なぜ僕は「悪魔」と呼ばれた少年を助けようとしたのか

著者 :
  • 扶桑社
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本棚登録 : 67
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594056353

感想・レビュー・書評

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  • ひとりの弁護士の文字通り命がけの弁護、仕事を超えた運命的なつながり。すでに死刑判決は出たものの、真実が明らかになってほしいと思う。被害者の夫の犯人への「君は」と語りかける意見陳述に打たれる。いろんな人の人生に、運命的な使命を与えた事件だと思った。

  • 今枝先生のお話だと思って読めばいいです。しかし この本は 奥さんに暴力ふるう おとさん てんこもり。 

  • 光市母子殺人事件の弁護団を解任された弁護士の書いた本。最初は暴露本だろうと構えたけど血の通った言葉で語られていて面白かった。報道という権威を持った情報のみから事件を知ることの怖さを知った。人を殺すのも人だけど、弁護する人も人。不運だという言葉は被害者だけのものではなかった。父でもある夫・木村さんのインタビュー映像が生々しいが、事件で傷ついた心はどうしても回復しないものだろうなあと考えさせられた。

  • こんな密度の濃い本は最近なかなかありませんでした。感動しました。少し経ったら、もう1度読み直そうと思います。1500円以上の価値は優にあると思います。同業だからかもしれませんが・・

    刑事弁護に対する考え方は、弁護士だけでなく、裁判官、検察官も司法修習生の時代に教育されるのですが、そのときに教わった刑事弁護の理念を崇高に実践されている方だと思いました。同業者として、刑事弁護に携わる人間として、大変勉強になりました。今枝弁護士は私と修習が2期しか違わないんですが・・・遙か彼方の存在のように思えました。

    光市事件の弁護団、少なくとも今枝弁護士がどのようにこの事件を考え、認識して弁護活動に当たっていたのかよくわかりました。なぜ、元少年が供述を変えたように見えるのか、生育歴がどのように作用しているのかまで、私は正直、この本を読むまで、よくわかっていませんでした。

    この本を読んでから、先の広島高裁の差し戻し審の判決文をみると、弁護団の先生が、判決を批判していたことも、全く理解できない訳ではない、弁護団は差し戻し審であながち「荒唐無稽」なことを言っていたわけではないということです。

    双方の主張をよりよく理解するためには、最近の報道だけではだめですね。そのことも改めてよくわかりました(単に勉強不足だけだったと言われればそこまでですが)。
    刑事弁護人の役割が世の中の人に理解されていないことは間違いないでしょう。

    ただ、私は心情的には被害者である本村さんの思い・無念さに共感してしまうのですが・・。

    被害者側から見たこの事件と、弁護側から見たこの事件を、この本を読んで体感してみては如何でしょうか。

  • かなり詳細に弁護側の主張が描かれています。
    21人の弁護団の中でどのような役割分担があり、意見の対立があったのか描かれている唯一の本。
    様々なしがらみの中でよくここまで書けたと思う。
    事件に関する他の本も読んだ上でこの本を読み、何が「真実」かを自分に問いかけてください。

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