幾山河―瀬島龍三回想録

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著者 : 瀬島龍三
  • 産経新聞ニュースサービス (1996年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (669ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594020415

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幾山河―瀬島龍三回想録の感想・レビュー・書評

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  • 山崎豊子の小説「不毛地帯」のモデルになった著者の自伝。
    波瀾万丈の人生は昭和の歴史と重なる。
    「軍人としての時代」、「捕虜としての時代」、「企業人としての時代」、「国家に奉仕する時代(中曽根内閣の行政調査会委員)」の4つの時代に分けて淡々と語っている

  • 大本営参謀・伊藤忠の副会長であった瀬島龍三の回顧録

    激動ともいえるの著者の人生もそうだが、瀬島氏の物事の考え方が非常に参考になる。

    以下、参考になった点

    ・陸大時代の最大の収穫は、「考え方を考える」という事であった。
     ・まず目的(目標)を考える
     ・目的を達成する方針を考える
     ・方針を達成する方策を考える
     ・方策を遂行するための組織体制などを考える
     というふうに物事の順序、筋道を考える。
     そしてそのためには「大局を逸しないこと」「実行は着実であること」が必要。

    ・P.309-310の「スタッフ勤務の参考」は必読

    ・色々な箇所で要点を3点に纏めている。これは室伏稔氏の瀬島氏に関する回想(①報告書は必ず紙1枚にまとめる②結論を先に示す③要点は3点にまとめる)と一致する。

    ・関連メモ

    井本 熊男、島村矩康

  •  山崎豊子著「不毛地帯」のモデルにもなった瀬島龍三氏の自伝。
    大東亜戦争の突入から終結、伊藤忠商事の総合商社への躍進、国鉄や電電公社等の民営化等の時局に、参謀としての政策立案をしてきた瀬島氏の歴史背景が見える。

  •  それぞれの人生に対して、(学問的理由がない限り)何らかの評価なりを与える事に意義や意味を感じないので、自分が気になったところを引用しておきたい。ただ、他のレビュアーが書いているような平凡さは、この文章には決して無いと思う。面白いの意味が違うのだとは思うが…。
     流行りの小説や推理小説を読んだ後のような、物語的面白さ、つまりページを早く捲りたいという気持ちは、確かに、湧かない。ただ、所々少しずつ咀嚼したい、しなければ、と思わされる部分はあった、と個人的には思う。

    P.18
    「人間はそのときどきに最善を尽くすべきだが、できることはあまりに小さい。万事は神仏の意思によって動かされていると思う。生っ日は仏にお任せするほかない。死んでから極楽浄土に行けるのもさることながら、その日一日を精一杯過ごすためにもありがたい教えだと単純素朴に考えている。」
    P.30
    「連隊長、大隊長、中隊長、小隊長の関係を指揮―命令―服従の縦軸とすれば、将校団は指揮系統、上下の差別のない、先輩、後輩、同僚と言う人間的な横軸だ。この二つの軸がうまくかみ合い融合して、軍隊構成の基幹単位である連帯の団結力が養われたと、今振り返ってそう思う。」

