嘘だらけの日中近現代史 (扶桑社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594068301

感想・レビュー・書評

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  • 歴史認識というものは立ち位置によって変わるものであるから、これだけが真実であるとは言い切れないものなのだろうが、これまで―ともすると批判が許されない雰囲気にあった中国という国の、厚化粧を剥いだ素顔を見据え、その手前勝手な言い分にきっちり反駁しようとする―内容ではあると思う。

    できれば大学受験の前にこれを読んでみたかったかも……もう20年も昔だけれどw

    詳しくはこちらに。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2013-09-27

  • 中国史のパターン

    1、新王朝、成立
    2、功臣の粛清
    3、対外侵略戦争
    4、漢字の一斉改変と改竄歴史書の作成
    5、閨閥、宦官、官僚など皇帝側近の跳梁
    6、秘密結社の乱立と農民反乱の全国化
    7、地方軍閥の中央侵入
    8、最初に戻る

    中国を見るときはいつもこのパターンを忘れないこと。

    終盤の日本政治の整理は役立つ。

    ~小泉を支えたのは、アメリカと財務省と青木幹雄です。いずれも長年に渡る親中派政権を苦々しく思っていた勢力です。

    かつて、自民党は「アメリカの妾」と揶揄されましたが、もはや相手にすらされなくなり、中国と援助交際するような始末です。竹下登が権力を握って以降、日本は失われた十年に突入し、さらにデフレ不況となります。~

    黒田日銀スタート時に刊行された本書。リフレ派の重要論客でもあった著者の政界読みは面白い。

  • KM2e

  • 中国の歴史よりも大日本帝国の悲惨さが後半目立ってしまって読むと悲しい気持ちになる一冊。なんなら清と同じ運命たどってる(現在進行形で)この本が出たときはアベノミクスも絶好調だったんだなあ…と二重の意味で悲しくなった。

  • じつはYouTubeで済ましてて一冊も読んでいなかった倉山満さんですが、嘘だらけシリーズの3冊買ってみた。

    「通説はこう」「事実はこう」という書き方で解説されていて読みやすいし、動画よりわかりやすい。

  • 「日本型ファシズム」という言い方がされる事があるが、著者の定義によると「ファシズムとは一国一党」との事なので、問題は大政翼賛会をどう評価するかという点になるかと思う。著者は大政翼賛会を「一国ゼロ党」と解釈しており、他著で井上寿一は「ミニ政党」といった同床異夢的解釈をしている。大政翼賛会をファシズムと短絡的に解釈するのは禁物であろう。
    また、著者は「日本は軍国主義ではない」と解釈している。これもある程度議会や内閣が抵抗を示せた(結果意思決定が迷走した?)という事を考慮すれば一定の理はある。米英独ソと違って、日本だけが毎年のように首相が変わっているのは独裁と言えるのか?という点も考慮すべきである。
    総じて右寄的な内容ではあるが、歴史観を中和する意味において読む価値はあるように思える。

  • 面白いし、読みやすい。

    中国史は王朝の名前はなんとかわかってても、その由来とか内実までは覚えていないので、「中国史」全体をイメージだけで捉えていたのだと痛感。

    倉山氏のトーク感ある文章に好き嫌い出るかもしれないが、私は読みやすく思えた。

  • 今のチャイナ・・・建国はたかだか65年くらい
    この国を理解する法則は・・・
     1)力がすべて
     2)陰謀でごまかす
     3)かわいそうな・・・
    歴史はパターン化されていて、近代も中世も同じ。
     1)新王朝成立
     2)粛正
     3)対外侵略
     4)歴史の改ざん
     5)皇帝側近の跳梁
     6)秘密結社乱立や農民反乱
     7)地方軍閥の中央侵入 ⇒ 1)へ戻る。
    の繰り返し。今は、3〜4あたりですか?
    とてもわかりやすい本でした。

  • よくぞここまで言ってくれました。喝采。
    中国で出版出来ないかな?

