翳ある墓標―昭和ミステリ秘宝 (扶桑社文庫)

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著者 : 鮎川哲也
  • 扶桑社 (2002年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594034047

翳ある墓標―昭和ミステリ秘宝 (扶桑社文庫)の感想・レビュー・書評

  • イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/5825273.html)
    (収録作品)翳ある墓標/茶色の男/二重殺人事件/オーム教奇譚/夢果てぬ

  • 刑事でも探偵でもなく、「トップ屋」が主人公の、この作者にとっては珍しいノンシリーズもの。些細な手掛かりから容疑者を追い詰める手腕はさすがの一言に尽きる。ニコライ堂の鐘の音、ダイイング・メッセージ、アリバイ崩しと山場は三つあるが、例によって派手さはなくじっくり読ませるシーンとなっている。「トップ屋」を主人公にしたことで、刑事や探偵にはない方法で捜査していくプロセスも面白い。やはり鮎川作品の醍醐味は、偽装アリバイが「がらがら」と音をたてて崩壊していく様だろう。この音の心地よさは、他の作者には決して真似できない鮎川の代名詞であり、神髄でもあると思う。残念なのはラスト。がらがらと崩壊した後に、相手側に扉をバタンと閉められてしまったような感が残る。また、本作品には、作者自身が翻訳した海外ミステリ短編も収録されているが、話自体は面白いのだが、翻訳にやたらめったら漢字を当ててあるので、読むのに閉口してしまった。

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