ダヤン、タシルに帰る: Dayan in Wachifield7

著者 :
  • ほるぷ出版
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593592340

感想・レビュー・書評

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  • エッチング/池田あきこ
    銅板刷り/加藤史郎版画工房
    デザイン/湯浅レイ子(ar.inc)

  • 魔王は生きていた!そうとも知らず、雪の神の使徒セントニコラウスの指示にしたがって、ノースをめざしたダヤンやジタンたちの一行。ジタンのあとを追うバニラ。そのゆくてに待っているのは…?一方、雪に降りこめられたタシルの街では、オットーさんの呼びかけに応え、時の魔法で過去に旅立ったまま帰らないダヤンとジタンをとりもどそうと、イワンを先頭にみんながけんめいに働きはじめた…。ダヤンの「定められた務め」とは?タシルの街は救われるのか?そして、ジタンの運命は…?ヨールカの魔法で、猫のダヤンがわちふぃーるどにやってきてからの冒険の数々。不思議の国わちふぃーるど創世の秘密を解き明かす大長編物語、ついに完結。

  • 大長編物語ついに完結。児童書カテゴリに置いてあるだけに、文章が読みやすく、かつ大人も十分楽しめる内容だった。

    気になるのは、タイムリープものに必ず生じる複数の時間軸だ。
    時空のはざまで消滅したアビルトーク時代から生き続けるジタン(ルート1)、キマイラの存在を知っているスコシマエのタシルのジタン(ルート2)、ノースの時の扉からやってきたジタン(ルート3)。

    結局[ルート3]が、春が戻ったタシルのイマなのだが、
    未来改変で複数にわかれた分岐がまたひとつになるためにはそのひずみを埋める必要があり、それが、ルート1で消滅したジタンだったのかと思うとせつない。
    キマイラはルート2でこじんまりと生き続けるのかね?
    あと、ルート1を生き続けていたジタンやセがアビルトークを救ったダヤンを知っているということは、ルート1のダヤンは一度死んで、アルスで生まれ変わったということか?考えれば考えるほどよくわからなくなってくる。
    まあ、SFじゃなくてファンタジーだから、つじつま合わせにこだわることはない。
    王道ファンタジーを純粋に楽しめたのでよかった。

  • タイムパラドックス、というものが起こって、矛盾や疑問がいくつか残る。
    追求するのは野暮かもしれないけど、曖昧なことが多くてちょっともにゃもにゃする感じ。
    ダヤンもジタンも現在に帰ってきて、ジタンの妹も一緒にやってきて、めでたしめでたし…かもしれないけど、悲しんでいる存在もいるのでは、というところもちょっともにゃもにゃ。
    これからまた平和で楽しい暮らしが始まる、という明るい予感に満ちた終わりは好きだけど。

  • ジッジタァアアアアン!!!!!!

  • 猫のダヤンは人間の居ない「わちふぃーるど」という不思議な世界に迷い込んだ。

    そこは動物たちが立って歩き、言葉を話し、魔法の存在する世界だった。

    世界はなぜ「アルス(地球)」と「わちふぃーるど」に分かれたのか。

    ダヤンは世界を救う旅に出ることになる…

    圧倒的な世界観と壮大なストーリーで繰り広げられる壮絶なファンタジー。

  • ダヤン長編ファンタジー第7弾、ついに完結編です。

    本書では、ダヤンを送り出した、
    未来のわちふぃーるど「ハルカノクニ」と
    ダヤンがやってきた、
    過去のわちふぃーるどとアルスが分裂する前の「アルビトーク」の
    物語が交互に語られます。

    「ハルカノクニ」は「アルビトーク」から見ると未来、
    「アルビトーク」は「ハルカノクニ」から見ると過去。

    それなのに、ともに時間が流れているという不思議さ。

    どちらの世界を生きる者たちも、自分達の今を懸命に生きています。

    自分達の信じるところで、選択し、行動し、今を切り開こうとしています。

    ふたつの時をつなぐもの、
    それは、ここに来るまでの読者なら、すでに知っているあるものなのです。

    それにより、ふたつの時はつながるのです。

    私は、後追い読者の特権を余すところなく利用し、
    リアルタイム読者が1年1冊ペースで
    8年かけた冒険を3週間弱で駆け抜けました。

    第1巻はこなれていないところがあり、
    これは、本格的ファンタジーを読むための前哨戦として読むもので、
    小学校中学年で行けるかな、なんて思っていたのが、
    どんどん本格ファンタジーになって行きました。

    第1巻では言葉はこなれていなくても、
    全体のつじつまが合わなくことはなく、
    世界観がきちんとあったのだということがわかります。

    1巻のあのセリフが6巻につながっているとか
    3巻の仕掛けが7巻で完遂するなど、
    きちんとつながっていることが感じられました。

    全7巻を通して、
    ダヤンは何をするために選ばれたのだろうとずっと考えてきました。

    そして、ダヤンの果たした役割は、期待以上でした。

    本も人も別れ難いのに旅立ってしまった存在もあれば、
    もう少し早く出会いたかった存在もあります。

    ですが、すべてを超えて、
    時は今だ、これでよかったのだと思いながら、
    私は、今を生きて生きたいと思うのです。

    本は、私に、語るための言葉をくれました。

    言葉を紡ぐこと、
    それは、自分が住む世界を創造することだと思います。

    その意味で見ると、ダヤンとは何か、
    このシリーズを読了した今、
    私は、ただひと言で言い切ることができます。

    ですが、ここでは、「私のコタエ」は、語りますまい。

    「あなたのコタエ」は、あなたがダヤンと一緒に見つけてほしいと思います。

    12月17日は、ダヤンがアルスからわちふぃーるどに来た日です。

    この日は時空がつながる特別な日なのです。

    本シリーズは、全体として雪の描写の印象が強い作品です。

    夏に読んで涼むのも悪くないですが、
    読むのは、冬が似合う、と思うのです。

  • シリーズ全て読みましたww
    その中のひとつは池田あきこさん本人のサイン入りです★

  • 大好きな一冊です。

  • ダヤン長編シリーズ最終巻。ダヤンは世界を救うことができるのか。そしてジタンは――?お話はやはり、ハッピーエンドが大好きです。

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著者プロフィール

本名:池田晶子。東京都吉祥寺生まれ。
1976年、革工房「わちふぃーるど」創設。1983年に東京都自由が丘本店のシンボルキャラクターとして「猫のダヤン」を描く。その頃から不思議な国・わちふぃーるどを舞台にした物語を描き始め、絵本や画集、長編物語、旅のスケッチ紀行など、多方面で執筆活動を続けてきた。現在までの著書は130タイトルを超える。
2023年はダヤン誕生40周年にあたり、6月の松屋銀座での記念原画展を皮切りに、全国で巡回の予定。

「2023年 『猫のダヤン ポストカードブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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