グラウンド・ゼロがくれた希望 (扶桑社文庫)

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著者 : 堤未果
  • 扶桑社 (2009年6月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594059842

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グラウンド・ゼロがくれた希望 (扶桑社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 私が高校2年生のとき、たまたま家のテレビのチャンネルをくるくる回してて、ちょっとしか聞き取れないくせにBBCニュースを見ていたら。
    晴天にNYの摩天楼が写ってる。うーん綺麗キレイ。

    なんか、急にリポーターがあわててる。
    ビルから、煙が出てる。何これ?生中継??
    ・・・・・えーーー!隣のビルに飛行機突っ込んだよ、今?マジで?

    これが、私が9.11を見た瞬間。

    その後初めて私は、「リアルに戦争に突入していく感じ」を目撃し、
    戦争やテロ、自衛隊派遣などの世論やメディアの流れを体感し、
    少し時間がたってたら、
    戦争の正当性のなさや、色んな疑惑を学び、
    世界一のアメリカ、への失望や疑念の気持ちが湧いたりして。

    で、そのまま、なんか世界はおかしいな、という気持ちだけが残っていた最近。
    この本を、読みました。

    アメリカへの憧れから、恐怖を体験して、国民のイデオロジオーに疑惑が生じて、平和への活動家への道へすすんだ堤さんの気持ちの変化に、共感するものが多い。

    グラウンド・ゼロを自分の目で見て、祈りたい。
    イラクやアフガンにも、同じように傷ついている人たちが、死ぬほど沢山(光のあたらないところに)いることを、どうやって覚えていよう?

    続けて、同作家の著書、貧困大国アメリカを読んでみました。

  • アメリカ同時多発テロ。高校生のとき、テレビで見た。
    映画かと思った。真実だと思えなかった。

    この本の著者は、実際にあのビルから生還した日本人女性です。
    「日本人」が、911テロを、「アメリカ国内」から見た内容です。

    当日起きたできごとだけじゃなくて、そのあとアメリカがどんなふうに戦争に向かって行ったか、作者のPTSDや、アメリカの人にとっての衝撃、心の動きみたいなものが章ごとに読みやすくまとまっています。

    ・アメリカ人がどう結束し、どう「テロとの戦い」に入って行ったか。
    ・メディアがどんな風に「テロに対する敵意」を煽ったのか。

    日本人が、アメリカ国内で見たからこそ、事が進む異様な速さがわかります。

    よく、授業などで戦争を扱うと、「自分なら戦争なんて行かない」「なんで戦争するのかわからない」「戦争って遠い出来事でしょ」みたいな人がいっぱいいますが、これを読むと、そんなに縁遠い話じゃないんだってわかるかもしれない。集団心理って本当に怖いと思いました。
    メディアが、「国」という「仲間意識」を増長する道具として活用されていく様子とか、本当怖い。でむ数十年前の日本もこうだったのかもしれないね…。
    図書室にあるので是非読んでみて欲しいです。

  • 9.11のテロの実体験を読むのは、そういえば初めてかも。よくアメリカの9.11と日本の3.11は比較されるけど、日本の大震災は日本人にとってある程度予測でき、覚悟もできることだ。でもアメリカのあのテロは全く質の違うものなんだということをしみじみ感じました。
    全く予測もせず、心配もしていなかった大災害に突然見舞われる。しかもテロのターゲットとして。そのことが、「自由の国」「民主主義の国」を標榜するアメリカ人にどれほどの影響を与えたのか、初めて肌で感じた気がしました。だからって報復が許されるわけではないけれど、本当にあの時は、アメリカ人にとって天地がひっくり返る思いだったんだろうなぁ。
    信じていたものがひっくり返ったとき、人はこんなにもたやすく怒りをあらわにできるものなんだと、ちょっと怖い気持ちになりました。

  • 9.11の当時、高校生でした。
    まるで映画のワンシーンのようなニュース映像に、まるで現実感がありませんでした。
    でも、ここにも日本人で被災された方も亡くなった方もたくさんいらっしゃったんだと思うと胸が痛いです。

