ブラック・ハート 下 (扶桑社ミステリー コ 7-5)

  • 扶桑社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594018191

感想・レビュー・書評

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  • この人怪しそうって読者を引き込みつつ、真犯人はそうきたかって感じでした。

    ホームレスの?元弁護士さんが何かするのかと思ってたけど、まったく関係なかった。

  • Amazonドラマ・シリーズで主人公の仇敵となって最新のスピンオフ作品にも出ているハニー“マネー“ チャンドラー弁護士だが、原作シリーズの3作目にして非業の死を遂げる結末にびっくりするが、魅力的なキャラクターとして「復活」させているドラマ製作者に拍手。
    ところで、ポルノ業界に触れるくだりで、「業界の人間はライセンスを受け、成年でなければならず、だれも彼らの望まないことを強制してはならない」と一人の刑事に言わせているのが30年前の作品であることに驚くが、成人年齢の引き下げに関連して「女子高生を守れ」的な情緒的な論説ではなく、法に則した毅然たる姿勢が必要だと思わされる。

  • 図書館の本

    内容(「BOOK」データベースより)
    コンクリート・ブロンド事件は、公式には未発表のドールメイカー事件の手口に似ているため、捜査班は警察内部に近い人間による模倣犯罪であると睨む。まず捜査線上に上ったのが風紀取締課のモーラ刑事。違法ポルノヴィデオ摘発などに携わるうちに自らその世界にのめり込んでいるらしい、と噂の男だ。留守をねらい単身、彼の家に侵入するボッシュ。おびただしい数のヴィデオテープの中にモーラ自身が出演しているものを見つけた彼は真犯人を突き止めたと確信したのだが…。LAが舞台のシリーズ最新作。

    ブロンド違いか。
    チャンドラーって嫌いだったけど、それでも殺されていいとは思わなかったから後味悪い。
    ボッシュの過去というか、生い立ちとかまで裁判で晒されるのはきついよね。
    子供が殺されるのも嫌。
    でも面白いのは、さすが。

  • ハリー・ボッシュ・シリーズ第3弾、今回はボッシュがハリウッド署に異動になった原因となるドール・メイカー事件の裁判から始まる。原告側女性弁護士の名前がチャンドラーなんてハードボイルドだ。

  • 一般人は警察に平和を守れとか犯罪をなくせとか
    いろいろ言うくせに、その対価を払うのにはきわめて後ろ向きで、警察の不祥事みたいなのにはものすごい不満を言うし、誤認逮捕やらなんやら、本当に手厳しい。
    そういう嫌なものは見ずに蓋をしてしまいたくなる感覚って、なんか日本人っぽいのかな?と思ったけどその感覚は日本でも米国でも同じなんだなぁ、と。警察が、なんと都合の良い、と思う気持ちも分からんでもない。
    まぁでもそれが庶民だよねぇ。

    そしてこの本はその庶民の代弁者であるチャンドラーさんの話であって、妙になよなよしたり気弱なところがあるボッシュさんは責め立てられるMの立場で、心の中ではもにょもにょ言いながらも目をそらしたりして実に情けなく、普段の強面とのギャップと彼女とのいちゃつきぶりもあれまぁであって、要するにマザコン。そんなん男はみんな気に入るさ~。

  • 母の死が低層を奏でるボッシュの生い立ち。いいねぇ!

  • ドールメイカー 裁判 追随者(フォロワー) 真犯人 and シルヴィア

  • ハリー・ボッシュシリーズの中で何度も引用されるドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』からの一節が原告側弁護士ハニー・チャンドラーによって、初めて引用される。
    「怪物と戦うものはだれであれ、その過程において、自分が怪物とならぬよう気をつけねばならぬ。そして、深淵を覗き込むとき、その深淵も逆に見つめ返しているのだ・・・」
    つまり、ボッシュが「ドールメイカー」事件で、ノーマン・チャーチを射殺したのは、深淵を覗くあまり怪物の側に立ってしまったからではないか、という指摘で、ボッシュの出生の事情や心に抱えている精神の闇(ブラック・ハート)が追求されていく。

    ボッシュが背負っているトラウマ、自己の闇に立ち向かうため警察組織からはみ出した孤独な一匹狼となり、事件の渦中に飛び込み、自ら捜査する過程でその深淵と対峙していく姿が斬新なハードボイルドを感じさせる。

    猟奇的な殺人事件を科学的、法的な見地から追求し捜査していく迫力、
    やり手女性弁護士との臨場感あふれる公判場面、
    迫り来る見えない敵との闘い!
    それらがどれもスリリングで、息もつかせぬままクライマックスからエンディングへと導かれる。

  • ハリー・ボッシュシリーズ第3作。前作までの荒々しさが消え、プロットはより練り込まれ、洗練されている。三人称でありながら主人公に視点をしっかりと据え、その行動を通してしか物語が進行しない。このシリーズがハードボイルドたる所以の一つであり、ミステリとしても重要要素である。

    娼婦らを狙った連続殺人犯〝ドールメイカー〟の住居に単独で乗り込み射殺したボッシュは、その4年後、無実を主張した男の妻から訴えられる。男の住居からは犯行を裏付ける証拠が見つかっていたが、幾つかの相違や矛盾する点もあった。裁判が進行する中、男のアリバイを証言する者が出現。さらには自らを〝ドールメイカー〟と名乗る者によって、同様の手口による新たな殺人事件が発生し、ボッシュは窮地に立たされる。4年前に葬った男が真犯人であることを確信しつつも、模倣犯と思しき殺人者がなぜ〝今〟になって姿を現したのか。原告側の敏腕弁護士との熾烈な対決で神経を消耗しつつも、ボッシュは改めて不可解な事件の真相を探るべく、まずは警察内部へと疑いの眼を向ける。

    その名もチャンドラーという女性弁護士が、確たる証拠を事前に入手しないまま容疑者殺害に至るボッシュの動機がトラウマにあるとするくだりは、優れた法廷劇でもある本作の隠れた山場であろう。過去に被害者らと同じく娼婦であったボッシュの母親は殺害され未解決となっている。事実に根差した推測でありながらも心理的な攻撃を容赦なく放つチャンドラーに対し、ボッシュは煮え滾るような怒りを抑え、あくまでもクールに立ち振る舞う。自己弁明よりも事件解決を優先させる刑事としての誇りを表すエピソードが物語に深みを与えている。巧い作家だ。

  • アーヴィン・アーヴィングってこんないい感じの人だったっけ??

    先に読んだ、これより後の本で出てきた印象と違うような…??

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著者プロフィール

Michael Connelly:1956年生まれ。LAタイムズ元記者。代表作としてはボッシュ・シリーズ、リンカーン弁護士シリーズがあり、当代随一のストーリーテラー。

「2023年 『正義の弧(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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