ホプキンズの夜 (扶桑社ミステリー)

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制作 : 小林 宏明 
  • 扶桑社 (1990年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594006099

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ホプキンズの夜 (扶桑社ミステリー)の感想・レビュー・書評

  • 空回りした情念によって構成が乱れ、前作「血まみれの月」にあったドス黒い世界観まで打ち壊す明らかな失敗作だ。この後、エルロイは「ブラック・ダリア」という凄まじい傑作を上梓するのだが、デビュー以降の長い模索期に創作したホプキンズ・シリーズは、独自のノワールを確立する所謂「暗黒のLA三部作」に達するまでの長い試作期間ともいえる。部長刑事ロイド・ホプキンズ登場の第2作目となる本作には、その迷いと焦りがはっきりと表れているように感じた。
    カリスマ的な精神科医のもとに集い、洗脳されていく成金やエリートたち。擬似宗教家は己の妄想を現実化するために、殺人や強盗などの試練を与えて達成することを要求。やがて失踪した元警官もその一派に加わっていることが判明する。同時期に警察内部からホプキンズを含む6人の資料が盗まれており、ホプキンズは些少な手掛かりから真相を追い求めていく。

    「…の月」が秀れていたのは、殺人者とホプキンズの「狂気」が臨界点で一致し共鳴するさまが見事に描かれていたからなのだが、本作では最後まで乖離しており、展開も凡庸なものだ。通常の警察小説であれば「善と悪」の対照に違和感などないが、エルロイに求めることとは別次元の世界での対決であり、その果てのカタルシスである。人間の暗黒面を題材とはしているが、プロットと同様に咬み合わない刑事と殺人者のやりとりは破綻したままに暴力的決着をもって終幕を迎える。

  • ホプキンズの強烈な個性が薄れてしまった。

  • エルロイ作品はそこはかとなくマザコンの匂いが漂ってますが、このホプキンズシリーズは雰囲気がえらいファザコンっぽい。それを象徴するのがロイドとダッチの関係。擬似父子にしてはダッチ警部はロイドに入れ込みすぎだけど。

    ホプキンズシリーズの2作目である本作はそのファザコン要素が強烈だった。ただ、犯人の行動はミステリーとして読むには無理があるし、洗脳といったきな臭い方法もなんだかなぁ。
    それでもエルロイ作品を読んだ後の、あの悪夢にうなされるような読後感は健在。

  • ホプキンズシリーズはかなり情念が渦巻いている。

  • 「刑事ロイド・ホプキンズ・シリーズ」三部作第二弾。
    ロス市警の敏腕警官ハーゾグの失踪事件の捜査を任されたホプキンズ。
    同じ頃、アンティーク銃を使った殺人事件が起こる。
    ホプキンズは天才的な嗅覚で二つの事件を結ぶ核心に迫っていく。
    エルロイ作品においてはどの登場人物も(程度の差はあれ)薄汚く汚れている。
    本作においても互いによく似た魂を持つ者同士が引き寄せられていく軌跡を追っているかのような印象を受ける。
    単純な正義−悪といった観念はそこにはない。

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