- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594056155
感想・レビュー・書評
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確か10年前の出版時に評判を呼んでいたはず。イエモト談志の元での修業時代の抱腹絶倒のエピソードが満載で一気に読まされた。
「関係者による裏側本」は、悪意を潜めた皮肉を込めた記述が多かったり、逆に、おもねる内容ばかりだったりして読後感が悪いものがあるけど、全くそんな風ではなく、辛辣な部分もありながら愛情が籠もっていて、とても良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
立川談春の落語家人生のお話。談志と小さんの心情を記した最後のところは泣けた。
談志の言葉のメモ。自分のために。
現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う。 -
「事実は小説より奇なり」とか言うけれど、下手な小説よりよっぽどドラマチックだし、何より面白かった!活字なのに吹き出した。テンポもよくて、やっぱり言葉を仕事にする人は違うのかと。
笑いはもちろん、泣けた。というかすごく泣いた。面白おかしく話しているけれど、師匠の弟子への思いが温かくて素敵で。
そういえば二宮和也がドラマしてたっけ?と軽い気持ちで手に取ったけれど、予想外の出会いだった…。久々にあっという間に読んでしまった!
文庫本よりハードカバーで取っておきたいなあ。 -
Asian Reading アジアの活読
『赤めだか』立川談春 扶桑社
17歳高校中退、今やなかなかチケットが取れないという人気落語家は、池井戸ドラマで活躍して一層のブレイク。談志師匠の飼っていた金魚を弟子達がそう呼んだタイトルは、p51に登場。筆者も凄いが師匠も凄い。「まず真似ろ」
「芸は盗むというがあれは嘘だ」ビンビン響く言辞。 -
だんしゅんさんは、丁寧さに欠けるっていうか
闘ってて、落語もそう感じたけど、緩みがない -
本の評判は聞いていたが、テレビドラマ化されたので、それを見る前にと読む。なるほどこれは面白い。落語の優等生のイメージがある談春だが、17歳の若さで飛び込んで、入ったばかりの時は「坊や」と呼ばれている。家の援助はなく、新聞配達店に泊まりこみしている。前座修業は夜遅く、新聞配りは朝早いから睡眠時間2時間などとかなり苦労してる。
やはり談志の存在が圧倒的で、天使で悪魔、天才で俗物、優しく怒りっぽい。精神的におかしくなってやめる弟子もいる。築地で1年働かせるなどはいいのか悪いのか判断ができない。17歳の若造に談志なんて理解できるわけもなく翻弄される。それが次の展開が読めずドラマチックで、ページを繰る手が止まらないところがある。文章もうまいんでしょうね。少し笑いを取りに来てるネタっぽいところが気になるが、後は、落語の世界の舞台裏、成長物語として堪能できる。 -
落語には興味はなかったが、テレビドラマが面白かったため読んだ。
文章が見事で、ぐいぐいと本の世界に引き込まれる。
世間の常識と異なる原理で動く落語家の世界が語られている。落語にはまりそう。 -
談春さんって面白い人。私はそろそろ進路を決めなくてはならないのだけれど、17歳で落語家になろうとするなんて。やりたいと強く思えるものがあるって羨ましい。
談志師匠は数々の名言を残しているけれど、落語家になる厳しい修行を経て、芸に身を費やしてこそ、そんな風に言えるのかも。談志師匠の人間的に揺れる部分がとても素敵。