毛沢東秘録 上 (扶桑社文庫 さ 10-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594031008

感想・レビュー・書評

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  • 2017年3月29日

  • 2001年刊。

     北京で新たに刊行された250冊の書籍から、その断片を整理し、結合し、新たな毛沢東像・文化大革命像を構築したのが本シリーズである(田中角栄金脈問題分析の際に用いた立花隆の方法論に似ており、それを組織的に行ったと思える)。全3巻中1巻。

     いつ読んだかは定かではないが(2001年の刊行当初と思う)、夜を徹し一気読みした記憶がある。

     全体としては、スターリン死後、フルシュチョフによるス批判期から、毛沢東死去・四人組失脚までを描写するが、本巻は、
    ① 毛沢東死去から四人組失脚まで、
    ② 文化大革命発動から、国家主席(当時)劉少奇の失脚まで
    を描く。隣国での血なまぐさい権力闘争の実態が突きつけられる。まさに文化大革命時期の簡明な追記録といえよう。

  • 毛沢東を巡る中国の歴史を秘話という形で纏めたドキュメンタリー。前半第一部は毛沢東の死去と四人組逮捕の実情。第二部は遡る事10年前の文化大革命と劉少奇の失脚。第三部は更に遡り毛沢東が文化大革命という第二革命を決意するに至った経緯を記す。歴史の史実の裏側に潜む真実を新聞記者ならではの視点にて切り崩す。圧倒されます。後半も期待。

  • ★2011年33冊目読了『毛沢東秘録(上)』産経新聞社取材班 評価B+
    中国建国50周年の1999年前後から文革期の内部資料や回想をもとにした著作物が数多く出版され、それらをパズルのように組み合わせ読み解くことで、当時中国の中枢部で何が起きていたのかを浮かび上がらせるノンフィクション。

    我々日本人には、ベールに包まれていた当時の中国国内での実像らしきものが、見えてくる。大躍進政策の誤りを認めつつも、自らの権威が侵されることを嫌う毛沢東が、如何にして文化大革命が始められ、劉少奇を断罪し、失脚させる状況が語られる。また、まず最初に、毛沢東の死後、その権力奪取を狙う四人組と華国鋒、鄧小平と軍長老らの激しい内部闘争の実像も明らかにされる。

    どこまでが真実かは、分からないけれども、少なくとも言葉だけで知っていた文化大革命がいかなるものであったのかは、よりくっきりと実像が見えた気がする労作である。
    上巻は第1部このシリーズで描く時間軸とは逆に、1976年9月の毛沢東主席死去後、四人組が権力闘争に敗れ、逮捕されるまでの政権内部での闘争過程を描く。
    第2部は10年遡り、文化大革命が如何にして始められ、なぜそれ程までに激しく展開されなければならなかったのかを描く。

  • 上巻では、中国共産党主席、毛沢東の死去に続く未亡人の江青ら四人組の逮捕と、その十年前に毛沢東が発動したプロレタリア文化大革命の熱狂と劉少奇の失脚を描く。今まで語られることのなかった四人組逮捕の裏側まで、細部に迫った問題作。

    「過ちより、功績の方がずっと多い」──中国共産党内では現在そう認識されている毛沢東だが、彼の発動した文化大革命によって名指しで公然と批判された党幹部や「ブルジョワ階級」に属する人々はつるし上げられ、迫害、虐待を様々に受け、ついにはいのちまで絶たれる事態が後を絶たなかった。
    当時の中国の実情をリアルに感じることができるが、内容からは思わず目をそむけたくなる描写も多々ある。しかし、中国という国をもっと深く知るためには、避けては通れない作品だと思う。

  • これも大学の課題のために読みました、が上・中・下3部だったので上だけで挫折しました・・・。
    上は毛沢東秘録という名前の割には毛沢東がすでに亡くなっている所から始まっていて少しびっくりしました。

    毛沢東が亡くなった後、中国の情勢がどう動いていったのか、色々細かく書いてありました。
    でも、全体的に難しく、授業の一環でなければすぐに投げ出していたと思います・・・。

    毛沢東が亡くなり、その裏で四人組と呼ばれる人たちが権力を手に入れるべく手を尽くし、
    粛清等独裁的なことをしていたのだが、次第に敵対勢力が現れ、一転囚われの身になるのをあらわした1部

    ようやく毛沢東が出てきて、毛沢東の起こした文化大革命について細かく書いてある2部
    修正主義との対立、劉少奇の壮絶な死などとても暗い話でした。

    今まで読んだものと違い、本当に起こったことなのでやはり内容的にとても重かったです。

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