どうかと思うが、面白い

著者 :
  • 扶桑社
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本棚登録 : 201
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594064297

感想・レビュー・書評

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  • 「ダイナー」が映画になるらしいじゃないですか。結構激しい本だったのでどんな映画になるのか甚だ心配であります。割と平和好きなので彼の本を手に取るの結構勇気が必要なんですよね。
    で、エッセイがなんにも役に立たなくてすっごく面白いという噂を聞きつけて読んでみました。
    感想としては人生に一片の役にも立たないのですが、電車の中で読んではいけないくらいの破壊力のあるエッセイでした。そもそもエッセイと呼んでいいのかすら疑問であります。虚言集と言いたいくらいメチャクチャです。稲中の文章版かというくらい笑わせ方面にだけパワーを解放しています。
    しかもブラックで下ネタ方面へ容赦なく針を振り切っているので、のぞきこまれて文章読まれようもんなら恥ずかしいです。小さくイラスト書いてるんですが、赤羽の変な人を紹介する漫画の人居るじゃないですか。あの人がまた張り切ってえげつないイラスト書いているので尚更です。
    どうかと思うが、面白いってほんとそれ。他の人に勧めたら品性疑われそうで勧めないけれど、個人的にはひっそり読みたい本です。
    松沢呉一のエッセイを読んでいた時もこんな感情になったのを思い出しました。

  •  ホラー小説作家として知られる著者が、『SPA!』に連載したコラムの単行本化。
     帯には次のような惹句が躍っている。

    《狂っているけど、あったかい
    人気作家の身辺で起きた、爆笑ご近所ホラー譚!
    ここにしかない、平山夢明ワールドへようこそ》

     まさにこの惹句のとおりで、内容といい文体といい、誰にも真似できない唯一無二の個性をもったコラム集だ。事実と妄想の境界があいまいな、どす黒く歪んだ変態的世界。なのに、何ページかに一回は爆笑ポイントがあり、読後感はあたたかいのだ。

     タイプとしては岸本佐知子、穂村弘系の妄想お笑いエッセイなのだが、キシモトやほむほむの本よりももっと歪んでいて、もっと下品。

     以下、私が爆笑した一節をいくつか引用。

    《知り合いの女の子が通う高校の先生は、数学で方程式を教える時、「Yにこの式をブチ込む。するとXには何をブチ込めば良いのか? さらにZは丸ごとXをブチ込んで良いのか? いけないのか? いつになったらブチ込めるのか?」と代入を〈ブチ込む〉といい続けているんだそうです。ちなみに女の先生らしいんですがね。》

    《オイラも子どもの頃、「謝って川へ転落し」ってニュースで聞く度に「嗚呼、土手で謝罪するのは命取りだ」と信じていましたし、「電車が普通になりました」って聞く度に、変化する前の「異常な電車」に乗りたくて仕方ありませんでした。》

    《寒い地域に嫁に行った子がいまして、そこの実家では真冬になると暖房費の節約として家の中にテントを張るらしいんですよね。テントの中だけだと意外に人とミニコンロぐらいで温かくなるもので、これも生活の知恵の発露ですね、離婚しましたけど。》

     各コラムのタイトルを列挙しただけでも、「いったいどんな話なのか?」と興味を覚えずにはいられないだろう。たとえば――。

    「どんな女のオッパイでも、好きな時に好きなだけ自由に揉む方法」
    「『金星からやってきたクラスメイト』との思い出」
    「バーコードおやじの頭皮に書かれた謎のメッセージ」
    「どんな肩凝りでも一瞬でトコロテンにする凄い薬」
    「医者に褒められるくらい、〈器用に車に轢かれた〉男」
    「『横浜スカンク』と呼ばれる殺人的タクシー」
    「いまや『アネキ』になった『元アニキ』の微妙な置き土産」

     マンガ家・清野とおるが各コラムに添えた狂気を孕んだイラストも、文章とベストマッチでいい感じ。

  • 第13回大藪春彦賞を受賞して、今年中に小説(連作短編含む)を3冊以上出さなければならない平山夢明さんのエッセイ。この本はエッセイだから3冊には含められないのですね。残念。
    ネタは東京ガベージコレクションと結構かぶってます。(ちょっと変容しているものもあり。)K極N彦とかA辻Y人とかいうイニシャルトークも意味がないし(笑) ラジオで口調になじんでしまったせいか、エッセイを読んでいてもあの声で朗読されている感じで困ってしまいます。本当に変わった人なんですね。そして周りから愛されている人だなーと思いました。

  • 久々に腹が捩れた。大笑い。

  • 今回読んだ中のなるほどなあ文↓

    『僕は構造的に、あまり明るい人には警戒するように造られているんですが、こういう場面(※元気な人が理不尽な状況に陥り痛みを堪えるような場面)に遭遇すると<ああ、この人は元気なふりをしているけれど、本当はイイ人なんだ>と思えるわけです。

    (中略 ※先日、駅の階段を元気よく駆け上がる五十ぐらいのおじさんを目撃した)僕は内心、<また敵が現れた>と苦々しく思っていたのですが、そんな僕の心を神様が察してくれたのでしょう。(後略 ※この後、おじさんは階段の蹴込みに足をとられた様子で脛を強打)』

    私も常日頃元気いっぱいでポジティブの塊のような人に対し、何らかの矛盾を感じてしまい生理的に気持ちが悪くなるんですが勇気づけられました。

  • とにかく下品。だけどそれが面白い。

  • どうかと思ったが、面白かった。
    余り人前で読まない方がいいかも?

  • SPA!での連載をまとめたもの。嘘ばっかり。

  • 毎日毎日幼児を相手にえほんやぬいぐるみや人形劇に囲まれ、主に見ているテレビといえばおかあさんといっしょにアンパンマン。
    二歳前の娘に善悪を教え、良き母親としてふるまえるようつとめている。
    だけど、いかん、こんな生活に囲まれているとまっとうな心の持ち主になってしまう。
    私はそんな綺麗な人間じゃないのに!
    そんなときにはこれ、ひたすら続く下ネタとひどい話でゲスチャージ完了。これを読んでほっとしている自分もほんとうにどうかと思うんだけど、ほっこりする物語を読むよりずっとずっと心が落ち着く。

  • ぱらぱらーっと読んだ。
    よくもまあ、これだけ強烈なエピソードを集めたな…という感じ。
    内容はタイトルそのものだった。どうかと思うが面白い。でもシャレにならない話もあった。事実かどうかはわからないが、犬の首の話や、猫が黒こげになった話は読んでいてちょっときつかった。

    2013.06.06

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著者プロフィール

1961(昭和36)年、神奈川県川崎市生まれ。法政大学中退。デルモンテ平山名義でZ級ホラー映画のビデオ評論を手がけた後、1993年より本格的に執筆活動を開始。実話怪談のシリーズおよび、短編小説も多数発表。短編『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社文庫)により、2006年日本推理作家協会賞を受賞。2010年『ダイナー』(ポプラ文庫)で日本冒険小説協会大賞を受賞。最新刊は『俺が公園でペリカンにした話』(光文社)。

「2023年 『「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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