お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい

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著者 : 向野幾世
  • 産経新聞ニュースサービス (2002年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594035938

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お母さん、ぼくが生まれてごめんなさいの感想・レビュー・書評

  • 2015年5月17日に開催されたビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「こども」。

  • この本読んで何回も鳥肌が立った。


    本書は、重度の脳性マヒで全身不自由だった少年、山田康文―やっちゃんの生涯とその周りの人たち、養護学校について書かれている。

    脳性マヒという診断を受けたお母さんのその日の日記に次のような文章がある(pp.28-30)。

    (省略)
    お前をこんなにした
    おろかな母を恨んでおくれ 
    許しておくれと 
    すやすや昼寝する 
    赤い顔に そっと涙を落とす

    2.3日前 ソ連が
    人間衛星を打ち上げ
    その生還に成功した
    科学はどんどん進んでいくのに
    お前たちの発育を助ける
    すばらしい薬は
    まだどこの国でもできないのだろうか
    もしできているなら
    どんなに遠いところまででも
    お母ちゃんは買いに行くのに
    (省略)

    いまでは減ったのかもしれないが、この時代では偏見が多く、やっちゃんをみると「病気がうつる」「悪いことをしたら、あの子みたいになるよ」という人もいた。弟の授業参観にやっちゃんを連れて行くと、「あれが奇生児か」「その子どうしたの」という言葉をかけられる。
    1回の食事には2時間かかり、すべて細かく細かく切ってゆっくり食べさせる。
    大きくなるにつれてやっちゃんの体重は重くなり、やっちゃんを背負うお母さんは腰痛を患う。
    このようないろいろことがあってか、やっちゃんは次のような詩を書く(やっちゃんは書くことができなので、目で合図をして代筆をしてもらう)(p.194)。

    ごめんなさいね おかあさん
    ごめんなさいね おかあさん
    ぼくが生まれて ごめんなさい
    ぼくを背負う かあさんの
    細いうなじに ぼくは言う
    ぼくさえ 生まれてなかったら
    かあさんの しらがもなかったろうね
    大きくなった このぼくを
    背負って歩く 悲しさも
    「かたわの子だね」とふりかえる
    つめたい視線に 泣くことも
    ぼくさえ 生まれなかったら

    この詩は発表会で紹介された。これを聞いたお母さんはただ目頭をおさえて立ち尽くしていた。
    そして次の日にお母さんは次のような詩を書く(pp.195-196)。


    わたしの息子よ ゆるしてね
    わたしの息子よ ゆるしてね
    このかあさんを ゆるしておくれ
    お前が脳性マヒと知ったとき
    ああごめんなさいと 泣きました
    いっぱい いっぱい 泣きました
    いつまでたっても 歩けない
    お前を背負って 歩くとき
    肩にくいこむ重さより
    「歩きたかろうね」と 母心
    "重くはない"と聞いている
    あなたの心が せつなくて

    わたしの息子よ ありがとう
    ありがとう 息子よ
    あなたのすがたを 見守って
    お母さんは 生きていく
    悲しいまでの がんばりと
    人をいたわる ほほえみの
    その笑顔で 生きている
    脳性マヒの わが息子
    そこに あなたがいるかぎり

    このお母さんの詩を受け、やっちゃんは後半の詩を書き始めた(pp.196-197)。

    ありがとう おかあさん
    ありがとう おかあさん
    おかあさんが いるかぎり
    ぼくは 生きていくのです
    脳性マヒを 生きていく
    やさしさこそが、大切で
    悲しさこそが 美しい
    そんな 人の生き方を
    教えてくれた おかあさん
    おかあさん
    あなたがそこに いるかぎり

    この詩を書き終えてやっちゃんは2か月もしない間に、寝ている間に何かのはずみで枕で鼻と口をふさぎ窒息死してしまった。

    (まっちー)

  • 近所に似たような障がいの少年がおり、つい重ね合わせて読んでしまった。今は当時よりずっと環境的に恵まれているが、それでも根本的な問題はまだ残っている。そんな中で、この本に出てくる少年のひたむきさや明るさが、今生きている人々に大きな励みになる。誰にでも読んでほしいなあ。

