四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)

  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594056971

感想・レビュー・書評

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  • ボブ・リーに戻してのシリーズ再開!

  • ボブ・リー最期?の闘いかな。還暦過ぎてます(^^) 2015/6 読了。

  • レヴューは下巻でw

  • 893剣士対老スワガー、刀のファンタジー

  •  何にせよ、お気に入りの作家や映画監督が日本を舞台にすることは、怖いものだ。あのリドリー・スコットだって、『ブラック・レイン』の日本はどこの時代のどこのファンタジーだと思えるようなものに変えてしまった。小説ではクライブ・カッスラーを読みやめてしまったのは、ダーク・ピットが日本に来てからだ。ジェイムズ・ボンドが浜美枝の海女さんとラブシーンを演じてからこの方、リュック・ベッソンが送り込んだジャン・レノの『WASABI』まで、有名ヒーローが日本で活躍しようとするとろくなことはなかった。

     だから大好きなスティーヴン・ハンターのボブ・リー・スワガーが日本にやってきて剣を振りかざすなんて設定だけで、読むのが怖くて一年も置いてしまった。ボブ・リーはこの後、『黄昏の狙撃手』という新作でテネシー州で無事銃撃戦を繰りげるのだと知って、それを読みたいあまり、仕方なくその間に立ちはだかる『四十七番目の男』を手に取ることになった。

     ハンターはどうもアメリカ映画に愛想を尽かしてしばらくの間日本の剣戟映画ばかりを見てしたらしい。確かに日本映画の殺陣は世界に誇るものがある。冒頭にいきなり日本映画の監督俳優たちがずらずらと並べられているのを見ると大体何の映画を見たのかがわかる。古くは黒澤映画から、何と『アズミ』まで見ているではないか。でもこの長いリストのなかに緒方拳や勝新太郎の名前がないのは日本映画ファンとしては捨て置けないぞ。

     とはいうものの、剣に対するこだわりは、この作家が銃器にこだわるのと同様に凄まじく、そのこだわりこそがガイジンの書いた日本のアクションなのかなと思われる。剣で闘う雪の夜の一団はタイトルが示す如く、作者が惚れこんだ赤穂浪士へのオマージュといった趣。

     冒頭、ボブ・リーが曰くありの刀を入手する経路として、父アールの硫黄島での戦闘が描かれるのもクリント・イーストウッドの映画を思わせて面白い。全体として、チャンバラを使ったにしてはボブ・リーの物語になっており、やや『ブラック・レイン』的な西洋人視点での呪術的世界傾向はあるものの、現代の日本に最新技術を駆使してCIAや自衛隊を登場させるなど、無理やりにしては楽しい活劇を展開して見せた。さすがハンター、とその徹底した凝り性ぶりに喝采を贈りたくなってしまった。

     ただ、刀を武器として語るシーンが多いせいか、血腥いイメージがつきまとい、どうも暗いものがじわっと皮膚を撫でる。この世でもっとも残酷な武器というイメージさえ浮かんでくる。

     なので、口直しにぼくは次の本を取る。そう、明るく楽しい青春女子剣道小説、誉田哲也の『武士道エイティーン』を。

  • 8

  • なんと日本が舞台です。
    銃を持たないスワガーも楽しめます。

  • シリーズものと知らずに読み始めてしまいました。
    話の内容は他の作品を読んでいなくても大丈夫。但し、人間関係とか深く色々と楽しもうと思うと前作を読まないといけないと思うので近いうちに読もうと思う。

    硫黄島で散った兵士の軍刀が実はとんでもないいわくのある日本刀。それを巡って起こる出来事あれこれ。
    一般から供出された日本刀を短くして軍の刀にしていたとは知らなかった。
    海外から見たブシドー感があちこちにあるので違う目線で武士道が見えて面白い。

  • まさか日本が舞台になるとは...
    好きだけど違和感もたっぷり。小池一雄みたいな展開かな。
    決闘のシーンはさすがです。

  • スワガーのシリーズで、なんと一振りの日本刀にまつわるミステリ。もともとこのシリーズは好きだったが、日本が舞台というので興味倍増でした。

  • ハンター氏の新刊。
    日本への思い入れたっぷりで
    時代小説+映画好きにはうれしい一冊。

  • スティーブンハンターの小説 ボブリースワガーが日本に来て活躍する話。昔からのファンにとって日本が舞台なんて感動

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著者プロフィール

Stephen Hunter
スティーヴン・ハンター

1946年ミズーリ州カンザスシティ生まれ。
68年ノースウェスタン大学卒業。
71年ボルティモア・サン紙に入社。
書評担当などを経て映画批評担当になる。
96年ワシントン・ポスト紙に転じ、
映画批評部門のチーフとなる。
2003年ピューリッツアー賞(批評部門)を受賞。

「2022年 『囚われのスナイパー(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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