- Amazon.co.jp ・本 (737ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594022006
感想・レビュー・書評
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ボブ・リー・スワガーシリーズの外伝ということで『ブラックライト』を読む前に読んでみた。序盤はなんだかだらだらそれほど緊張感のない逃走劇という感じを受けたが、後半になるにつれ気付けば引き込まれていた。
不倫をやめられないパドのだめっぷりに腹が立ち、反面ラマーの仲間思い(?)な所になんだかほっとする。でも悪役なんだよなと思う。愛着が沸くわけでもないし、頑張れとも思えない。ただパドもそうとも思えない。複雑な気持のまま最後まで読んで、結果としてはまぁ楽しめた。
ボブ・リー・スワガーに関しては本当に2~3行、彼の父親がラマーの親父を殺したとか何とかで出てくるだけ。この作品が『ブラックライト』にどうつながるか楽しみ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スティーブン・ハンターの新境地とも言える作品。
ピカレスク小説になっている。
刑務所を脱獄し、悪逆の限りを尽くす囚人とそれを追うテキサスレンジャーという構図。
基本的に1対1の戦いなので、脇役があまりかっこよくない。
読んでいてジャッカルの日を思い出した。
文章力は相変わらず抜群だし、人物描写も素晴らしいが、あまりスカッとしない。
読後感が悪いというのではなく、勧善懲悪という点で物足りなく感じた。
しかし面白い小説であることは間違いない。
一つの形としてアリ。 -
スティーブン・ハンター著「ボブ・リー・スワガー」シリーズの2作目。といってもスワガー自身は本作には登場しない。1作目の「極大射程」で少し語られるスワガーの父の死がこれまた間接的に関わる人物が主人公。殺人犯罪者ラマーとこれに深く関わってしまうハイウェイパトロール隊員バドが対決する。犯罪者ラマーの人物像が丹念に描かれ読み進む内にラマーに感情移入させられるのが面白い。銃撃戦のリアリティは相変わらずで銃器を知り尽くしているのだろうハンターならでは。