    PP.36-7
    「中隊長は新開長太郎大尉(三十期)。この人は「今様軍神」と言われていた。(中略)軍神の名にふさわしい誠に謹直な上司だった。(中略)大隊長は花谷正少佐(第二十六期)だった。(中略)中隊長とは全くタイプが違い、絶えず、我が国の攻防は、国策はいかにあるべきか、万州問題をいかに遂行すべきかという話をし、問題を提起した。(中略)(大隊長から宿題を与えられ、解答を提出すると)大隊長室に呼ばれていろいろと大局的な意見や教示を受ける。中隊長の方は、軍人の本分はこうだというふうの精神教育だった。こういうタイプの全く違った上司の下で、私は勤務した。そして、ともに大きな影響を受けた。」
    P.38
    「決してマルクス・エンゲルスや北一輝の国家改造の思想によるものではなく、塀の教育という職責を通じて、あまりにこの世は富んだ者、貧しい者の差が大きい、政治の倫理もない、どこかおかしい、間違っているのではと感じた。社会改造が必要だという気持ちをだんだん持つに至った。」
    P.43
    「戦後の日本は大きく変わった。今、二十歳前後の若者を見るとき、私達とのあまりにも大きな隔たりに、今昔の感を禁じ得ない。ただ考えてみると、若者はいつの時代でも何らかの目的意識を持ってこれに打ち込んでいく、いや、打ち込んでいきたいという熱情を持っている。問題は、社会が動詞向けていくかだ。自分の青春時代を鑑みて、この二十歳前後の人生の節目が、最も大切な時期だった。本人の自覚はもちろん、家庭も学校も社会も、そして国も、この事についてもっと心を砕かないといけないと思う。」
    P.61
    「陸大時代に何を学び何を習得したか。私にとって、この二年間の最大の収穫は「ものの考え方」だった。問題を与えられる。それをどのように考えたらよいか、まずそれを考える。つまり、「考え方を考える」という基本的なことを学んだ。これがのちに大本営に勤務した際、事に処する場合の考え方ともなったし、戦後、伊藤忠に入ってからもまた、今日に至るまで、事に当たっての基本になっている。」
    PP.64-65
    「参謀、またはスタッフについて大別して二つの問題を考えてみたい。その一つは「参謀またはスタッフの心構え」。もうひとつは「参謀またはスタッフの業務」の問題である。
    第一の「心構え」の中のまず一つは、参謀とは何かということだ。それは結局、参謀とは重責にある将帥の補佐官である。「統帥綱領」はそこを次のように述べている。
    「幕僚は、諸資料を整備して、将帥の策案、決心を準備し、これを実行に移す事務を処理し、かつ軍隊の実行を注視す。軍隊に命令を下し、これを指揮するは、指揮官のみこれを行い得るものにして、幕僚は指揮官の委任あるにあらざれば、軍隊を部署する機能なきことを銘心するを要す。」
     これが幕僚の本分であり、基本、原点である。
    「心構え」野中の二番目は、将帥は内外に対して極めて重要な責任を負い、常にその責任の重圧化にあるので、これを温かく補佐する事で、少しでも将帥の責任の重圧を軽くし、将帥が平常心を持ってその十人を全うできるように配慮する事。したがって、もし校あれば、当然それは将徳に帰すものとし、もし失敗があれば、それは幕僚が補佐を全うしなかった事に帰すべきものだと私はこう考えている。
     統帥綱領は、これを「幕僚本来の任務は、将帥の精神を諸種の圧迫より開放し、この意思の独立自由を確保し、これを助けて将帥の能力を十分に発揮し、その将徳を全うし、もって将帥の権威を発揚せしむるにあり」と記している。
     「心構え」野中の三番目は、幕僚の仕事には、常に機密・秘密事項にわたることが多いので、樹・秘密保持に最新の心がけが必要ということである。機密漏洩は組織の内外に疑惑と波紋を巻き起こし、果ては組織を破壊することになりかねない。

     以上の三点が、幕僚の心構えについてのポイントと信じている。次に「幕僚の業務」について、三点を挙げる。
     第一は、内外にまたがる情報の収集整理で、特に実情を絶えず把握しておくことが必要である。
     第二は、それに基づいて、出来るだけ広い視野で、少なくとも大局を誤らないように、策案を熟慮し、適時それを将帥に具申または提出する。提出する場合、誰が考えても一つの策案しかない場合はそれでいいが、ものごとには多くの場合、二つなり三つなりの対案がある。その場合は二つなり三つなりの策案の利害得失を整理して提出し、将帥の判断と選択の参考に資することが大事である。
     第三は、将帥が決断を下した場合、それが速やかに、かつスムーズに実行に移されるよう、幕僚は活動しなければならない。同時に、実行と実行後のフォローをしなければならない。命令指示が出しっぱなしにならないようにすることが肝要である。」
    PP.184-5
    「戦は「錯誤の連続」といわれる。しかし、振り、受動の中にあっても、常に主導性を失わず、また、仮に主導権を一時失っても、万策を尽くし、機を見てこれを奪還しなければならない。このためには、敵に対して思い切って、時間的、空間的、心理的間合いをとり、戦勢の転換を図るべきである。それには、先見洞察力、計画と準備、強固な意志と実行力が絶対要件であろう。」

  • かなり読み飛ばした。
    回想録なので、面白さを期待したわけではなかったのだが・・・

  • 210225
    長編で飛ばし飛ばし読みました。史実の裏側が少しわかった気がする。

  • 故郷の偉大な先輩である瀬島氏の壮絶な体験記。

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