象の背中

著者 :
  • 産経新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594050566

感想・レビュー・書評

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  • 48歳サラリーマン、肺がんの為、余命半年。延命治療を拒否し、残された時間で今までお世話になった人達へ色々な形の遺書を書く。最後は家族に見守られながら他界する。

     本に付いていた帯の文言が印象的だった。「身勝手すぎ」vs「男の理想」、正に見る人によって両極端に分かれる内容だった。死の直前で浮気相手が出現したとして自分ならどういう態度をとるか・・・。難しい。
     こういう本を読むと後悔しないように生きようと思うのだけれども、無為な時間を過ごしてしまう現実。自分に正直になれない性格。忙しい毎日。サラリーマン。

    「それは、逃げだ。何でも話すことが誠意じゃない。」
    「”正直に話せば許される”わけではない。思いやることを放棄しているだけだ。」

  • 自由な男だなー

  • 賛否両論の小説のようでしたが、個人的にはいい話だと思う。確かに、ずいぶんと勝手な父親で、しかもそれを美徳としている感じはなんとなくしっくりきませんが、それでも父と娘のやりとりにはジーンとくるものがありました。

  • あと半年の命…。末期ガンを宣告された中年男性藤山幸弘が、穏やかに家族との生活にある日、医師に告げられた主人公。そして愛人。読み進めていく中で、奥様が健気に使えておられる姿に同情するばかり、最期に及んでも、身勝手すぎる主人公に、男性って!と思いするも、こうして逝けるのは男の理想かなとも感じた。
     最近、身近で若い方たちが癌で旅立たれたお姿をお一人お一人、思い浮かべながら、涙々で読ませて頂きました。

  • じいちゃんに借りて読んだ本。

    ラストに向かって、山場を持っていくというより
    ところどころに泣かせるワードを持ってくる感じでした。
    内容は割と暗い話にもかかわらず、じっとりとした重みはなく
    スラスラ読めてしまう文章の流れは、読んでいて楽でした。

    内容重くて、文も重いと普段現代小説をあまり読まない自分には
    きつかったかも。

    読み終わって、たしかに!面白かったかも!とは思うが
    2度、3度読みたいとは思わないあと残りのない一冊でした。

  • うーん。これは泣ける。
    最期の生き方の考え方。

  • 死ぬとき、どうあるかについて考えさせられた。

    わたしはどうするかなぁ。

    死にたくないって言うでしょ。
    そんで、とりあえず誰に会うかな。
    いちばん好きだった彼に会いにいくかな。
    そしてどうしよ。難しいな。

    できたら、笑って死にたいけど、
    痛いのは苦手だな。




    人が死ぬ瞬間に立ち会ったのは一度だけだ。
    おばあちゃん。
    おばあちゃんが死ぬ瞬間まで、ずっと手をさすってたあの時。


    いつの間にか呼吸がとまって、
    いくら揺さぶっても起きてくれなくて。
    おばあちゃんは最後は意識を取り戻さずに死んだから、
    なにを考えてたかわかんない。

    でも、おばあちゃんはみんなに見守られて死んだから
    きっと寂しくないような気がしたよ。

    ひとりで死ぬのは怖いもの。

    何が書きたかったんだっけ。
    うん。わかんなくなっちゃった。

  • 肺がんで余命半年と宣告された48歳のサラリーマン藤山幸弘。
    妻にどう伝えるか、17歳の娘、20歳の息子には。余生をどう生きるか。

  • 文庫版の方を読みました。

    物語として感動する場面と笑っちゃう場面があり、節々に秋元康氏が浮かんできます。

    というのも、過度にロマンチストで、過度にリアリストであり、村上春樹の主人公のようなナルシズムも満載な部分です。

    文庫版の児玉清さんとの対談にもありましたが、ある種のロマンでしょう。死に際のロマン小説と考えて良いかと。

    確かに色々準備できるのはいいことですよね、突然の別れが何よりも一番辛いですから。自分のためというよりは、周りのためにも突然にならないようにしたいなと自分も思いました。

  • 秋元康といえば、オニャンコ、AKBが一番に連想され若い女の子の中で楽しんでいるおじさんという印象がありますが、
    読み応えがあり、泣かされました。多才な人なんですね。

    余命を宣告された主人公が納得のいく最期を模索しながら残された日々を生きていく物語でした。
    主人公はいい人過ぎず、立派過ぎず、ヘタレ過ぎず、人物像がリアリティがあります。
    スティーブ・ジョブスほど周りの人に惜しまれなくても、
    普通の人が求める理想的な最期はこんな感じかもしれません。

    知らなかったのですが、役所広司&今井美樹で映画化されていたんですね。

    完璧に満足しなくてもいい。死ぬ瞬間60%幸せだったら、いい人生なんだと思う。そんな風に思わせてくれる物語でした。

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著者プロフィール

音楽プロデューサー、作詞家、放送作家。AKB48グループや坂道グループのプロデューサーとしてそのほとんどの曲の作詞を手掛ける。また2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事を勤める。
美空ひばり生前最後のシングル「川の流れのように」を作詞。

「2020年 『あれから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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