- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594062590
感想・レビュー・書評
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対談本3冊目。著者2人の性格というか、流れのようなものがだんだん見えてきて対談本の醍醐味だと思う。相変わらず非常に不謹慎で、例えば居酒屋とかでこういう会話が聞こえてきたら嫌だなあと思いながらも、何だかんだで一気に読んでしまった。
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前作『「狂い」の構造』から3年。
秋葉原通り魔事件、婚活殺人など正気の沙汰とは思えない事件が次々と起こり、日本という国はますますわるくなっている。
春日は
<blockquote>ますます品性がなくなってきた。それは結局、自尊心や自己肯定、自分を大事にすることが出来なくなってきた弊害じゃないか</blockquote>
と説く。
つまり、自分自身に対する無力感が「狂い」のはじまりだということだ。
長引く不況でそれまでの日本型経営が崩壊し、この国はどんどんと階級社会へと進んでいっている。
秋葉原通り魔事件の犯人のように、自分の行き場・居場所のない"無力感"こそが「狂い」の源泉なのである。
命の尊さを教えるには、"サツイク"が必要ではないかとも。
この部分が本書で一番ショッキングなところであろう。
何しろ学校教育で殺生を教えろというのである。
しかしながら、その心は生命の死というものを身近に感じることで命の尊さを学ぶというものであり、決してエキセントリックな物言いではないのだ(表現はその機雷がるが)。 -
“「狂い」の構造”から3年後の続巻です。
内容は同様、多くの脱線と雑談を交えた対談集です。
3年間に起こった出来事をサンプルに、浅く広く語られます。
今回は雑談が多めといったところでしょうか。
飲み物片手にゆったりと狂気について読めるシリーズです。 -
平山氏と春日氏が繰り広げる『狂気』について対談の中に織り込まれたブラックユーモアを楽しむ作品です。
決して万人におススメ出来る作品ではございませんが。
ブラックユーモアというものに理解がある方にとってはそれなりに楽しめる作品なのではないかなと思われます。 -
対談だからといってあんまり口調が砕けていると読みにくい、ということを学んだ。
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結構内容が切られているところがある気がする。
文句言いつつもそこに居続ける方が楽なのは
楽だからなー。逃げてばっかり。 -
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まあ、ビックリするくらい身も蓋もないことが延々と語られていて、少し前の自分なら「人権侵害だっ!」て、激怒してたかも。でも、結局、この狂ってる人を語る側と語られる側が紙一重なことと、狂者への嫌悪を直視しない限り、援助はただのお為ごかしや自己満足(救世主コンプレックスといってもいい)のはけ口にしかならなくて、それこそが人権侵害なわけだな。ふむ。
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放談集第二弾。
最初のインパクトよりかは若干パワーダウンか。
人間というのは見慣れたところに安住したがるから
どんなに良くなることがわかっても、見知らぬ世界に飛び込むのは
相当エネルギーがいる、
見知ったところで文句をブーたれつつ過ごすのが1番楽。
高値安定させようとしても低値安定したがる。
というのがね。耳が痛いわ。
しかし今回もやはり、無力感をどう扱ったら狂気につながるのかは
わからなかったのでした(笑)
今回は春日先生のイメージが崩れたw
イソミタール面接の
寸止めでちょっと入れたり出したりしながら耳元で、とか。
先生!(笑)
産婦人科の時に~大抵は無理で~てのは、
うっそーんって思うけどね。その状況限定だからでしょー、と。
むしろある状況なら大抵とは大抵大丈夫でしょ。男なんて(笑) -
[図書館]
読始:2011/1/11
読了:2011/1/12
前巻よりも話にとりとめがなくなっている気がする。一応1~5章に分けられて章タイトルもつけられているのだけど、「あの話ってどこにあったっけ?」ってのが章タイトルから推測できないくらい。
あと、平山さんがしゃべりっぱなしで春日さんがそれに合わせるだけになっているところが多い。
p.54 優しさってガソリンにはアメ車並みに燃費が悪い。人からほめてもらっても、すぐ使っちゃう。1キロも走らないうちに、ああ、やっぱり俺はダメだって。
p.63 特に今の邦画ってさ、親友に強○されて妊娠して援助交際までやっちゃったけど、自分がずっと好きな人が愛してくれたから全部チャラみたいに終わるじゃん。そのあとを考えてみたいよね。女もばばあになって(中略)「お前に真心なんかねえよ。10歳からそこらで淫売こいてるんだぜ」「タイムマシンがほしいな、過去に戻ったら、お前なんか絶対に助けない」って。だからそんなのは別に愛じゃない。成り行きや、惰性でそうなっているだけ。