  • 倉山満さん、ユーチューブなんかでもいろいろと歴史の解説されていますね。非常に弁の立つ方で、わかりやすく親しみがある方です。内容はともかくとしても、伝えたいという心情はよく伝わります。呑み会のネタとしてはいい本ですね。

  • (本文より)
    日本の歴史学界で絶対に使えない学術用語があります。
    「中国のプロパガンダ」です。
    自分の見聞きした範囲ではっきり断言しますが、中国を研究している平成の日本人で、中国共産党に遠慮なくモノが言える人など数えるほどしかいません。
    理由は三つあります。
    一つめは、中国の悪口を言うと、基本的に入国させてくれませんし、必要な資料を見せてくれないなど研究にさまざまな支障が出ます。
    二つめは、戦後の中国研究者のほとんどが親中派だったので、弟子や孫弟子は先生・先輩の業績を否定するような研究は許されなかったのです。
    三つめは、さまざまな名目の「日中共同研究プロジェクト」に依存している研究者が多いので、研究資金を打ち切られる恐怖に打ち勝てる人は少数です。
    日本国内では博士号を取っても非常勤講師の職すらなかったところ、中国では語学教師として雇ってくれたので最低限の生活は大丈夫だったなどという話を聞くと泣きたくなります。
    まともな国ならばとっくに大学教授になれる実力のある研究者が食うや食わずのフリーター生活をしているのが、今の日本という国です。
    そのような環境に置かれている人が親中派になったとして責められるでしょうか。
    甘いと思われるかもしれませんが、私のように一度も筋を曲げず、自由に信じていることを書き続けるなど、例外中の例外です。
    ましてや、その内容を一般に広く知れ渡るかたちで出版できるなど、奇跡です(あなたが今、読んでいる本のことです)。
    かくして、日本の歴史学界では「中国のプロパガンダ」を研究することはタブーです。
    だから、同じ手口で何度も負けるのです。

  •  著者は徹底して中国のプラグマティズムを古今東西の事象から描こうとする。本書の内容もこの限度なら首肯できるところ(ただ、中国史を少し勉強すれば判るレベルで、タブーでもなんでもない)。
     一方、近代史は、余りにエビデンスが書かれないため説得力がガタ落ちだ。
     仮に著者の主張を前提とするならば、中国の方が日本政府よりも一枚も二枚も上手だった、となるだろう。そういう意味で言葉遣いは一見すると中国批判書のようだが、隠れた中国礼賛本のような気がしてきている。
     当時の日本政府も動かざること山の如しとはいかなかったとはいえるだろうが、本書も亦、けたたましく啼く鳥の如きであり、戦前昭和の時代相はもう少し丁寧な分析が要るのだろう。

     この著者では望むべくもなかろうが、新書でも加藤陽子教授のような丁寧な引用、エビデンスを出して検討している書もある。それに比して余りにも…。
     著者は元国士館大学日本政教研究所非常勤講師。2013年刊行。

  • 倉山氏によって書かれた「嘘だらけの歴史シリーズ」の一冊で、私にとっては、米国・英国・露国についで四冊目の本となります。

    歴史というものは、勝者(現在の政権を握っている人々)が後世に伝えようとして作るものであることを理解している私にとって、タイトル自体にはそれほど驚きませんが、普通の歴史教育しか受けてきていない私にとっては、著者の倉山氏の指摘するような「嘘だらけの」知識しかないのだと認識しています。

    倉山氏の書かれていることは、十分な調査によるものだと私は思っておりますので、このたびのこの本で、中国との日本の関係について勉強したく思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・欧州がペルシア人と戦争をするたびに大敗しているのに、たまに勝つとすべてであったかのように記述する、ペロポネス戦争・アレクサンダー大王・ローマの五賢帝の3つだけ並べると、白人はアジア人より優れていたような錯覚になる(p19)

    ・皇帝は辞典の編集を行った、とあるがあれは本当に言葉を変えている。北京をペキンを読むのは明の時代、文字や発音を標準語として統一することは、偉大な権力者の証(p20)

    ・科挙の試験に合格すると、言語オペレータになれる、発音が難しいうえに、方言がひどいので文字でやりとりするしかコミュニケーションの方法がない(p23)

