私にふさわしいホテル

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著者 : 柚木麻子
  • 扶桑社 (2012年10月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594066833

私にふさわしいホテルの感想・レビュー・書評

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  • 若い女性作家があの手この手で世に出て行く話。
    奇想天外な成り行きに笑えます。

    中島加代子は小説家がよく泊まるという山の上ホテルに、締め切り目前の小説家然として、今年も自腹で宿泊する。
    賞はとったものの、元アイドルとの同時受賞という不運で注目されず、本が出版されないままなのだった。
    担当編集者の遠藤は、大学時代の文芸サークルの先輩でもある。
    遠藤のほのめかしを受けて、文壇の大御所作家・東十条のもとに入り込み、奇策を弄して‥?

    大御所で女好きというと、普通はモデルを一人しか思いつかないと思うけど、こんな無茶苦茶な役でいいんでしょうか(笑)
    意外な縁が続いて、老大家がいい味出してきます。
    実名で宮木あや子や朝井リョウが出てきて、いかにも内幕物風。
    でも宮木あや子は何もしないし、確か後輩?の朝井リョウも他で書いてることを言ってるだけ?のような気も。

    ことあるごとに、とんでもないことを思いつく加代子の才覚に大笑い。
    次々に危機を乗り越えて、予想外に早く出世することとなる展開ですが、最後はそんなに幸せそうでもないという。
    毒を含んだ展開。
    作家の業のようなものを自覚しているからでしょうか。

    柚木さん自身、最初の賞をとった後、すぐには単行本化されなかったよう。
    その間に妄想が膨らんだ‥?
    生意気盛りの若さを感じさせる筆運びで、面白おかしく、勢いよく書かれていて、何となく元気が出ます☆

  • 文芸あねもねで、最初だけ読んでいたけど、こういう展開だったのか。
    気に入らない相手からうまくすり抜けたり、騙したり、終始ドタバタ。小説を生み出す人の苦しさや、舞台裏を覗き見した感じ。時折出ていた実在の作家さんの名前のおかげで妙にリアルだった。本好きな人には嬉しい。
    ベテラン作家と基本的にずっと対立というかいがみ合っているんだけど、気づいたらなんでも言い合う友人なのかも、というラストのダンスシーンは良かった。恋愛ではない分清々しい。
    だけどなんだか全体的に物足りない感じが…

  • 笑えるには笑えるけれど、設定がありえなさすぎと思った。

    テーブルクロスを身にまとっただけで、帝国ホテルのメイドに見えたり、痩せて名前を変えたら、別人として通用したり。お教室だか展示会だかで知り合ったからといって、急に何日も家に泊まりこむような仲になったり。

    子ども向けではないのだから、もう少し現実的でないと、馬鹿にされているような気がする。

  • 軽いセリフにやりたい放題の主人公。ドタバタコメディで終わると思いきや、心に残るラスト。主人公が嫌な奴になって終わるなんて面白いじゃないか。今出会えて良かった本。
    皮肉なことに、ようやく目標を叶えると、人は保守的になったり、無気力になったり、傲慢になる。さて、そこからどうするのか?幸せの先にあるものを示してくれた本。純粋さを、ひた向きさを、飢えを、未熟さを、失ってはまた取り戻す、その繰り返しなんだ。人生にハッピーエンドはあり得ない。心の炎を消してはいけないと思った。

    2015.6.20

    引用

    一生己の空洞と向き合って、書き続けねばならないということだ。もっと飢えなければ。少なくとも、その年齢でプラダの黒に真珠を合わせるほど、保守的になるべきじゃないよ

    すべてを手にした自分をどう鼓舞するか。世界に迎合せずに、いかに己の良心を守り抜くか。これまでがプロローグだったんだよ。さぁ、ここからはますます苦しいぞ。

    最も大切な、己の力で取り戻すイノセンス。これから先、何度でも彼女はそれを失い、そして手にするだろう。

  • 面白かった。加代子って可愛い。一般的な男性にはアピールしない可愛さだろうけど。すごい情熱!渡辺J?を思わせる東十条先生も人間らしくて。

  • 小説家になりたい女性が成り上がっていく物語。
    おとなしそうにみえて、強かな主人公に共感してしまう。
    小説家の孤独と嫉妬も描かれていて面白い。作中に実在の作家が登場するのが、リアルでなお良い。

  • 執念の女、中島加代子!!