p.69 しかも品のなさが、不思議と武器になったりもするでしょう。品を守る人は後手に回されるんだよね。将棋盤をひっくり返して殴りかかってくるんと一緒でさ。外から見れば、よっぽどそいつを怒らせたんだろうと思われちゃう。殴られてる方が被害者なのにね。
やったもの勝ちになっちゃうんだね。
変な人間を目の当たりにすると、それを読み解こうと自分の中の翻訳機に突っ込むから。こんなに怒って、ひどいことをしているなら、相当の理由が反対側にあるに違いないって、勝手に状況を組み立てちゃうんだよね。
p.80 引きこもりは、単に引きずり出せば解決するわけじゃなくて、時間がフリーズしてるから。すべて棚上げ状態なの。引きこもっている間は、俺は何一つ認めないと。俺は負けていないと。(中略)引きこもりだから家族にいろいろアプローチするんだけど、乗ってこないことがすごく多い。確かに引きこもりの状態を何とかしたいんだけど、もし解消すると今まで棚上げにしていた問題と直面することになる。それも嫌なわけよ。だからアリバイ作りに困りましたと来るわけ。
p.87 テレビとかよく出てくる引きこもり直しますみたいな人。何だろうこれ、と思うんだけど。(中略)
勢いに圧倒されて一時的にはいぶしだされるけど、そんなの全然ダメよ。(中略)
1週間ぐらいたって、「ケイコは自分を取り戻す生活を一歩進めた」みたいな。3か月ぐらいすると、だんだん笑顔も見えてきて帰るらしいんだけどさ、 帰った後の話はないのよ。
でしょう。だって歪みは残ったまんまだもん。(中略)本人がひきこもった辛さというか、困難さは何一つ解決してないんだから。
家族が言うには、お前がこんなに引きこもって、お父さんはどれだけ恥ずかしい思いをしたかとか。お母さん、あんたを生まなきゃよかったわとか。兄貴はこの野郎!なんて延髄切りを食らわせたり。けいれん発作とか、癲癇症状の人を、狐憑きだとか言って叩いてるのに近いような気がした。
p.124 ちゃんと違和感を感じているくせに、あえてごまかす。そういうやつは違和感をあえて言語化しない。言語化しなければ、存在しないんだもん。仕事の失敗でも言語化すればいいのに、そのプロセスを面倒臭がって流していると、あとで絶対ひどい目に遭う。
p.174 懐かしさというか、慣れ親しんだものには惹かれるわけ、どうこう言ってもね。だから旦那がアル中という女って 、だいたい父親がアル中だったというのが多い。 (中略)気が付かないうちに、やっぱり同じパターン。自分を振り返っても、びっくりするくらい同じパターンを引いちゃうことがある。
またやっちゃったと。
だけど、まちゃったの「また」にはどこか安心感があるんだよ。人間、未知なところいうのは全然だめよ。(中略)新しいものに踏み出して積極的に幸せをゲットするというより、まあこの辺で言いか的なぬるま湯に落ち着く。ブツブツ文句言いながらね。そっちの方が気が楽なんだよね。楽な方に安住したまま文句は言う。
p.182 春日先生は小さいとき、利発な少年だった?
朦朧としてた。
朦朧少年だったのか。
p.185 昔は時間のスパンが長い子はちょっと異分子化されていたよね。「何見ているの?」「アリ」「え?」みたいな。
p.193 他人って死んだらどうなるんだろう?相手を殺したらどうなる?その問いはおかしくないんだけど、実行したらおかしいわけ。だから、子供を投げ落とすとか、(中略)それはいまさら大人が考えることじゃないじゃんって。経験が浅すぎて、想像力が利かない。その後における大惨事の予測がつかない。うっかりでチープな犯罪は、そういう経験の浅さに由来している気がするんだよね。だから、今の子供たちには、死に直面する経験、死に対しての実感が必要なんじゃないかな。ただ、大事なのは傍観者じゃ教育にならないのよ。やっぱり当事者にならないとね。
p.202 図書館で借りたり、献本で書くやつ。タダで読んで悪口書くのって歪んでないか?と思うけど。
p.204 自分は得をしなくても、相手を傷つけることで相対的に自分が上がろうというセコイ発想だからさ。
p.220 自尊心や自己肯定、自分を大事にすることが出来なくなってきた。心の底から自分を認めることが難しくなってきた。
権利意識を主張する奴って、裏返せば自分が権利を受ける人間だと証明したがっているわけだよね。
p.233 アメリカに『アンサーズ』という雑誌がある。小さい子供は「なぜ」と疑問を持つけど、その疑問自体が悪魔のそそのかしなんだ、と。化石が違う、サルにDNAがあるというのも、実は神があなたたちの信仰心を試すためのトラップなんだと言うわけ。それで揺らいでいるようではダメですと。神に比べれば何もできない科学者が、小手先の知識で言っていることに惑わされてはダメです、あなたの信仰心を試しているんです、と。
試されてるんだといえば、どんな過酷な運命もオーケーになるからね。
p.234 酒と薬を複合すると、いつ結果が出てくるか分からないからね。アルコールだと副作用が妙に強く出たりするから。