私が愛したリボルバー (扶桑社ミステリー イ 4-1)

  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594019525

感想・レビュー・書評

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  • ステファニー・プラムシリーズの第一作目。
    『声に出して読みたい日本語』などで有名な明治大学教授の齋藤孝先生が推薦していたので読んでみた。

    下着のバイヤーをクビになり、無一文になった30歳バツイチのステファニーは高額な賞金だけを目当てに「バウンティー・ハンター(保釈金保証会社から借りた金を踏み倒して裁判に出頭しない逃亡者を追う職業)」になる。

    全くの専門的技能も知識もなく、持ち前の元気さと貧乏暮らしから抜け出したいという気持ちだけで、拳銃も撃ったことのないステファニーが海千山千の逃亡者を追うという、まさにドタバタアクションエンターテイメント(ちょっとラブ)コメディ(笑)。

    この小説を読んでいると自然に映像が浮かび上がる。自分の中ではステファニーがキャメロン・ディアス、ステファニーが追う元警官の逃亡者ジョー・モレリをトム・クルーズで配役(二人ともちょっと年が行っているけどそこは脳内で補正。ちなみに二人が主演してる映画『ナイト&デイ』とはまったく無関係だし、見たことない←)。

    ステファニーが追うジョー・モレリはステファニーの幼なじみでしかも初体験の相手というちょっと複雑な関係。ミステリー要素も多少あるけど、基本はアクションコメディー。

    齋藤先生おすすめということもあって、細美遙子さんの翻訳も小気味よく読みやすい。
    毎日、難解な純文学で頭を悩ませている活字中毒患者達が頭を一度リセットするのにもってこいの娯楽作品。

  • 突然下着バイヤーの職を失ったステファニー。
    金に困り家電製品を売ってくいつなぐ毎日に、いとこの保釈保障会社で(誰にもおすすめされないままに)賞金稼ぎとなる。狙いは幼馴染の警官ジョーゼフ・モレリ。
    もちろん新米で何も知らないステファニーが上手くできるわけもなく・・・。

    そんな始まりのこのお話。
    最初にかなりのページを割いてシケシケの金欠生活が描かれていて、また地域的にもお上品ではないゆえにステフもそこそこお下品で、いまいちノらないままに読み進めていたのですが、ステフが本気になってからが俄然面白くなりました。
    狙うモレリはハイスクールにいた時に「ハジメテ」を捧げた遊び人で、そういう意味でも腹に据えかねていたりして、この二人の関係もまたドキドキできました。
    本筋のミステリーの方もどんどん深くなってゆき、ミステリーを読みなれている人には「タブンこいつヤバいわ」ってのはすぐにアタリがつくんですけど、それを差っ引いてもスリルは決して目減りしない。
    続編も読みたいと思います。

  • ステファニー・フリン登場作。原題はまさかの"One for the Money"。邦題とは全然ちがってびっくり。

    天然猪突猛進系ヒロインは苦手分野なのだけれど、これはおもしろく読めた。カラッとしていて辛気くさくない。あとはメイザおばあちゃん。ファンキーで最高。
    逃亡者逮捕請負を仕事にするバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)という職業が新鮮。ピストル登場しまくり。怖い目にあいまくり。ザ・アメリカのハードボイルド。

  • 実は本作について語ることはあまりない。躍動感溢れる女性バウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)の活躍を気軽に楽しめばよく、「重い小説」を読んだ後のブレイクにぴったりだ。負けん気が強く猪突猛進型、仕事も恋愛もひたむきだが、もろく傷つきやすいという等身大の女性を軽快なテンポで描いており、流石は元ロマンス小説家というところ。シリーズは長く続いており、第一作では抑え気味のスラップスティックな要素が全面に溢れてくれば、もっと面白くなるだろう。

  • 原題は『ONE FOR THE MONEY』(1に金のため)
    1995年英国推理作家協会賞受賞

    私はステファニー・プラム、30歳、失業中で車は没収され、アパートから追い出される寸前だ。
    従兄のヴィニーが経営する保釈保障会社で、裁判に出頭しなかった保釈中の容疑者を見つけると、保釈金の10%もらえるという話を聞く。
    素人には危険だと反対するヴィニーを脅して得た最初の仕事は、幼なじみの警官ジョーゼフ・モレリの捜索だった。
    モレリは殺人罪で起訴されていた。
    彼の自供によれば、カルメン・サンチェスを訪ねたら、ジギー・クレスツァが現れ、銃を向けたので発砲したという。
    正当防衛を主張していたが、目撃者はなく、銃もみつからなかった。
    現場にはもう一人男がいたが、警察が来る前に消えてしまい、カルメンも行方不明だった。

    ベテランの逃亡者逮捕請負人レンジャーによると、クレスツァはヘビーウェイト級のボクサー、ベニート・ラミレスのボディガードだった。
    そして、事件の筋は気にしなくていい、やるべき仕事は男をみつけて警察へ連行するだけだと教える。

    ラミレスのボクシングジムに行くが、彼に力づくで襲われ、逃げ出したところをモレリに助けられる。
    モレリは証人を探すため、ボクシングジムを見張っていたのだ。
    その夜、ラミレスが私のアパートに押し入ろうとした。