  • 1978年に発行されたこの本。描かれている「やっちゃん」をとりまく環境は
    今と比べて本当に大変そう。
    「かたわがうつる」「「障害児は家の恥」という時代に、重度の脳性マヒの子をかかえ、家業を手伝い、下に2人の子をそだてたやっちゃんのお母さん。
    今よりも、世間が冷たく理解がない時代だったのに、本当にエライ!
    何度も涙しました。
    そして、やっちゃんを守り、育てるご家族や学校の先生も、あたたかく
    すばらしかった…。
    体の少しの変化から、いいたいことを汲み取って毎日の学習を進めていく、
    担当の先生と子供たちの絆。
    いろいろ考えさせられ…。

    復刊されたおかげで、この本を読むことができた。

    今の福祉制度は、やっちゃんのお母さんたちの活動があったからこそのものなのかも。

    たくさんの方に読んでもらいたい本です。

  • 図書館所蔵【378.7KO】

  • 題名からなんとなく、悲しいお話だとは思いましたが、なぜか惹かれて読んでみました。この本は、新聞・テレビで大反響した作品らしいです。27年前にわずか15歳で亡くなった、脳性マヒ児のやっちゃんが書いた詩に涙が溢れました。お母さんへのすべての感謝を詩に書き残して、二ヵ月後、やっちゃんは亡くなってしまいました。私は、この本を読んで、生きる強さを学びました。本当に素晴らしい作品なので、たくさんの方に読んでもらいたいです。

  • 私が生まれた頃。障害者には
    今よりももっと生き辛かった世間。
    一生懸命に生きた彼とその両親や
    養護学校の友人や先生周りの人々
    のことを読むにつれ・・・
    幸福だということを忘れないでいようと思った。

  • 私は新聞でこの詩を読んで泣きました。
    そして復刊した本を読んで号泣しました。
    友人にこの本をプレゼントしたら電車の中で
    読んでしまい人目があるのに泣いたそうです。
    今でもこの詩を読むと目頭が熱くなります。

  •  少し古い本だけど、障害を持って生まれたやっちゃんと家族の話はとても感動する。 ごめんなさいね、おかあさん ごめんなさいね、おかあさん ぼくが生まれて ごめんなさい ぼくを背負う かあさんの 細いうなじに ぼくはいう ぼくさえ 生まれなかったら かあさんの しらがもなかったろうね 大きくなった このぼくを 背負って歩く 悲しさも 「かたわな子だね」とふりかえる つめたい視線に 泣くことも ぼくさえ 生まれなかったら(以下省略) 最初この詩を見て、うわ、お泪頂戴は嫌だなと思った自分が恥ずかしい。今児童虐待とかいっぱいあるけど、こんなに家族がみんなで障害に立ち向かい、支えあい、障害を持ったことを後ろ向きだけにとらえず生きていこうとしたやっちゃん一家のような人たちはいっぱいいる。 でも、私はこの本の人たちのようになれるだろうか。05/3/5

  • 人としての『生きる強さ・幸せ』を教えてくれた本だと思います。
    涙なしでは読めない一冊。

  • 脳性マヒを背負い生きたやっちゃんと呼ばれた男の子。重い障害をかかえながらも強く,優しくあったその生き方に心をうたれます。<ごめんなさいね お母さん>という詩を遺して短い生涯の幕を閉じるやっちゃん。しかし,やっちゃんの詩は全国で感動を呼び,やがて歌となる。彼のお母さんに対する思いがひしひしと伝わってきて,涙なしには読めません。

  • すばらしい話。
    ☆5個じゃ足りない。
    文中に彼の詩が何回も出てくるんだけど、その度に涙が止まらない。
    この詩を飾っていたら、その前で幾人かの学生が涙していたそうだが、それほどまでに訴えてくるものがあると思う。
    誕生ってかけがえの無いすばらしいものなのに、こんな事を思って死んでいったなんて本当につらいです。

  • 泣いてください。一緒に泣いてください。背中におぶった我が子に、こんなこと言われたら、どんなになるだろうか。。
    泣いてください。

  • 優しさこそが大切で、悲しさこそが美しい。

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お母さん、ぼくが生まれてごめんなさいの作品紹介

お母さんへのすべての感謝を一篇の詩に凝縮させて二カ月後、生まれながらにして重度の脳性マヒだった奈良県の少年やっちゃんは天国に旅立った。やっちゃんを見守ったすべての人の愛と涙に溢れた珠玉の一冊。

お母さん、ぼくが生まれてごめんなさいはこんな本です

お母さん、ぼくが生まれてごめんなさいのKindle版

お母さん、ぼくが生まれてごめんなさいの文庫

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