    ・史実の三国時代は、人口の9割が減少、純粋な漢民族はこのときに消滅したと言われる(p41)

    ・三国時代を統一したのは、魏を乗っ取って建国した「晋」である、安定できなかったので、洛陽から建康(南京)に遷都した、316年までを西晋、以後を東晋というが、北方を放棄して南方に逃げた(p49)

    ・ユーラシア大陸を席巻したモンゴル帝国が中国を侵略して成立した国が「元」である、モンゴル帝国の一部にされてしまった時代の中国の名前が「元」である(p53)
    ・元が日本に敗れて以降、元の支配力は弱まる。末法仏教を信じる秘密結社だった白蓮教徒が紅巾の乱を起こすと、モンゴル人たちは草原に帰っていった。この支配地を「北元」という。そして、中国を中国人が統治した、後漢以来、1000年振り(p54)

    ・欧州の大国が世界の大国になるのは18世紀、1756年からの7年戦争(フレンチ・インディアン戦争)は事実上の世界大戦であった、世界中の海で、イギリスとフランスが戦っている(p66)

    ・形式的には、1441年に琉球は、時の室町幕府将軍・足方義教によって島津氏の所有になっている(p76)

    ・当時知られていなかった事情として、14箇条の要求、と、7箇条の希望、は最後通牒の形で突き付けられた。これは袁世凱が日本の外務省に、受け入れるために国内世論を納得させるのに協力してほしいと頼んできた(p114)

    ・腐敗した政党内閣、デフレ不況に無策な大蔵省、日本人が拉致されても日中友好で何もしない外務省、関東軍が事変を断行したことは、閉塞感を打破するかのように国民世論は感じた(p149)

    ・関東軍は、満州というフランスとドイツを合わせたような領域で、30万とも50万とも言われる張学良軍を、一個師団:1万五千人で撃破し制圧した、現に全戦全勝であった(p163)

    ・満州国は日本がでっちあげた傀儡国家だというなら、アメリカは21世紀になってから、アフガニスタンやイラクで同じことをやっている、ロシアもグルジアからアブハジアを切り離して、独立国を名乗らせている。バングラデシュは、インドがパキスタンから独立させた国(p177)

    ・日本はアメリカと異なって、台湾、朝鮮、満州に、エリートを送り込んだ。桂太郎、明石元次郎、後藤新平、朝鮮総督は総理大臣修行ポストという位置づけであった(p181)

    ・満州国は、当時の世界60か国のうち、21か国が国家承認をした(p183)

    ・日本は対米戦の最中も、陸軍の主力は満州と中国大陸、ソ連を警戒しつつ、中国に張り付け、アメリカと戦っていた。この過程で、東南アジアのイギリス軍は壊滅した(p211)

    ・スターリンは、ソ連軍の将校(一説には中佐)だった朝鮮人の金日成を連れてきて、強制的に独裁者にした(p229)

    2019年9月16日作成

  • 著者が既存の中国史に一石を投じた一冊。
    多少右寄りな感はあるものの、フィクションの嘘を暴いてて面白い。

    中国の歴史は以下の繰り返しだと分析。
    時々逆行したり飛ばしたりするものの、基本的にはこれの繰り返し。
    秦の始皇帝も毛沢東も7に過ぎなかったと。

    1.新王朝設立
    2.功臣の粛清
    3.対外侵略戦争
    4.漢字の一斉改変と改ざん歴史書の作成
    5.閏閥、宦官、官僚など皇帝側近の跳梁
    6.秘密結社の乱立と農民反乱の全国化
    7.地方軍閥の中央侵入
    8.1へ戻る

    確かにこの法則にしたがうと色んな歴史上の出来事が腑に落ちた。

  • 林則徐 愛国者 違法なアヘンを焼き払う これに対し絵イギリスがアヘン戦争を仕掛ける

    イギリス 幕府を見捨てて薩長
    パーマストン 1865死亡 そのあとビスマルク 1862 プロイセンの宰相

    日本は清と対等条約 朝鮮は清より格下 朝鮮とは不平等条約でないと国際問題と成る

    国際法による侵略 挑発されていないのにもかかわらず、先制攻撃をすること

    明治政府 不平等条約の改正が目的
    陸奥宗光 日清戦争前にイギリスに、日本のことを、国際法を守る文明国と認めるならば、不平等条約を改正せよ。もし認めないで不平等条約を維持するなら、われわれは文明国でないので、国際法を守るはずないことになる

