パヴァーヌ

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制作 : 越智 道雄 
  • 扶桑社 (2000年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594029432

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パヴァーヌの感想・レビュー・書評

  • 改変ものの傑作、スチームパンクと評価が高い割りに、出だしがあまりしっくりこなくてチビチビ読んでいたが、何故かといえばあまりに描写がしっかりしていて、改変ものの浮き足立ったニセモノなところがないからだろう。1588年エリザベス一世暗殺、とエリザベス王朝を歴史から外し、国教会も外してカトリック支配。SFのレビューだとテクノロジーの方面は触れても、この宗教には触れてないのが多いけれど、これがじわじわ来る。でもカトリック支配なのに勤勉なのはやはり英国だからだろうか。未だにカトリック支配の中南米を見ると。。。

  • それぞれの章で主人公が異なり、ひとりひとりが営む生活が描かれる。 それぞれの物語があって、それが集まって大きな絵画になっている感じ。
    すべての命は自分の役割を果たし、積み重なって、ひとつのパヴァーヌを奏でる。

    終楽章の手紙で語られるもうひとつのテーマ。
    教会の意図は、危険な科学の発展からなんとかして人類を遠ざけることにあった。
    「電気を手にすれば人類は必ず原子に行きつく」。教会は科学の進歩を完全に止めることはできなくても、それを遅らせようとした。

    確かに、大きな知識、急速な科学の発展は人間を傷つけるのかもしれない。
    でもそれを誰かが管理し調整することによって国民の自由は奪われ、また不幸になっていく。
    考えさせられる作品だった。

  • 2009/6/20購入
    2012/11/12読了

  • 歴史改変。もしイギリスがカトリックに打ち負かされていたら・・・というIFの世界を描く。
    カトリックに支配された結果立ち現れてくるのは、科学の進歩が抑制された世界。蒸気自動車、信号塔などの現実ではあっという間に忘れ去られたテクノロジーが、この小説世界では生活を支えている。そのテクノロジーの描写が迫真もので存在感抜群、物語の世界がありありと眼の前に描き出される。
    話の流れとしては、徐々に徐々に人々の間に蓄積されてきたカトリック支配への不満が、大きな流れとなっていくさまを、とある市井の人々を通じて数世代にわたって描く。クライマックスの含意は意外といえば意外。科学の発展が抑制されていることは、イコール不幸なことだったのであろうか・・・?考えさせられる。

  • 心に染み入る静かな余韻、とはこのこと。

    連作集で、その主人公たちは悲惨な最期を向かえていく。
    基本的にはハッピーエンドが好きなのだが、どうにも、歴史に身を捧げる系や歴史に翻弄されて悲惨な末路、というのに弱い。

    あちこちの書評で言い尽くされているが、そのビジョンはまさしく宮崎駿の世界を思い浮かばせる。
    路上蒸気機関車が石畳を走り、唯一の通信網である信号塔がどこまでも続く。
    パズーのような少年が駆け回り、断崖にいくつも並ぶ風車がからからとなる風景が見えるではないか。
    月並みだが、その主人公がサンリオ版の表紙にもなっている『コーフ・ゲートの城』とパヴァーヌの代名詞とも言える『信号手』が感動的。
    まさに名作。

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