バトルランナー (扶桑社ミステリー キ 1-8 バックマン・ブックス 1)

  • 扶桑社
3.64
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594004521

作品紹介・あらすじ

西暦2025年。世界は環境汚染に苦しみそして荒廃していた。アメリカは巨大な管理国家と化し、都市には失業者があふれていた。彼らの娯楽といえば、絶えず流されているテレビの残酷なクイズやゲームの番組だけだ。そんな失業者のひとり、ベン・リチャーズが出場したのは、ネットワークで最高の人気を誇る番組『ラニング・マン』-。それは全米を巨大なフィールドとする「人間狩り」だ。全視聴者を敵にまわしながら、一ヵ月逃げとおせれば十億ドルの賞金、しかし捕まれば、テレビカメラのまえで容赦なく殺されるという文字通りのデスレースなのだ。リチャーズは逃げる。ニューヨークからボストンへ、そしてさらに北へ-。鋼鉄の男シュワルツェネッガー主演で映画化されたこの作品には、映画を超えた衝撃的な結末が待っている。

感想・レビュー・書評

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  • キングが別ペンネーム、リチャード・バックマン名義で書いた作品を集めた『バックマン・ブックス』その1。
    シュワルツェネガー主演の同名映画の原作だが、映画とは逆に非常にシリアス。例の事件が起きた時、この作品思い出しました…。

  • 3.3

  • とてもテンポが良く、再読二日で読み終わった。最初から最後までドキドキしながら楽しめる。

    西暦2025年、荒廃した世界、アメリカは巨大な管理国家と化し、都市には失業者があふれ貧富の差はひどく、絶えず流されている無料視聴テレビ「フリテレ」の残酷なクイズやゲームの番組だけが娯楽の世界。
    喘息の娘を救うため、リチャーズはゲーム参加を決める。参加番組は「ランニングマン」、全国民による人間狩りであった。


    純粋な「金を稼ぐための殺人鬼ごっこ」は、貧者を食い物にし、ひどい大気汚染を隠蔽する富める者たちへの憎しみに変わっていく。
    逃亡劇としてのエンターテイメントも、世の中を破壊しようとするSFとしてもとても楽しめる素晴らしい作品だと思う。この小説の世界は、この後どうなるんだろう。

  • 主人公が強すぎる。まさにOP。
    レボルバー1丁で向ってくるパトカーの群れを一掃してしまう。
    パトカーは炎上して爆発、中のポリスメンも死ぬ。
    だいたい銃弾1発で敵をひとり片付ける。効率がとてもいい。
    映画はまだ見ていないが、シュワちゃんが敵を圧倒するシーンが思い浮かぶ。
    ラストのシーンもシュワちゃんっぽい。納得できるオチ。
    ではあったもののやはりご都合的に主人公が強すぎるので星3にした。
    バックマンシリーズは『死のロングウォーク』も読んだが、あちらのほうが好みだった。

  •  ペンネームで発表されたキングの近未来ものサスペンス。こういうのも書くんだ。莫大な賞金のかかった逃亡ゲームに重病の子供の医療費のために命を賭けて男が挑む。ランナーというのは走ることではなく、逃げる意味なのだ。失敗すれば殺される。なんともやりきれない設定だなと思いながら読んでいく。通報者にも賞金が出るからまさに孤立無援。そんななかでも協力してくれる人が現れる不思議。世の中も捨てたものではないか。しかし、圧倒的な物量で追跡者が迫る。容赦なく減っていくカウントダウンの数字。絶体絶命に追い込まれてどんなラストが描かれるのだろうと思ったら...。すごい。この時代にこれを思いつくなんて。

  • 映画とはまったく違った内容でビックリ。
    好みは人に寄りだけれど、こっちの方がキングらしくて好きかな。
    映画にするにはちょっとテンポ感が悪い気もしますが。
    舞台がアメリカを広くつかっているのに、いつも薄暗い感じってのも印象的でした。

  • シュワちゃん主演映画化に合わせてサンケイ文庫から出たのを読んだなぁ。別名で書かれた作品なので、キングって言われないとピンと来なかっただろうな。

  • SFだが、本当にSFと呼んで良いのだろうか。近未来のアメリカ、という設定だがそこはリアリティがある。どこかの国のどこかの地域ではあってもおかしくない状況だ。
    ひどい格差社会。貧乏人はまともな生活を送ることすら困難だ。その不満を抑えるために無料で見れるテレビ、フリテレ(日本だったら無料が当たり前だが、アメリカは有料のケーブルテレビが主流だからわざわざ無料であることを強調している)で殺人ショーを見せて国民の鬱屈を解消させている。あくまで一つの見解だけど、韓国の政権が国民の不満を解消するために排日を煽っている、という言説と重なる。人間が殺人ショーを楽しむような文化は信じたくないけど、中世では公開処刑があったわけだし、実際に起こりえるのを信じないのは平和ボケと言って良いと思う。
    その中で主人公のリチャードは聡明な頭脳には恵まれたが、産まれや育ちにはまったく恵まれなかった。また、社会に順応するだけの従順さも持ち合わせていなかった。職にあぶれ、奥さんが売春をしないと喘息にかかった娘の薬を買えないほど生活に困窮している。そこで殺人ショーに出ることを決意する。
    この小説が胸糞悪い理由は、そんな主人公が必死の思いでハンターから生き残り、ハッピーエンドを迎えそうな終盤にいたり、番組のプロデューサーであるキリアンから告げられる、奥さんと娘の死が原因だ。不幸な生い立ちに加え、物語中は決死の逃避行、持ち前の頭脳と度胸で苦難を乗り越えやっと辿りついたエンディングは9.11を思わせるジャンボジェットによる、殺人ショーを主催するネットワークが入ったビルへの激突による壮絶な死なのだ。この逃避行は確かにハラハラドキドキの展開で、エンターテインメントとして成立はしていると思うが、最後に巨悪に対し一矢報いる描写あってすらどこにも救いはないだろう。
    だから、酷評されているシュワルツネッガー主演の映画版のラストが勧善懲悪のラストになっているのは、ハリウッドエンディングらしい原作の改変だと思う。ただ、原作の方が評価が高いのは、この物語の持つ後味の悪い残酷さが現実であり、映画版のハッピーエンドこそ虚構であることを皆気づいているからだ。
    どうでも良いけど原題の「Running Man」の方がしっくりくると思う。「バトルランナー」ってファミコンのタイトルみたい。

  • 2014/2/6読了

  • 中国の大気汚染の話をみて思い出した本。
    他のキング物と違って、話の展開がとてもスピーディー。

    特にボストンで潜伏中の主人公の描写が好きです。
    追われる者の焦燥感がリアルにでていると思います。
    やはりキングの内面描写力はさすがですね。

    ちなみに、シュワルツェネッガーの映画はだいぶ前にテレビで見ました。
    あっけにとられて何も言えなかった。
    原作無視ってレベルじゃない。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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