  • 主人公は、多分、私は苦手なタイプ。
    なのに、ぐんぐん引き寄せられてしまう。
    いや、引きずられてしまう。(笑)

    どんな困難にも、逆風にも
    機転と根性と度胸で乗り切っていく。
    のし上がるためには手段を選ばないのだ。

    しかし、どうも主人公が嫌いになれない。
    滑稽な文学界の表現にも、くすっと笑ってしまう。

    何しろ、実名で作家も登場している。
    朝井さんなんてイメージどおりのキャラで笑ってしまった。
    作家の裏側なんて、近いものがあるのかもしれませんね。

    よくわからない爽快感がありました。

  • 遅咲き新人女性作家の成り上がり物語。
    ようやく新人賞受賞したものの、待ち受けるのは、さまざまなトラブル。
    しかし、野心あふれる彼女の不撓不屈な行動に笑えて、
    文学界・出版業界を巡る裏事情が楽しい物語。

    最初数ページ読んで、今回はおしとやかな展開なのかと思いきや、
    そこまでするか!のドタバタ劇に。

    新人作家・中島加代子と、文学界のドン・東十条、
    それに、先輩でもあり大手出版社の編集者・遠藤の3人の視点で展開される。

    特に、佳代子と東十条の掛け合いが爆笑。
    『スポットが当たらなかったら、スポットの前に飛び出せばいい。
     そう、それが成功する最速のルール』が信条。

    罵り合い、騙し合いつつも、お互いに、その文章力・力量は認めていて、
    ドロドロした感じは全く無く、笑って読める。
    かつてのコンビだった編集者・遠藤に、陰で二人を酷評しているの聞いて、
    お互い協力したり、東十条の本宅まで居候して、彼の妻と愛娘まで味方にしてしまったり
    と展開が面白い。

    その中にも、文学界・出版業界の裏事情も織り込んでいて、
    それって、書いて干されないのかなとヒヤヒヤする。
    新人賞の出来レースって、あのタレントかなとか、
    文壇のドンで、濡れ場描写・直林賞(直木賞)選者といえば、あの作家かなとか。

    そして、一般読者からの酷評が目に入りやすい現代ネット社会。
    大量消費される文学と、薄学な読者のから軽々しい批判。
    執筆するたいへんさという作家の心の声を聞いた。

    後半、加代子の復讐劇完了。
    『読解力のない人間』
    そこに、読者に対する挑戦を感じた。

    最後、編集者・遠藤の言葉。
    『作家に必要なのは、執念とハッタリ、そして己の力で取り戻すイノセンス。』
    イノセンスとは、「物語を書きたい」という純粋な気持ちということだろか?
    これからの作家を目指す者へのエールで締めくくられているように思えた。

  • この作家の本は初めて読んだけど、テンポが速く読みやすい!エンタメ小説。目的のためなら手段を選ばない主人公。登場人物がみんな割とやなやつなんだけど、誰も憎めない。ラストですっきり。

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私にふさわしいホテルの作品紹介

「元アイドルと同時受賞」という、史上最悪のデビューを飾った新人作家・中島加代子。さらに「単行本出版を阻止される」「有名作家と大喧嘩する」「編集者に裏切られる」etc.絶体絶命のトラブルに次々と襲われる羽目に。しかし、あふれんばかりの野心と、奇想天外なアイデアで加代子は自分の道を切り拓いていく-。何があってもあきらめない不屈の主人公・加代子。これぞ、今こそ読みたい新世代の女子下剋上物語。

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