- Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594028701
感想・レビュー・書評
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コール&パイクシリーズ6作目。今回は巨大弁護マシーン軍団に翻弄されるというのがメインストーリーですが、サブは前作「死者の河を渉る」で出会ったルーシーとの関係を深めていく恋愛ストーリーです。
このシリーズはハードボイルドや探偵小説という枠におさまらない。ロスを散策しているような気分にさせてくれる街の描写やエルヴィスが作る料理のセンス・もてなし方にはまり、気がつくと事件の本筋を忘れて彼の生活や彼を取り巻く人々との関係を楽しむために読んでいます。
特に人間愛(恋人や友人だけでなく自分が関わる人ー依頼人や街で出会ったホームレスまでも)の描き方がうまく、恋愛小説やハートフルものに興味のない私がニヤニヤしたり心が温かくなってしまいます。
そして、いつものようにパイクの表現が冴えています。
<パイクの頭が0.5度回転した。動揺したのだろう。>詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大金持ちで有名人の男が妻を殺した疑いで逮捕される。探偵エルヴィスは、彼の弁護を引き受けた大物弁護士から、その事件の情報を知っているという電話の調査を依頼される。すると別に犯人がいるという証拠を見つけてしまい、エルヴィスはすっかり時の人となるのだが・・。悪者に利用されてしまったエルヴィスだが、不当な訴えで辞職寸前の刑事や脅されて証言を変えてしまう女性など、弱い立場の人間のために戦う姿勢は変わらない。恋人のルーシーを愛していても、彼女の考えややり方を尊重する態度もとても好ましい。安心して読めるシリーズだな。
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面白かった。コールの狙い通りに展開するのか次作がメッチャ気になるエンディング。でもここで翻訳は途絶えちゃっているのでとても残念。
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崖下の変死体は大富豪夫人だった―ロサンゼルスの私立探偵エルヴィス・コールは、妻殺しの嫌疑をかけられた実業家テディ・マーティン側の辣腕弁護士ジョナサン・グリーンから依頼を受けた。テディの無実を証明するため、凶器を発見した刑事が過去に不正逮捕をしていることを立証したいというのだ。だが弁護士側のあまりに強引なやり方に疑念を抱いたコールが発見したものとは…。『死者の河を渉る』に続き、軽快な展開とポップな語り口が冴える、〈探偵エルヴィス・コール〉の会心作。
2000年の3月に刊行されたので、17年も積読状態だった。せっかくだから、この際、東京創元社にシリーズの他の作品も翻訳を希望する。軽快なハードボイルドにすっかりご無沙汰なので。