    2003年3月、アメリカが戦争をいとも簡単に始めたとき、情けない気持ちでいっぱいでした。
    21世紀が始まったばかりだったのに…。




    そればかりか、戦争を民営化して金を儲けるなんて言葉もありません。

  • すっごい思い出した!当時のこと!
    グラウンド・ゼロなのに希望ってタイトルが意味不明で思わず買った一冊。

  • 9.11テロ事件を、飛行機が突っ込んだ隣のビルで体験したリアルな手記。テロ事件は多くの人の人生を変えたと言うが、この著者もそのひとりである。

  • 9.11以降、世界は変わった。

    今となっては誰もがそう言えるだろうが、僕がそのことに気づいたのは恥ずかしながらここ1年ほどのことだ。きっかけは森達也の「いのちの食べ方」(これも良い本なのでいつか感想を書きたい)これ以降色々な本を読むようになり、世界が違って見えて来た。普段ニュース等で伝えられる事実は、物事の一面を映したものにすぎないこと、真実というものは多面的なものであるということ。

    9.11以降、いよいよ世界の二分化が進んでいる。それはかつての冷戦構造のようなイデオロギーの二分化ではなく、もっと原始的で生々しい殺るか殺られるかの世界。強者対弱者の世界。報復あるいは自衛という名の下に戦争をけしかける強者、対して弱者にはテロという手段しか無いという状況。国際関係は緊迫感を増し、八方塞がりで解決の糸口も無いように見える。そしてもっとも怖いのは、僕のようにのほほんと暮らしてきた一市民にとって、そういう世界の構図すら見えていなかったことだ。9.11からもう8年が経つ。その間に起きたイラク戦争もアフガニスタン爆撃もパレスチナ紛争も、どこか遠くの世界で起きているニュースの上だけの出来事だった。自分とは関係の無いことだった。自衛隊派遣の問題もよく解っていなかった。でもそれでは駄目だったのだ。自衛隊はこの国の問題だ。それは憲法の問題に大きく関わってくるし、「戦争」というものをどう捉えるかに大きく関わってくる。全部自分に返ってくる問題だ。選挙での一票が戦争を、人の生き死にを決めると言っても過言では無い。

    9.11以降、ヒステリックに報復を叫ぶ声が大きくなった。報復感情を煽ってブッシュ政権は8年間続いた。今の北朝鮮に対する日本の感情もこれと似た構図だ。報復感情というのはわかりやすい。これに対して理性的に待ったを唱える声もまた出て来た。アメリカは共和党にNOを突きつけた。北朝鮮の拉致問題では当事者である元家族会事務局長の蓮池透さんが「拉致」という著書を出版した(具体的内容はこちらも参照)。報復感情というのはわかりやすいけど、なんかおかしいぞ?と思う人が増えていていると思う。それが9.11以降の世界の二分化。

    9.11以降の世界情勢を分析することは、いわば誰にでも出来る。この本が、かつてなく僕の心を揺さぶったのは、彼女がまさにその9.11の現場(隣のビル)に居合わせた本人であるからだ。事件後、ショックでPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥った彼女がいかにしてジャーナリストを志すようになったのか。女性の感覚で回想される数々の出来事は、全てが実体験であるがリアリティを持つ。また明晰な論理というよりも、女性的な感覚で書かれた文体であるためにかえって真に迫ってくるものがある。

    そして僕はこの本で泣いた。
    それは帰国後、彼女が通訳を務める酒田市での講演でのフランク・ドリル氏のスピーチなのだが(内容は伏せておきますが)、ものすごく深い一言であり、核心を付く言葉だと思う。この講演の場に居合わせたかった。。。平和都市宣言をしている酒田市では毎年平和講演を開催しているようなので、今後チェックしてみたい。


    改めて振り返ると、ロックが好きでラブ&ピースに憧れる“なんとなくリベラル”だった僕が、明確なリベラル的考えを持ち始めたのは、本書の著者をはじめ渋谷陽一や森達也、蓮池氏のように、何かおかしいぞ?を発信し続ける人たちの影響であり、その草の根活動には敬意を表したい。
    現在でも紛争が続く現場ではNGOとして武装解除にあたる日本人もいる。
    世界には、知らない事がたくさんあります。

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