを考えさせられ、意義深い時間でした。児童書ではあるものの大人もぜひ読むべき1冊だと感じました。

  • シャーロット目線の章で、なんか納得できることばっかりでフィクションやとは思えないほど現実っぽかった。

  • 『ワンダー』の続編
    「いじめっ子のジュリアン、オーガストの幼なじみのクリストファー、優等生のシャーロットの3人の視点から語られる「もうひとつのワンダー・ストーリー」。この本の中ではオギーは脇役であり、オギーとの出会いによってそれぞれがどのように影響を受けて変化していったかを描いている。冒頭には、続編は書かないつもりでいた著者が『ワンダー』刊行後に米国で起こった「ジュリアンになるな」運動に違和感を持ち、本作を書くことにした経緯がつづられている。」

  • このお話は、周りから“奇形”と呼ばれるオーガストが主人公の物語「ワンダー」の続編です。
    ワンダーでいじめっ子として登場したジュリアン、オーガストの昔からの友達、クリストファー、優秀な同級生のシャーロット。
    オーガストと付き合っていくことの難しさ、子供が抱える悩みなどが書かれています。

    ジュリアンはいじめっ子だったけど、ジュリアンも迷って苦しんで、色んなかとを乗り越えている最中だったんだな。ジュリアンの話が一番泣けた。
    あと、女の子たちがかわいい

  • それぞれの子どもたちの成長が感じられるお話だった。

    ジュリアンの話は泣けた。
    子どもの過ちは、大人の正しい姿勢があってこそ正せる。
    親ではダメな場合があるのかもしれない。
    親は、子ども可愛さに目が曇ることがあるから。
    だからこそ、子どもは多くの人間と関わり、様々な価値観に晒される必要があるのだ。

    ヒメナもシャーロットも、それぞれに悩み考え、影響しあって、自分というものを構築し高めている。
    子供の成長はこうあってほしい、と思えるようなお話だった。

  • ワンダーを読み終わって、どうしても読みたかった。それぞれの思い、葛藤、そして乗り越えていく過程を知ることができてよかった。

  • おもしろかったー!

    どうしてもオギーの目線からでしか物事や人々の善し悪しを判断しがちだけど、みんなそれぞれ悩みながらも自分の人生を生きているんだってことを思い出した。現実と同じようにね。

    ジュリアンの話が1番考えさせられたけど、他2人の話も面白かった。パリの話がそこに繋がるのね。。過ちを認めて前に進むのって大人になってもそう簡単に出来ることじゃない。(むしろ大人になったからこそ?) その名に恥じない人生を送るであろうジュリアンの今後に期待。

    それにしてもブラウン先生、ほんとに素晴らしい先生!

  • 子供に勧めたくなる一冊。間違いに気付き、認め、乗り越えて行く姿に感動した。自分はこんな風に頑張ってこられただろうか。

  • 読んでよかった。
    ワンダーと合わせて読むべき!
    いじめっ子には、いじめっ子になる理由がちゃんと存在する、と感じた。

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著者プロフィール

50ヶ国語に翻訳されたベストセラー小説『ワンダー』の作者。『ワンダー』は数々の賞を受賞し、児童文学賞の最高峰であるカーネギー賞の最終候補にも残った。2017年11月には米で映画が公開されている(日本公開は2018年6月)。

「2018年 『みんな、ワンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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