インテリジェンス人生相談 復興編

著者 :
  • 扶桑社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594064754

感想・レビュー・書評

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  • 怖い。

  • 「週刊SPA!」にて絶賛好評連載されている佐藤優氏の人生相談の連載です。その「復興編」です、ここでも筆者は相談者からの人生相談に数々の角度から答えており、彼の辿ってきた人生の片鱗を感じさせます。

    相談者「妻が放射能に怯えて沖縄に逃げました……」
    佐藤優「私は東京にとどまるが、他人に強要はしない」


    相談者「放射能汚染にまつわる差別が悲しすぎる」
    佐藤優「差別を克服する活動は真に愛国的だ」

    相談者「熟女とのSEXの意義をどう考えますか?」
    佐藤優「『熟女もの』以外の官能小説を読んでみる」

    この本は『週刊SPA!』にて絶賛連載されている佐藤優氏による人生相談の連載に加えて、さらにウオトカを片手に相談者と『サシ』で質疑応答をする『マンツーマン人生相談』を含めた67本の人生相談が収録されております。

    僕も今まで『人生相談』という分野の本は数々読んでまいりましたが彼をして『ロシア裏街道』と称する対ロ外交で現地のタフ・ネゴシエーターを相手に丁々発止をしていた外務官僚時代に加え『小菅ヒルズ』にて512日泊513日間の拘置所生活を経験した筆者にしか出来ない回答のオンパレードで、あるところでは大声を出して笑い、ある箇所ではすさまじい下ネタの連発にくらくらしながら、彼の類まれなる人生経験と、必ず紹介される本の幅の広さと深さに、驚嘆してしまいました。

    それでも筆者いわく、どれだけ的を外れた相談でも相談者の味方としてともに解決策を探っていく、という姿勢は全体を通して貫かれており、たとえば『コロンビアで男の器を磨きたい!』という男性相談者の相談にも人間には2種類の後悔があって「あのとき、あんなことをしなければよかった」という後悔と「あのとき、思い切ってああしていればよかった」という二つの後悔がある、ということを話して、自らの体験を踏まえつつ、もし、行くのだったら語学の訓練をきちんとした先生について習えば、あなたの冒険が成功する可能性が高くなる。と結んでおり、自分もかつて似たようなことを思いもし、またここまでのスケールとは行かなくても実行した身の上では、なんともいえないものがありました…。

    この本は何処を切っても魅了的な回答に満ち溢れていて、読む人それぞれによって受け取り方も違うでしょうし、面白いと思うところも違うと思います。ですが、彼の人生相談は彼の持つ学識や類まれなる人生経験から導き出されているものだと思いますので、読んで損はないものだと思います。

著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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