カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生

著者 :
  • 扶桑社
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本棚登録 : 993
感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594068707

感想・レビュー・書評

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  • ずーんときました。唯一無二だな。すっごい笑えるけど、すっごい笑ってる場合じゃないし。「笑えるよー」っていうことで自分とは無関係であるかのように主張したくなるような、そんな作品…。
    しかしほんとに、読むとヘビーだし残酷だけど、あるあるだし笑って生きてくしかないのである。あとがきにもあるように、上から目線で馬鹿にしてるわけじゃなく(渋谷直角だって、彼らを馬鹿にできるほど食ってはいけてないはずだ。もちろんいい意味で)そういうのも人生の一部としてあるよねー、というやさしさ。
    金持ちになりたい、とかよりもさらに複雑な「優位に立ちたい」「カリスマ性をもってみんなから憧れられたい」という恥ずかしい気持ちのあるなしではなくて、その気持ちを持ってながらどう生きるか、で品性が問われるのかな。
    Yahoo!知恵袋は嫌いです。全員正論で、自分の正しさを振りかざして恥じない精神がなんか醜い。こういう感性が好きです。

  •  前に読んだエッセイ集『直角主義』がなかなか面白かった著者(ライター兼マンガ家)による、今回は全編マンガの単行本。
     買おうかどうしようか迷っていたところ、町山智浩が絶賛していたことに背中を押され、ゲット。

     元は、「ゲリラ的に手売りしていた自主制作のコピー漫画」(印刷会社を経由せず、自分でコピーして作った本)だったもの。それが評判を呼び、描き下ろし作品も含めて正規の単行本化に至ったのだ。

     著者はプロパーのマンガ家ではないから、絵柄はヘタウマ風ではあるが、なかなか捨てがたい味わいがある。

     収録作品は表題作のほか、「空の写真とバンプオブチキンの歌詞ばかりアップするブロガーの恋」、「ダウンタウン以外の芸人を基本認めていないお笑いマニアの楽園」、「口の上手い売れっ子ライター/編集者に仕事も女もぜんぶ持ってかれる漫画 (MASH UP)」の全4編。
     ほかに、「テレビブロスを読む女の25年」という見開き2ページのマンガもオマケについている。

     各作品のタイトルだけでご飯が3杯いけるくらいの味わい深さ。これらのタイトルを見て「ピンときた」人たちにとっては、期待を裏切らない内容といえる。

     帯には、「自意識の不良債権を背負ったすべての男女に贈るサブカルクソ野郎狂想曲!!」というスゴイ惹句が躍っている。この惹句も秀逸で、内容を的確に表現している。

     サブカル者のハシクレとして、またライター業界の片隅に身を置く者として、身につまされることこのうえないマンガ。

    《「オレさ…劇団辞めて群馬に帰るんだ…」
    「オレも…ライター辞めて親父の土建屋手伝うことにした」》

     などというセリフの一つひとつが、心にヒリヒリと痛い。
     個人的にいちばんヒリヒリしたのは、「口の上手い売れっ子ライター/編集者に仕事も女もぜんぶ持ってかれる漫画 」。主人公の駆け出しライターの挫折が、まったく他人事ではない。
     「かけだしのライターどころか…かけ出すことすらできなかったな…ハハ…」というモノローグに胸打たれた。

     各主人公の部屋の本棚やCD棚の中身(一つひとつ作品タイトルやアーティスト名が書かれている)などのディテールまでがよく練られていて、いちいち楽しい。

     かなり読者を選ぶマンガで、本作の世界に「縁なき衆生」にはまったく面白くないだろう。
     しかし、元と現役の別を問わず、サブカル者なら必読という感じ。

  • なんとなーく借りたけど、大当たり!90年代に思春期を過ごし、クリエイティブなことができないヤツはカスだ!ばりに脅迫されてきた同世代には、是非読んでほしい!それは時代に刷り込まれた強迫観念なのかもしれない。

  • 夢追い人を「これでもか」と冷徹に滑稽に表現したゆるゆる悪意マンガ。

  • 表題作について、自分も似たような想像をしたことがあるので我が意を得たりという気持ちで楽しく読めた。

  • しまおさんご推薦の毒書。
    こじらせたちの跋扈を救いなく描く。
    読む私たちもこじらせでありワナビであるので、はっきりいって陰惨な気分にしかならない。
    こんなブーメラン効果を誰が得をするのか。
    この描き方、この視点は究極にして最強。
    完全黙殺するか、「この本ホント痛かったよーw」とレコメンドするか、せずにはおられない、そして推薦するという行為自体が「オレわかってる」アピにつながる、無限循環。おお。

  • 今のサブカル界のトレンドはこういう本を読んで「あれ超おもしろいよねー!もう読んでて自分に超刺さったw」とか言うこと。と感じた自分も、それと同じ穴の狢なのでなんていうか喜怒哀楽のどれにも当て嵌まらない気持ちに襲われました。所々男性目線だなーと感じるところがあったので、男性の方がよりしっくりくるのではないでしょうか。

  • 近所の本屋で売ってなかった・・・

    にしても、痛い。痛い。痛い。
    いろんなところにいろいろ刺さってとにかく痛い。

  • おやすみプンプンを愛読してる男女が次々と惨殺される漫画です。

  • 他人事のような感じで俯瞰的に読んでるけど、よくよく考えたら誰にでも当てはまりそうな人生って感じの本。人間の嫉妬、強欲、挫折の紆余曲折な一人の生き様が書かれてる。

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