超格差社会・韓国 (扶桑社新書 56)

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  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594060206

作品紹介・あらすじ

20代の平均月収7万円!非正規職者の比率は日本の2倍、受験競争で教育費は家計の7割…etc.IMF危機以降、まったく別の国に変貌してしまった韓国の学校・企業・社会における壮絶なサバイバル事情を解説。

感想・レビュー・書評

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  • あまりにも厳しすぎる韓国の格差に驚いた

  • 韓国の格差社会は日本の比ではない。その結果が子供から大人までの勉強熱である。しかし、改革のスピードの速さが韓国の急激な経済成長を達成させたと言える。

  • 三葛館一般 302.2||KU

    超高度成長を成し遂げ、IMF危機を克服し、今や世界でもトップ10入りをうかがう経済大国になった韓国。急成長の陰で生じた混乱や矛盾・・・教育や企業サバイバル、人口構成急変について、韓国在住の著者が、いま、隣の国で何が起こっているのかを解説する。

    和医大OPAC →http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=63553

  • 内容としては、『おそるべし韓国企業』に近く、スラスラ読めた。
    日本は高度成長期の団塊世代が頑張りと、いまのゆとり世代のギャップが云々いうけれど、世代ではなく時代という意味でジェネレーションギャップというものをとらえた場合には、韓国のほうが俄然激怒の時代変遷をたどった気がする。でも、世代という意味でとらえたら、実はそこにギャップはなくて、若者も中高年も、できるやつらはめちゃくちゃ稼いでて、できない人はしれている。そこにあるのは、実力とか出自といった格差。
    日本に生まれてよかった、と思ってしまう。

  • 隣りの国だがその実情をほとんど知らなかった。

  • 最近は少しウオンも回復してきたようですが、韓国経済の迷走が続いているようです。思い起こせば10年前も韓国はアジア危機において窮地に陥っていたと思います。韓国には日本とは異なる体制があるのではと思っていたところ、この本に出会いました。日本も格差が広がってきたといわれていますが、韓国はその上をいくようです。

    仕事上の知り合いで、子供の養育費は馬鹿にならないようで、明らかに日本よりも高額であったと記憶しています。この本ではそれらの具体的な数字が上げられていて驚きの連続でした。日本はそのようにならないようにと願っています。

    以下は気になったポイントです。

    ・高校野球大会に参加する高校の数は、日本は4000に対して韓国の場合は50、国家代表やプロを目指せるのはほんの一部、大学進学率は日本が53%に対して慣行は84%、1980年代までは20%程度(p9、55)

    ・韓国では2000年に課外授業を禁止することを違憲とする大法院(最高裁判所)判決が出てから塾の急成長が始まった(p24)

    ・韓国の高校は、学区内の全学校を対象に抽選で行き先を決める制度であり、日本よりも露骨な名門校つぶしを行った(p33)

    ・韓国の大学は独自の筆記試験は禁止されているので、修能というセンター試験の点数と内申、二次試験として論文・実技・面接によって合格者を決める(p34)

    ・年収800万程度のき給料を得ている年収の7割程度が教育費という例もあり(p53)

    ・サムスン会長は1993年に「新経営宣言」を出して、「妻と子供以外全て変えろ!」という改革を命じた、勤務時間も朝7時から3時までとされ、ソウルの交通渋滞がなくなった(p78)

    ・1998年以降、韓国社会のキーワードは「過去との決別」であった、アングロサクソン型の経営効率経営モデル(収益至上主義、若返り、人員削減、能力主義等)となった(p101)

    ・韓国における非正規職者の比率は日本の30%に比べて、60%と言われている(p117)

    ・韓国の格差は日本よりもはるかに大きい、雇用に対する経営者の考え方は、日本のほうがはるかに保守的である(p121)

    ・2007年に「情報通信網利用促進法」を改正して、インターネット実名制を導入、1日10万人を超えるサイト運営者に対して、本人確認を義務付けること(p139)

    ・日本の65歳以上の人口が7%を請えたのは1970年、14%に達したのは1994年で24年かかっている(フランス:115年、イギリス:47年、ドイツ:40年)のに対して、韓国は19年(2019年に到達)とされている(p151)

    ・韓国では年金制度が本格的に導入されたのは、20年ほど、公務員以外は老後の年金を期待するような仕組みにはなっていない(p159)

    ・2007年12月の韓国大統領選挙、李氏の圧勝といわれ殆どの地域で得票率は50%超、しかし南西部の全羅南道は9%にすぎなかった、これは1970年代以降ずっと続いている根深い対立である(p177)

  • 友達と「韓国経済の強さ」について、話し合うために読んだ一冊。

    韓国が今の経済モデルになる経緯がわかる本。
    但し、作者の感情が強く押し出されており、客観性には少しかけるが、韓国がこれだけ成長するために払っている犠牲を、生々しく記されている。

    感想
    韓国の強くなった理由は垣間見たが、日本がそのような形で強くなるのは、厳しいと思う。
    新日本経済モデルが必要。
    それがどのようなものか、勉強が必要だ。
    日本が韓国より優れている産業、サービス、モデルとは何か?