    清 中立国であるイギリス船を人質にして日本の攻撃を防ごうとした。東郷平八郎は艦長室に2時間たてこもり国際法を確認してから撃沈した

    対華21カ条 14箇条の要求と7箇条の希望
     まともに国際法をまもれということ

    袁世凱が最後通牒のように突き付けてくれとたのまれて、そのとおりにしたら、脅してきたとプロパガンダされた おひとよし

    1907 日露協商 十年後ロシア革命

    侵攻 挑発されないのに、先に攻撃をしかけること

    歴史学者や外交官が国際社会で振る舞うべき2つの原則
     疑わしきは自国に有利に、本当に悪いことをしたら自己正当化せよ やってもいない悪いことを謝るなど論外

    リットン調査団
     日本には実を取らせ、中国には花をもたせようということ 満州国を否認して形式上は中華民国の領土と認めたうえで、日本の満州の権益を容認しようとした
     さらに中国政府は党の一重要機関にすぎずと、蔣介石政権をファシスト国家だと指摘している

    戦争は外交の園長として行われる。宣戦布告の有無は大事。宣戦布告があって戦争がなされるのであって、なければ事変。言うなれば戦争は決闘、事変は喧嘩、

    宣戦布告があれば、味方、敵、中立国の区別があり、封鎖も可能 軍事的支援は論外として、経済的支援を一方にしたら、敵国認定される。自国居留民保護も軍隊が行ってかまわない

    戦争ではないので、中立国の設定ができない。蔣介石は、米英ソ独といった国々から多額の援助を引き出して徹底抗戦を図り、日本は苦しんだ
    ルーズベルトは蔣介石に軍事的援助をしながら、日本に石油を売った

    日本は呼称を北支事変、支那事変、大東亜戦争(に含まれる支那戦線)と変化させた

    虐殺 4つの次元
    genocide/holocaust/atrocity/massacre
    genocide 民族殲滅 holocaust ユダヤ教の宗教用語 atrocity 暴虐 massacre 虐殺

    p204 cityを含むから都市破壊を指す(→これは誤りだろう)

  • 中国が4000年の中でずっと権力闘争、陰謀や紛争に明け暮れていた事が改めて分かった。それは今も変わらず続いているんだろうなあ。風土とも言うべきものなのだろうか。著者の言っていることはいちいちもっともな事なのだろうが、語り口に主観が入りすぎていて、この点がちょっと残念。

  • 「裏切り男」孫文のインチキ革命、「マフィア兼盗賊」が出自の中国共産党等々、嘘にまみれた中国の正体を明かす。

    第一章 嘘だらけの古代「中国」史
    第二章 欧州に翻弄された「清」と抗った「日本」
    第三章 動乱大陸「中華民国」
    第四章 満洲事変で騙される日本
    第五章 お人よしすぎる日本人
    第六章 究極の中華皇帝! 毛沢東の野望
    第七章 中国の悪あがき
    終章 アベノミクスと中国崩壊の予兆

  • 中国には近代などない。あるのは、独裁の古代と殺戮の中世だけ。
    大切なのは外交でも経済でもなく、内部闘争。
    モノの限度を知らない相手とは分かり合えない。

    いろんなキーワードがある。
    そんな「文明」と対峙せざるを得なかった日本の現代に至るまでの「見方」を記述してあり面白い。

    韓国、という視点はすっぱり無視しているけども。

    政治は怖い。
    国際政治はもっと怖い。

    よくこんなお人好しな国が、今まで残ってるもんだと思う。

  • 大正デモクラシーの旗手で中国革命に命を賭ける青年を支援した日中友好論者の吉野作造は、中国の暗黒面を熟知していた。
    職がなかった若い頃、袁世凱の息子である袁克定の住み込み家庭教師をしていたときに不潔で約束を守らない中国人を嫌いになり、袁一族ら政治家・軍閥の腐敗を目の当たりにしている。

