黒い夏 (扶桑社ミステリー ケ 6-7)

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  • Amazon.co.jp ・本 (593ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594049836

感想・レビュー・書評

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  • 著者、ジャック・ケッチャムさん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    ジャック・ケッチャム(Jack Ketchum, 1946年11月10日 - 2018年1月24日 )は、アメリカ・ニュージャージー州のホラー小説家。本名はダラス・ウィリアム・メイヤー(Dallas William Mayr)。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    1965年夏、ニュージャージー州の保養地スパルタで、地元の不良青年レイはキャンプをしていた二人の女子大生に向け、面白半分に発砲した。一人はその場で絶命、もう一人も意識不明のまま四年後に死亡した。1969年夏、中年刑事チャーリーはこの事件の再捜査を決意し、レイに圧力をかけて新展開を図ろうとする。麻薬とセックスを生きがいとする鬱屈した若者レイは、追い詰められた末に…。人間の極限状況をえぐる鬼才ケッチャムが描く静謐にして壮絶なサイコスリラー。

    ---引用終了

  • やっと終わったって感じです
    約600ページの作品
    過去の殺人を犯した男
    当時の被害者で生き残った一人の女性も4年後の
    現在死んでしまう
    あとは刑事が男をどのように追い詰めるかの
    展開なのかなと思ったがそうではなかった
    終盤の展開はやっぱケッチャム でした

    にしても読むのに長くかかってしまいました

  • 田舎町に住む老若男女の群像劇。そして猫。それから、お約束の阿鼻叫喚の地獄絵図。
    ただ、食人族シリーズとは違う渋味が臓腑にじくじくと染みる。

    暴発しやすい不良少年レイが起こした惨劇、それを隠す幼なじみのジェニファーとティム。
    惨劇の被害者家族を気にかける、家庭に問題を抱える刑事チャーリー。
    恐ろしい悲劇から逃れるため引退した元刑事のエドと、若く聡明なサリー。
    精神を病んだ母親との関係に苦しむキャサリン。

    日々の暮らしの中、それぞれの行動が少しずつレイを刺激していき、そして突然、暴力の雪崩を呼ぶ。

    もちろん、レイの行いには何一つ褒められたものはない。ナルシストで傲慢で独りよがりであまりにも無知。だけど、中盤辺りからどことなく、愛すべき一面もみえてくる。キャサリンを手に入れようと無理してみたり、彼女の挙動に一喜一憂する。彼も恋したら変わるだろうか?なんて、淡い幻想を楽しんだりもした。

    しかしキャサリンの母親の死で、レイの恋は終わってしまう。他にも悪いことが重なった。レイは獲物を追って罠にかけられた猫のようだった。後には止めようのない落下しかない。そしてその墜落に、繊細で善良な人々が巻き込まれ傷つくのだ。レイを木の上に追いやったことをほんの少しずつ背負いながら。

    レイのようなブラックヒーローの魅力はどこから来るのだろう。

    清廉潔白な人々は、レイなんぞ虫ずが走るのかもしれない。しかし私のごとき臆病で狡く矮小な人間は、レイや「時計仕掛け」のアレックスのようなキャラクターがちょっと好きだ。
    とんでもなく理不尽で乱暴で傍若無人。私の心そのものだ。ただ、社会からつまはじかれては何かと不自由なので、善良な一市民を演じている。挙げ句高尚ぶって分厚い本にカバーをかけ、スーツにパンプスという真面目腐った格好で静かに電車に座り、人知れず猟奇ポルノを楽しんでいるというわけだ。

    つまり社会へご迷惑を撒き散らす彼らブラックヒーローは、私の復讐を代行してくれているように思えて、胸がすくのかもしれない。

  • 邪悪で残酷な人狩りの話。
    でもパラグラフが短く、どんどん読み進んでしまう。
    巧い作家だと思う。
    確かに、殺人シーンは容赦のないサイコスリラーなのだけれど、
    各人物・背景の描写がしっかりしており、
    良質のハードボイルドを、読んでいる錯覚すら覚えた。
    ラストをもう少し膨らませてもらえたら、嬉しいのに…。

  • やだわあ

  • 登場人物に魅力を感じなかった。
    最後の部分以外退屈でした。

  • ジャンキーな話。
    不良の落ちぶれていく様というそんなに興味深い話でもない上に、主人公の暴君ぶりが不快・・・なのに、飽きずにページを繰る手が止まらず。
    翻訳者の解説に「不快さを熱っぽく語れる」とあったが、あぁ確かにその通りだと思った。
    こいつは性根の腐ったやつだな、と心から思える主人公も珍しいかもしれない。
    最後の最後まで「こんなにも酷い奴なんだ」と熱心に物語られていて、一体最後はこいつにどんな酷い仕打ちが待ってるんだろう?と考えながら、先が気になり仕方なかった。ある意味ワクワクしてしまったのかも。
    ・・・私自身もかなりの性格の悪さ・・・。欝だ。
    それを感じさせるのが作者の狙いならしてやられた。

  • ジャックケッチャムの長編。
    相変わらずの後味の悪さは流石。

    レイの徐々にエスカレートしていく行動に対し、反抗できない
    取り巻き達。
    伸びる警察の捜査。

    分厚いけどハラハラドキドキと読める。
    但し、読後感は悪い。

    そういうのが好きな人にはちょうど良いと思う。

  • 1965年夏、ニュージャージー州の保養地スパルタで、地元の不良青年レイはキャンプをしていた二人の女子大生に向け、面白半分に発砲した。一人はその場で絶命、もう一人も意識不明のまま四年後に死亡した。1969年夏、中年刑事チャーリーはこの事件の再捜査を決意し、レイに圧力をかけて新展開を図ろうとする。麻薬とセックスを生きがいとする鬱屈した若者レイは、追い詰められた末に…。 あいかわらずのジャックケッチャム。

  • 「隣の家の少女が」強烈過ぎてどのケッチャムも衝撃がゆるい気がするがまやかしであるのである……
    後味が悪かった……こうなるのか、やっぱり。

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著者プロフィール

ジャック・ケッチャム(Jack Ketchum)
1946年11月10日 - 2018年1月24日
ホラー作家として知られる。ボストンのエマーソン大学で英文学を専攻。卒業後は俳優、教師、営業、ライターなど様々な職業を経験するが、ヘンリー・ミラーの出版エージェントをしていたことはよく知られている。1981年『オフシーズン』で作家デビュー。1994年”The Box”で、ブラム・ストーカー賞短編賞を受賞して以来、多くの受賞歴がある。2015年にはブラムストーカー賞生涯功労賞を受賞。代表作に、実在の事件を元に、映画化もされたモダンホラー『隣の家の少女』。
(2018年5月10日最終更新)

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