    ま、とにかく、韓国には住みたくないなあ…。

  • 10年前は、韓国が日本を真似て伸びているという話があった。
    安価なインタネットの普及
    サムソン電子の飛躍
    海外への進出
    オリンピックでのメダル数
    日本は、韓国の後ろに引き離されそうになった。

    それなら、韓国の真似をすればいいんじゃん。
    ネットワークが安価になった。
    松下、ソニーががんばっている。
    中国にもどんどん出て行こう。
    オリンピックのメダルだけは負けたまま。

    何をどうすればいいかのヒントが本書にあるような気がした。
    多くの韓国の特徴は、日本にも輸入されているはずだからと思った。

    母屋という用語を共用する文化同士で、仲良くやれないものだろうか。
    イギリスとデンマークのように?

  •  韓国における、受験戦争、オーナー企業経営の問題、ネット社会の闇、人口構成の急変、社会内部での分断などについて、タイトルの格差社会と引きつけて素描されている。
     こうした問題や歪みは、多かれ少なかれ、1960年以降の「圧縮成長」と1997年から98年にかけてのIMF危機が関係しており、この二つが韓国社会を読み解く鍵だという。

  • ・韓国企業のスピード感、決断・実行力は、オーナー経営と密接な関係がある。
    (ワンマンになる、オーナーの能力が重要)

    ・普通と違い、韓国企業は株式公開しても、オーナーが権力者として君臨する。しかし、そのため不正によりオーナーが逮捕されるなどの問題が起こる。

    ・韓国政府は大規模な特赦により、経済人を復帰させた。

    ・大企業の経営に問題があると、韓国経済そのものに影響があるからだ。

    ・韓国の大企業は、すべてが公営企業か、オーナー企業なのだ。

    ・日本や米国の多くのオーナー企業は、大きな相続税の負担や、儲けすぎの批判、一族のスキャンダルなどの発生のため、オーナー支配を薄めていった。

    ・毎年の人事で下位5%と評価を受けると、名誉退職の第一候補となる。

    ・生き残りのため、夜間や早朝に学校に通うサラリーマンも多い。

    ・非正規雇用者の比率が日本約30%に対し、韓国約60%と急拡大。

    ・教育水準に見合った雇用が足りない状態。

    ・IMF危機により、年功序列→能力主義、終身雇用→38歳定年に変化。

    ・韓国は今後、日本以上に猛烈な高齢化が進行すると予想されている。

    ・激しい教育熱、教育費負担などにより、少子化に歯止めがかからない。

    ・韓国では女性省の新設などにより、近年女性の社会進出が進んでいる。

    ・一方で今なお、儒教的な男尊女卑の考え方も根強い。

    ・朝鮮戦争の停戦当時、アジアで日本に次いで経済成長をすると見られた国はフィリピンだった。

    ・韓国は貧しい農業国のため、フィリピンから多くの援助を受けた。

  • [ 内容 ]
    20代の平均月収7万円!
    非正規職者の比率は日本の2倍、受験競争で教育費は家計の7割…etc.
    IMF危機以降、まったく別の国に変貌してしまった韓国の学校・企業・社会における壮絶なサバイバル事情を解説。

    [ 目次 ]
    第1章 迷走する教育熱と受験戦争(政府が塾の時間を規制!? 「なんで早く帰すのか」と親から苦情 ほか)
    第2章 壮絶な企業サバイバル(財閥企業オーナーたちの“むちゃぶり” 韓国経済を変貌させたIMF危機 ほか)
    第3章 ネット先進国の光と影(ネットに広まったデマで女優が自殺 サイバーリンチを放置したサイトを告訴 ほか)
    第4章 人口構成急変の歪み(猛スピードで進む高齢化と少子化 女性の社会進出ぶりと「儒教」との齟齬 ほか)
    第5章 分裂する韓国社会(激しく暴れる韓国人のナゾ 南北対立より危惧される「南南葛藤」 ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 前々からすごいことは知っていたが、もっとすごかった。これでは、受験で失敗すると自殺してしまう人も出てくるはずだ。

  • 韓国では、小学校から塾やら留学やらでお金がかかるらしい。
    日本もいろいろお金はかかるけど、韓国ほどではないとのこと。
    しっかり教育しないと、子供が就職先みつけられないから、そもそも子供を産むことをあきらめる夫婦もいるという。
    輝かしい業績を誇る韓国の財閥企業群も、下位5%を毎年(?)リストラするなど、痛みを伴った企業経営をしている模様。
    失業率や非正規社員の割合も、日本の比でないという。
    日本では悲観論がマスメディアを中心に流れるが、この本を読むともうちょっと頑張ってみようかなと思えた。
    TOEIC900点ないと就職できないっていったい。。。日本人で良かった・・・

  • 大きなところはイメージ通りだが、結構知らない情報があった。
    ただ、役に立つかというと、「?」だった。
    この情報ならもうすこしコンパクトにまとめてもよさそう 。

  • 韓国は凄まじい塾ブーム。英語力のために父親をおいて母子で留学するらしい。小学生2万人が留学するって異常な国だね。
    サムソンマンは朝7時から午後3時まで勤務。社会人になってからも勉強、勉強。
    韓国が大挙しているのはモンゴル、ミャンマー、カンボジア、カザフサスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、アフリカ。
    世界一自殺大国になっている。どうしようもない国だな。

  • 韓国のあらゆる社会問題の外観をざっと知るために手軽に読める一冊。

    ただし、本書の情報の信憑性については、判断できる材料を持ち合わせないのため、正直なところよく分からない。

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