    カルメンのアパートの住人も事件の夜、消えた証人を見たというが、目撃者の1人はひき逃げされて死亡していた。
    翌日、もう1人の目撃者も射殺された。

    ラミレスのマネージャーのジミー・アルファはジムでの出来事を謝罪したが、その後もラミレスからの嫌がらせ電話が続いた。
    そこで、留守電を買うために、別件の捜索でお金を得ようと考える。
    しかし、レンジャーから常に最悪の事態を考えて備えておけと言われたのを甘く考えていたため、容疑者に拳銃が入ったバッグを奪われ、家から追い出される始末だった。
    レンジャーの助けで、逃げる容疑者にボディスラムをくわせ捕まえるが、レンジャーは奪われた私の銃で足を撃たれてしまう。


    <解決篇>

    ラミレスはカルメンの知り合いの娼婦ルーラを暴行して、私のアパートの非常階段に吊るした。
    事情聴取から戻ると、モレリが部屋を掃除し、料理を作って待っていた。
    証人をみつけるために協力してくれれば、見返りに懸賞金が手に入るようにすると言う。
    カルメンは情報提供者だったが、ラミレスに痛めつけられ、クレスツァが後始末をしたのだろう。
    ラミレスにとって、女もボクシングも同じ、じわじわといたぶりたがっている、自分がボディーガードになると言った。
    しかし、モレルには約束を反古にして姿をくらました過去があった。
    そこへモレリの件を引きつぐため、逃亡者逮捕請負人バイアーズが訪れる。
    バイアーズがモレリの車を奪い、アクセルを踏んだ瞬間、車が爆発した。

    翌日、クレスツァがよく行った肉屋、サムの店で消えた証人に似た男ルイスを見つけた。
    カルメンの向かいに住んでいた老人が冷凍トラックの音に悩まされていたと言っていたことを思い出し、ルイスは窓からトラックに飛びおり、カルメンを氷の上に乗せ、連れ出したのではないかと考える。
    サムとルイスが乗った冷凍トラックはマリーナで停まり、そこをラミレスの車が通り過ぎていった。
    モレルに連絡し、トラックの荷台をあけると、そこにはルイスの射殺死体があった。
    さらに樽の中にはカルメンの死体もあった。
    ヘロインが付着していたことから、サムの船は集配船(外海に出て麻薬を運んできた大型船から麻薬を運ぶ小型船)だとモレルは言った。
    私はモレルを冷凍トラックに閉じ込め、警察に引き渡した。

    家に戻ると、アルファが銃を持って現れた。
    彼はジャマイカ人の誘いに乗って麻薬で儲けたが、組織から抜け出せなくなっていた。
    組織の仕業に似せてサムとルイスを始末し、ヘロインをふりまいておけば、警察が組織を捕まえるだろうと考えたのだ。
    ラミレスを呼び出し、私に致命傷を負わせ、私の銃でラミレスを殺すという。
    頭突きをくらわせ逃げたが、左足を撃たれてしまう。バッグをつかみ、銃をみつけるとバッグの中から発砲した。
    アルファは死亡し、ラミレスも逮捕された。

    モレルが設置していた録音器がアルファの会話を録音していた。
    さらに、消えた銃も樽から発見され、指紋も残っていた。
    モレルは疑義を晴らして警察に復職し、私は報奨金1万ドルを手に入れ、仕事を続けることを決めた。

    <<ダイキリ>>
    ステファニーが万が一のためにやっておきたいことは、ミキサーを買い、無料のダイキリ・ミックスをもらうことだった。

  • なんといってもこれが面白かったからシリーズで読み出して…。翻訳文の言葉遣いも原作の登場人物のイメージにピッタリ。

  • なかなかおもしろかったです。

  • 小説家長者番付(USA)で3位になっていた女性作家さんの代表作。amazonでレビューみたら、楽に読めそうだったからすぐに中古で入手しましたが、、、翻訳なのかな、表現や文体が好みじゃなくて、読み進められない現実。 残念ながら積読になっちゃいました。

  • タイトルと表紙のイメージとは大きく違って、おもしろい楽しい。
    失職したステファニー・プラムがやも得ず始めたバウンティハンター。
    とにかく登場人物が個性的。
    誰が犯罪者なのかわからなくなるくらい個性派揃い。
    けっして品があるとはいわないけど、どの人も魅力的。
    悪役のラミレスはとにかく不気味だし、ステファニーがお金と諸々の想いで追いかけてるモレリもワルーいけどいい男。
    保証金を踏み倒す人がまた滑稽。
    そして、ステファニーのおばあちゃんが誰より笑わせてくれる。
    ステファニーが何処にでも居そうで居ないガッツでくらいついていくのが頼もしい。
    最後は都合よ過ぎな感じもするけど。
    これからジョー・モレリとはどうなるのか?私としてはレンジャーがオススメなんだけどな。
    次巻も読む気マンマン。

  • 久々に女流物を。
    一昔前のハードボイルドと違い、テンポも軽い。
    探偵ではなくバウンティハンターだからかな?
    その軽さゆえにかなり危険な目にあうけど
    なんとか切り抜けちゃう(とくにラストのは・・・)
    ちょっとご都合主義的ではあるけれど、
    読みやすいのは○。
    とりあえずシリーズ読み込んでみます。

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