シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険―ワトスン博士の未発表手記による (扶桑社ミステリー)

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制作 : 田中 融二 
  • 扶桑社 (1988年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594002787

シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険―ワトスン博士の未発表手記による (扶桑社ミステリー)の感想・レビュー・書評

  • 重度のコカイン中毒により、人畜無害なモリアーティ教授を世紀の悪党と思い込むシャーロック・ホームズ。彼を心配した親友ワトスンは、シャーロックの兄マイクロフトと共にある作戦を打ち立てた…。
    ホームズとワトスンの絆、ジクムント・フロイトとの共演、パスティーシュらしい推理、スピード感溢れる決闘、ホームズの知られざる過去…内容は盛りだくさんだが、すっきりとまとまっている。
    前半はホームズの変わりようとワトスンの心中を案じて少し切なく。後半は「四人の署名」を思わせる手に汗握るチェイスで熱く。そしてラストはこれまたちょっと切なく。
    全体的に愛の溢れた物語だった。ホームズとワトスンの友情物語と言っても間違いじゃない。なのでこのコンビが好きな人は是非読まれたし。ワトスンが健気に頑張ってくれるので、ワトスニアンにもオススメ。

  • 最後の事件やモリアーティについての事実はこうだった、というタイプのパスティーシュ。

    ホームズのコカイン中毒がひどくなり、フロイトに診てもらうことに。
    事件もあり、最後の方はハリウッド映画のような場面もありで面白かった。

    ホームズとワトソンの関係性もぐっとくるものがあって良い。

  • シャーロッキアンなららまらない一冊。あの敵役モリアーティ教授とライヘンバッハの滝で行方不明となり、「空き家の怪事件」で生還するまでホームズは何をしていたのか、その真相を公開したワトスン博士の未発表の手記である。
    まあ、本当はニコラス・メイヤー氏のパスティーシュなのだが、ファンにとっては極めて嬉しい一冊。ジークムント・フロイトがサブ・キャラで登場するのも楽しい。

  • 古本市があってたまたま手に入れた。
    ニコラス・メイヤー作のパロディですが
    面白かったです。

  • 大好きです。
    仕掛けられた推理をするホームズと、ハラハラと見守るワトソンのコミカルな心情、フロイト博士との駆け引き、薬と格闘するホームズとワトソンくんの対話は切ない気分にさせられて、イキイキとしたいつものホームズの冒険譚へなだれ込んで行く。最後はちょっと淋しいけれど、とても締まりのある終わり方だったと思う。

    この一連の流れを全部一冊の本で描かれてしまうのはもう感服です。
    楽しかった。ウエストエンドの恐怖も読んでみたい。

  • 1975年イギリス推理作家協会賞受賞
    原題は『THE SEVEN PERCENT SOLUTION』(7%の溶液)
     『四つの署名』でシャーロック・ホームズが使用したコカインの濃度の意。

    私(ワトソン博士)が結婚し診療所を開業してから、シャーロック・ホームズとは疎遠になっていた。
    ある夜、ホームズはいつになく動揺した様子で現れ、「ロンドンで発生している迷宮入りの事件の多くはモリアーティ教授が首謀者であり、教授の手下に命を狙われている」と告げると眠ってしまった。
    目を覚ましたホームズはモリアーティ教授の話を覚えておらず、コカイン中毒による幻想だろうと思った。

    ところが翌日、60代の数学教師モリアーティが訪ねてきて、ホームズに付け回されていると訴えた。
    彼は昔、ホームズ家で数学の家庭教師をしていた。

    私はホームズに治療を受けさせるため一計を案じて、モリアーティをウイーンに行かせる。
    計画どおりホームズは追跡を開始し、医師ジクムント・フロイトの家にたどりついた。

    ホームズはフロイトの人間像を部屋の状態から言い当てるが、なぜおびき出されたのかについては見当つかないと答える。
    「自分の非を認めるより、自分を救おうとした人達を裏切ることを選ぼうとしているホームズに失望した」とフロイトは言う。
    「自分の意思の力で駆逐できなかったのに、あなたに何ができるか。最初の1歩を誤って踏みだしてしまった者は永久に破滅の道からそれることはできない」と言うホームズに対して、
    フロイトは「破滅の道からきっと抜け出すことができる。多少の助けが必要だが、一歩踏み出したら最後というわけではない」と諭す。
    そして、催眠術と鎮静剤を用いた禁断症状を抑える治療が行われる。

    ホームズが回復に向かっているなか、事件が起こる。
    それは、自殺未遂で収容されたヒステリーの女性を診てほしいというフロイトへの依頼から始まった。
    女性の名前はナンシー・スレーター、アメリカのロードアイランド州出身で、オーストリア皇帝の親戚にあたるフォン・ラインスドルフの未亡人だと名乗った。
    ホームズはナンシーが手足を縛られて屋根裏部屋に監禁されていたことを見破る。

    その夜、オペラ・ハウスには故フォン・ラインスドルフの息子(バロン)と未亡人ナンシー・スレーターの姿があった。
    バロンは以前、フロストがユダヤ人と揶揄されたことから、テニスの試合を行い、負かした相手だった。