    吉野は国際協調論者であるからこそ、国益をしっかりと確保しなければ安定は生まれないとの立場なので、「十四か条の要求」と「七か条の希望」を生温いと切って捨てた。
    民権派と言われている吉野作造ですら、国際社会のパワーゲームを知っているリアリストであった。

    東アジアにおけるパワーゲームは、満州事変に発展。
    満州事変以降、日本は日中戦争の泥沼と欧米列強との軋轢を生むことになる。
    第一次世界大戦の外交を取り仕切り、第日本帝国を世界の大国として認めさせた外務大臣である石井菊次郎は「宣伝にかけてはわが日本ほど遅れた国はない」と慨嘆していた。
    昭和初期から外務省の能力低下が問題であったのである。

    満州事変が問題になった際、当時の外務大臣であった幣原喜重郎は、「我が国の従来かつて国際審議の破りたることなき態度と国民性を了解し、極めて着実にして毫も宣伝がましき行動に出でず」と、何も言わなくても日頃の行いがいいのでみんながわかってくれるという態度。石井菊次郎の懸念が現実のものとなる。
    そして、国連に訴える中国側のプロパガンダが欧米列強を動かし、日本は孤立を深めて行くこととなる。

    一方日本国内においては、満州事変によって大正デモクラシー的な言説は吹っ飛び、「強くて清廉で純粋な軍人さんならば、この腐った世の中をなんとかしてくれる」という空気が蔓延する。朝日新聞と婦人公論がこういった風潮を先導し、婦人公論のグラビアを本庄繁関東軍司令官や荒木貞夫陸軍大臣が飾るような時代になった。

    そして、満州事変後の微妙な国際社会の空気の中、関東軍は熱河作戦を計画する。
    満州皇帝溥儀以下満州人たちは、満州人たち父祖の地である熱河に執着。
    「熱河が入っていないので満州にならない」との言をまともに受けて熱河作戦を決行。
    日本は、国際社会を敵にまわすという困難な状況に陥ることとなる。
    敗戦後、溥儀は全ての責任を陸軍の吉岡安直中佐(溥儀のために人生を捧げたような軍人)になすりつけ、「私は常に吉岡に監視されていた人形のような存在だった」などと言い出す始末。
    これでは何の為に日本は国際社会を敵にまわしてまで熱河作戦を決行したのかと忸怩たる思いにとらわれてしまう。

    本書でも、日本を地獄の底にたたき落とした戦犯として近衛文麿が挙げられている。
    近衛文麿の側近にスターリンのスパイが多数潜り込んでいたことが根拠になっている。
    ゾルゲ事件に連座した尾崎秀実は近衛文麿の側近であり、近衛自身も河上肇に師事するほど共産主義に共鳴していたと考えられる。
    日本の北進派と南進派の対立が日本を泥沼に引きずり込んだことはあきらかで、ソ連への攻撃を回避し、軍を南及び日中戦争の泥沼に引きずりこんだ勢力は、近衛を中心としたメンバーであったのだろう。

    国際社会・日中関係・軍閥・アジア主義・コミンテルンなど、複雑な当時の日本の状況を理解するのは困難である。
    本書は問題を整理し、解説も簡潔なのでこの時代に詳しくない方でも充分理解できる内容になっていると思います。

    近現代史に興味のある方にはオススメの一冊。

  • 日米、日韓に続くシリーズ。
    1.新王朝、成立 → 2.功臣の粛清 → 3.対外侵略戦争 → 4.漢字の一斉改変と改竄歴史書の作成 → 5.閨閥、宦官、官僚など皇帝側近の跳梁 → 6.秘密結社の乱立と農民反乱の全国化 → 7.地方軍閥の中央侵入 →8.1へ戻る
    まさに。

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著者プロフィール

憲政史家

「2023年 『これからの時代に生き残るための経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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