- Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594025441
感想・レビュー・書評
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強烈でした
結局、何人殺したんだか分かりません詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
連続殺人鬼が自らの犯罪を述懐していく、というタイプの本。大体が一人称視点での話でスッキリと分かりやすい。
心情描写がリアルで、少し怖いが興味深くて読みだすと止まらない。
最後の方の行動には疑問が残るが、それもまたリアルなのかも。
よくこういうの書けるなぁと思う。 -
貧乏時代に金のために書いたらしい。そんな感じ、圧が足りない。
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エルロイの単発単行本としては一番好きな作品。
エルロイといえば、やっぱり『L.A.コンフィデンシャル』を始めとするアメリカン・ノアールシリーズが一番有名だという気がするけれど、それに先立って邦訳されていたのは、扶桑社から出ていたホプキンス・シリーズだった。その前はハヤカワの『レクイエム』?。
ホプキンスシリーズも好きだけれど、シリーズでも何でもないこの『キラー・オン・ザ・ロード』は何度も読み返すほど気に入っている。
主人公はシリアル・キラー。連続殺人者。もちろん、サイコ。そして、ほのかにホモセクシュアルな空気を漂わせているマッチョ男。
その彼がどうして連続殺人を犯すようになったのか、そして殺人を犯しながらの道のりを本作は克明に(なにせエルロイだし)描き出していく。
彼は一箇所に留まることなく、殺人を犯しながら移動を続ける。途中から、この作品はロードムービーめいたカラーを漂わせ始める。
現代的な犯罪小説でありながら、読後の感触としてはどこか巡礼のように、何かに憑かれ導かれた主人公の姿がイメージに残ってしまう。
そうして、もう一度もう一度としつこく読み返してしまうのだ。ただの犯罪小説ではない。味わいは甘くて濃い。