もうひとつのワンダー

  • ほるぷ出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593535224

感想・レビュー・書評

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  • 2人はともかくジュリアンの事も
    暖かく見守る気持ちになれて
    ビックリ‼️みんなで頑張って
    生きて行こうね

  • ほかの二人はともかく、ジュリアンの視点で語られることに自分が共感できるようになるとは思わなかったのに。ものごとは一面だけ見ていたのではわからないということを、肝に銘じていきたい。

  • 『ワンダー』のスピンオフ作品。いじめっこのジュリアン、オギーのおさななじみクリストファー、そして優等生のシャーロット。3人の視点から語られる。オギーと出会い彼、彼女たちに起きた変化とは。

  • 図書館で借り。
    オリジナルの『ワンダー』は2017年に読んでた。

    『ワンダー Wonder』のレビュー R・J・パラシオ (everydaysundayさん) - ブクログ
    https://booklog.jp/users/everydaysunday/archives/1/459353495X
    当時、Aがイヤイヤ期でなかなかじっくり味わえなかったんだけど、それでもほぼ一気に読んだ覚えがある。
    「障害児から見える世界はどんなものだろう」「きょうだい児はどんなことを考えてるんだろう」と最近考えていて、『ワンダー』を思い出し、スピンオフ作品があることを知ったので借りた次第。

    ・p7「はじめに」から。ジュリアンについて作者が語った部分
     ジュリアンは、たしかにひどいことをしましたが、だからといって必ずしも「悪い子」だということではないのです。あやまちから人を判断することはできません。本当にむずかしいのは、おかしたあやまちを受け入れることなのです。

    ・p10 親切になさい。あなたが出会う人はみな、きびしい戦いのさなかにいるのだから。――イアン・マクラーレン
     オリジナルもそうだけど、この辺の格言が胸に刺さるのであった。姉妹本『365日のWonder ブラウン先生の格言ノート』にも載ってるのかな…。読みたい


    ・p44あたり、ジュリアンのママが「スーパーママ」になるか「スーパーみっともないママ」になるかと、あれこれ考えを巡らせているジュリアンの内面の描写。
    辛辣だなあと思う。このくらいの年、十一歳でももう自分の親のことをいろいろみてるんだな、良かれと思って母親が表に出たことが、子どもの目に「みっともなく」映ることもあるんだよな…

    ・p108、ジュリアンのおばあちゃんの言葉
    「ジュリアン、おまえはまだ若い。そして、自分がしでかしたことは正しくなかったと知っている。おまえは、正しいことをできないこというわけじゃない。まちがった行いを選んでしまっただけなんだ。あやまちをおかしたっていうのは、そういう意味だよ。(中略)けれどジュリアン、人生のすばらしさはね、ときにまちがいを正せるってことなんだ。あやまちから学ぶ。そして、よりよい自分になるんだ。(中略)おまえもあやまちから学ぶんだよ。ほかの人にはぜったい同じことをしないと、自分自身と約束しないといけない。たった一度のあやまちで自分を決めつけるんじゃない、ジュリアン。わかるかい?ただ、次はもっとよい行いをしなくてはいけない」

    ・p224 クリスのパパの台詞 こういうこわいできごとっていうのは、人に警鐘を鳴らしてくれる。警鐘って、わかるか?人生にとって大切なものを、あらためて考えなおさせてくれるんだ。家族、友だち、大好きな人たちについてな

    ・シャーロットの章は、女子同士のグループ間の空気感、見えない窮屈さや装ってる自分、そういうのが見えてわかるわかる、とうなづいた。空気が読めない、点つなぎが好きなマヤ。うちの子にちょっと似てる。彼女がシャーロットに受け入れられてホッとした。

    読みながら、どの子もどの大人もみんな、幸せになれ。障害があろうがなかろうが、性格良かろうが悪かろうが、なんだろうがみんな幸せになれ。と思わずにはいられなかった。

  • 背すじをのばして歩きたまえ

  •  蛇足になりがちな続編やスピンオフだが、あって良かったと思える本作。スピンオフが見事に成功した例としては『ホルモー六景』(万城目学著)以来じゃなかろうか(笑)

     『Wonder』の中の登場人物3人にまつわる物語。本書執筆に関し、まえがきで著者は言う、

     「一番の理由はジュリアンのためです。」

     そう、本編『Wonder』を読み終わった時、もうひとつ視点を増やすなら、いじめっ子側のジュリアン目線だなと、恐らく多くの読者が思ったことだろう。そうしなかった理由も著者としてあったことを「まえがき」で語っているが、それでもこのスピンオフで取り上げざるを得なかった存在であったということが本書を読んでよく分かる。”ジュリアンをもっと理解するため”創作されたストーリーではあるが、ジュリアンの行いを通じ語りたかったのは以下;

    「あやまちから人を判断することはできません。本当にむずかしいのは、おかしたあやまちを受け入れることなのです。」

     本作を読んで、本編『Wonder』の思想がなお鮮明に浮き上がってくることになる。つまりは”寛容”だ。あるいは昨今流行りの言葉で言えば多様性への理解、受け入れだろうか。
     著者は「いじめについて語るジュリアンの物語は、『ワンダー』に入れるべきものではありませんでした。そもそも、自分をいじめる相手の気持ちを理解して思いやるなんて、いじめに苦しむ子がすることではありません。」と語り、本編にジュリアン編を入れなかったが、本編+「ジュリアン編」でこの『Wonder』は完成されるのではないだろうか。そう思えるほど、このジュリアン編は完成度の高い感動作品だった。
     映画『サラの鍵』的なエピソードもなかなかニクイしね(おばあちゃんの名前が”サラ”だったのは、単なる偶然?)。

     本編『Wonder』がベストセラーとなり、ネット上では「KEEP CALM and DON'T BE A JULIAN(冷静を保ち、ジュリアンになるな)」なんてキャンペーンも過熱したという。ネット上の短絡なムーブメントではあるが、その危うさは一目瞭然。オギー愛しジュリアン憎しで囃し立てるそれは、まさにジュリアンが『Wonder』の中でオギーやジャックに対して行った行為と根っこのところで同じだ。それにきっちりオトシマエを付けた著者の手腕が見事。物書きとして作品でそのことを読者に気づかせた。 そして、誰もがジュリアンのことも理解したことだろう。素晴らしい!


     続く「クリストファー編」「シャーロット編」もそれなりにだけど、「シャーロット編」は女子にありがちな感覚、行動様式がちょっと理解しにくく、読み飛ばし気味に・・・(あぁ、それも寛容な心で受け入れないといけないんだろうなと思いつつ)。 でも、アコーディオン弾きのおじいさんとのエピソードは映画『Wonder』の中に背景としてでもいいので描かれていると素敵だなと思った(映画、現時点では未見です as of Jun5,2018)。

著者プロフィール

50ヶ国語に翻訳されたベストセラー小説『ワンダー』の作者。『ワンダー』は数々の賞を受賞し、児童文学賞の最高峰であるカーネギー賞の最終候補にも残った。2017年11月には米で映画が公開されている(日本公開は2018年6月)。

「2018年 『みんな、ワンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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