    <解決篇>

    ラインスドルフの未亡人は「彼女は小間使で、フォン・ラインスドルフが死んだ後、行方不明だった」と言った。
    「教会の活動を手伝ったことがあるか」というホームズの問いに、「教区の福祉活動に熱心だった」と未亡人は答えた。
    スレーター家はクエーカーという宗教に属しており、教会にはいかず、福祉活動を教区の活動とは呼ばないとホームズは説き、
    息子のバロンが父親を殺し、義母のナンシーを監禁し、偽物を未亡人に仕立てたと推理する。

    その夜、病院からナンシーが誘拐される。
    「彼女は殺されてしまう」と失望するホームズに、フロイトは「義母に対する憎しみが強いからすぐ殺したりはしない」と言い、
    「憎しみの要因は、実の母親に対する強烈な忠誠心と献身」と説明する。

    バロンを追い駅に着いたときには、3時間前に特別列車を仕立てて出発した後だった。
    機関車で後を追うが、途中で石炭を使い果たし、次々と客車を解体して燃料とした。
    とうとう可燃物が尽き、あきらめかけたとき、特別列車の切り離された客車にホームズは飛び乗った。
    列車の上でバロンとの決闘が始まった。
    ホームズは劣勢で腕を負傷したが、バロンは自ら足をすべらせ、ホームズの剣に刺さり転落した。
    トランクに押し込められていた... 続きを読む

  • ホームズパスティーシュです。
    聖典の「最後の事件」から「空家の冒険」までの空白の3年間のホームズ失踪の理由は実はワトスンの捏造で真相は別にあるというのです。
    その真相はホームズは宿敵モリアーティ教授と共にライヘンバッハの滝壺に転落したという筋書きを覆してしまうものです。
    物語は重症のコカイン中毒に冒されたホームズに治療を受けさせる為の方策をワトスンが練る事から始まります。
    その方策とは犬にバニラエッセンスの匂いを嗅がせてモリアーティ教授をホームズに追わせ、ウィーンにいるフロイト博士の元に向かわせるといったものです。
    そうして、ホームズ達はフロイト博士がいるウィーンに到着し、その地で意外な事件に巻き込まれていきます。
    日に日に回復の気配を見せているホームズはワトスンとフロイト博士の力を借りてその犯罪の解決に乗りだします。
    初めはこの話はどうなっていくのかと思っていましたが、後半からは冒険的でホームズもワトスンも忙しく動いたり、戦ったりでかなり面白く読めます。

  • さすがに、ホームズのイメージ壊しすぎで・・・

  • 本当のホームズ作品にも劣らない、夢中になって読めるし、ホームズ好きに一読をお勧めする(できる)本。
    最初は何も知らずに、新しいホームズの作品が出たのかと思ってしまった。

  • コカイン中毒に侵されてありえない幻覚を見始めたホームズを、ワトソンがなんとか救おうとするおはなし。

    トビー(もしかしてトビー・ダイクってこの犬からきたのかな?)やあのフロイト先生も出てきて、登場人物たちはみな愛嬌があって面白いし、なによりメイヤーの書き手に驚かされた!ここまで再現できるなんて、うっかり勘違いしそうになるくらい、違和感なしに読めた。
    他のも読んでみたい。ぜひ!

    個人的に面白かった場面は、汽車の中でのホームズとワトソンの会話。この車中に乗っているかもしれない天才たちがなだれに遭ったら人類にとって計り知れない損失になるといって嘆くホームズに、ワトソンは「また別の新しい天才が生まれるさ」と答えている。
    面白すぎるよワトソン・・・

  • 話は面白いけど、表紙がいろいろひどい。

  • シャーロキアンのおすすめするホームズパスティーシュその2

  • ホームズがコカイン中毒になって、フロイト博士の治療を受け、回復する過程で事件も解決する、という、大胆なパスティーシュ。つじつまをきちんと合わせているうえ、ミステリ的にも面白い。

  • コカイン中毒で自分の元家庭教師のモリアーティを悪の組織の首領と思い込んだシャーロック・ホームズ。ウィーンでコカイン中毒を治療する医師がいると聞いたワトスンとマイクロフトの囮作戦。ウィーンでホームズの治療にあたるフロイト博士。禁断症状を乗り越えたホームズにもたらされた事件。橋の上から川に飛び込んだ記憶を失った女性の事件。女性が監禁されていたと推理したホームズ。自分の名前をドイツ皇帝の従兄弟の妻となのる女性。父の後をついだランスドルフ伯爵の秘密。世界大戦を防ぐために伯爵を追跡するホームズ。

  • 原作(正典)の雰囲気をそのままに、スケールアップされたホームズの贋作本の代表作です!

  • パスティーシュ。コカイン中毒の治療のためドイツに来たホームズとワトスンが、そこで遭遇した事件にフロイト博士と挑む! 興奮と感動。文句なしにおもしろいです。PART2もあり。

  • 重度のコカイン中毒になってしまったホームズを治療するため、ワトソンは「宿敵」モリアーティ教授を劣りにつかっておびき出す。
    目指すはジグムント・フロイト博士の元・・・。
    決して、スーパーマンではないホームズの姿を描いていますが、ユーモラスで非常に楽しいホームズ・パスティーシュです。

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