中国のマスゴミ ジャーナリズムの挫折と目覚め (扶桑社新書)

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594063665

感想・レビュー・書評

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  • 中国の報道統制の厳しさ、国としての制御の腐心がわかる。
    中国をみて、我が日本もマスコミを戒めてみることが必要に思えた一冊

  • レビュー省略

  • 気合の入った一冊。

    なぜ中国が好きなのかと問われると、面白いから、ネタの宝庫だからと即答するという著者により書かれたモノ。

    ジャーナリスト内でささやかれる戯れ歌:”一流記者は株で儲け、二流記者は広告で儲け、三流記者は賄賂で儲け、四流記者はアルバイト原稿で儲け、原稿だけ書く記者は五流”という社会の中で、葛藤・奮闘するジャーナリストや事件について明記されている。

    面白かった。

  • ははは。

  • タイトルにひかれて読んでみた。

    日本のマスコミも「ゴミ」だと思うが、中国と比べられない。
    何と言っても中国は社会主義国家なのだから。

    しかし予想以上にひどい。
    国民は何が真実かも判断できないだろう。

    しかし。
    インターネットが普及してからは、ちょっとは風向きが変わりつつあるようだ。

    この先、中国のマスコミはどこに向かっていくのだろう。
    注目だ。

  • 中国のマスメディアの環境は劣悪であるが、マスコミ靈は日本のマスコミとは相当ちがう彼らはsnsを利用してこれから改革を進めていけるだろう。。
    果たして日本の大手マスコミは今やゴミとなりつつ有る。
    中国の変化に期待して、わたしたちも、マスコミの選別を進める必要を感じた。

  • 中国の、と銘打っておきながら、日本におけるマスコミのあり方に再考を促す内容だなと思いながら読んでいたら、あとがきにそのようなことが書いてあった。

  • 挑発的なタイトルではあるが、その内容は中国の記者と中国ジャーナリズムの現状を訴えたルポタージュ。最初の企画案では「中国の記者」だったのが「今、中国ものは売れないから」という理由で没になり、同じ内容でタイトルを変えて提案したら通ったとか。この本を読みながら中国という国の難しさを感じると同時に、震災や原発報道での日本のマスコミの対応がダブって見えてしまった。あとがきを読むと、それも本書の狙いの一つだったことが判明。メディア情報に対する意識を変える必要があるかも。

  • 中国の「マスゴミ」なんていうタイトルがついていますが、副題である「ジャーナリズムの挫折と目覚め」のほうこそ内容を指しているように思いました。背景には、中国関係の書物は売れない、という出版事情があったようですが、できればこの副題に注目してもらったほうが良いのではないかと思います。

    本書の中で展開される、SARS発生時の報道をめぐるエピソード。国内で問題が発生した段階で当局が報道規制を敷き、外国メディアが気づいて騒ぎ始めた頃にはすっかり感染が広がっていたという話です。
    もちろんこれは中国の報道規制問題を示す事例として紹介されているのですが、これを隣国の未熟な報道環境として笑えるのでしょうか。
    折から、日本では原発事故に関連して、情報開示とマスコミの対応についての問題が顕になったばかりです。電力会社の記者会見の様子を、私もネット中継で視聴していたのですが、あれを見た後では本書のエピソードはまったく笑えないし呆れることもできない。まるで一緒。
    もちろん、かたや一私企業の、いわば「個人的」ともいえる自己保身、かたや国家崩壊に怯える政府による暴力的な抑えつけがその背景であって、問題の構造は異なるのだけど、結果として伝えるべき情報が伝えられないという点には違いがない。
    当時の中国では、不十分な情報を受けた国民の間に奇妙なデマが流れ、SARSに効くとしてヤクルトやキムチがばか売れしたという…

    諸々の壁に阻まれて必要な情報にアクセスできないとしたら、果たして記者はどうするべきなのか。

    厳しい報道規制と労働条件の下、腐敗していく中国人ジャーナリストたちがいる一方で、なんとかして伝えるべき情報を伝えようと文字通り命がけで取材し、記事を流すべく戦う記者もいるということ。
    インターネットの登場によって、少しずつではあるが、報道が規制に打ち勝つチャンスができつつあること。
    まっとうなプロ意識を持つ中国の記者から見れば、日本の報道環境はうらやましい限りでしょう。けれど、恵まれた環境(もちろんこれが当然の環境であるべきなのだけど)にいる日本人ジャーナリストはその魂を全うしているといえるのか。
    著者は問う…

    著者の記者としての誇り、ジャーナリズムへの愛情が感じられる本です。
    マスゴミと言われるのは中国に限った話ではない。日本こそ、新聞、テレビは死んだ、スポンサーや社内圧力に迎合するばかり、ろくなニュースはないと見切る動きがあります。ある部分はそうかもしれません。でも、それでも報道の仕事に命をかけて、戦い続けている記者がいるし、自らもそうありたいという思いが溢れていると感じました。

    前回読んだ同じ著者による「中国の女」もそうなのですが、具体的な個別の事例を通して、普遍的全体的な問題へと視点を誘ってくれる、血の通った文章。(もっともご本人は、情景描写から入るような文章、マクラとオチがあるような文章が得意で、所謂記事としてのフォーマットにのっかった文章が苦手、と告白しているのですが)
    中国に関心のある人にはもちろんですが、今の日本で今のタイミングで読むと、また大変におもしろいのではないかと思います。

  • 取り立てて目新しい話題が書かれているわけではありませんが、中国にだって健全なジャーナリズムが育ちつつあり、育てようとしているジャーナリストが大勢いるんだということを伝えたいという著者の気持ちは十分に伝わってきます。

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著者プロフィール

ジャーナリスト、中国ウォッチャー、文筆家。
1967年、奈良市生まれ。大阪大学文学部卒業後、1991年、産経新聞社に入社。上海復旦大学に業務留学後、香港支局長、中国総局(北京)駐在記者、政治部記者などを経て2009年に退社。以降はフリージャーナリストとして月刊誌、週刊誌に寄稿。ラジオ、テレビでのコメンテーターも務める。
著書に、『習近平 最後の戦い』(徳間書店)、『台湾に何が起きているのか』『ウイグル人に何が起きているのか』(以上、PHP新書)、『習近平王朝の危険な野望』(さくら舎)、『孔子を捨てた国』(飛鳥新社)など多数。
ウェブマガジン「福島香織の中国趣聞(チャイナゴシップス)」を連載中。

「2023年 『習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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