人生はバターの夢 (扶桑社エンターテイメント リ 5-1)

著者 : フランツ・リッツ 池内智佳子

• 扶桑社 (1996年10月1日発売)

感想・レビュー・書評

[akatenkobanさんの感想 · 2008年3月28日]

アメリカのスポーツ・ライターが自分の少年時代を書いたという本です。ちょっと普通じゃない変わり者という人はどこの家族・親戚にもひとりやふたりは居そうですが、フランツの親戚は、かなり特殊。祖父母もエキセントリックだったみたいですが、父親の兄弟全員が、調子っぱずれで、独自の世界観というか妄想の中に住んでいて、世の中とうまく折り合いがつけられない人だったというのです（実際に兄弟のうち４人が入院させられている）。
ダイアン･キートンが監督して映画化もされたみたいです（日本では未公開）。変わっているというのは程度の問題で、変わっているのがちょっとだけで世の中や他人とも調子を合わせられる（表面的にでも）というくらいならば、むしろ天然とか言われて愛されたりするのでしょうが、その変わり具合が純化すればするほど、変わり者、天然、から、変人、はたまた狂人というように呼ばれる割合が多くなってしまうのかなぁ、と思ったりしました。
全体量では同じくらい変で偏っていたとしても、大部分がどれほど常軌を逸していても、世の中にたくさんあるものさしの一部だけでもぴったり沿っていてそれを切り口にして他人と会話が成立する人は、たった一本でも拠り所というか世の中との架け橋があるので、ひとつずつはそれほどでもないけれども全体的にまんべんなくゆるやかに調子が外れている人より、暮らしやすかったりして？！などとも、思いました。
とても不思議な本でした。

[sachiさんの感想 · 2007年8月30日]

出てくる人物がみなどうしようもない。それ故に魅力的。