狙われた女 (扶桑社ミステリー)

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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594070663

感想・レビュー・書評

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  • ケッチャム苦手意識を克服しようと読んでみたが、抵抗なく読めた。3編収録中一番よいと思ったのが実は彼の作品で、このストループものの短編集は、邦訳されるといいなー。オチがあまり好きではないけど、キレがよかったレイモンの短編、SF要素と謎ときが面白くて、最後はニヤリとさせられたエドワード・リーの中編もよかった。ただスプラッターの部分は斜め読みになってしまった...。

  • 職場の女性を銃を手にした暴漢が襲う…という冒頭の設定を踏襲した三つの短編をジャック・ケッチャム、リチャード・レイモン、エドワード・リーの三人のホラー作家が競作。

    ジャック・ケッチャムの『シープメドウ・ストーリー』は、自身の若い頃の不遇の経験を下地にした作品。ケッチャムというと『オフシーズン』『隣の家の少女』などに代表される真っ黒な作品が多いが、この作品は異色の作品だろう。

    リチャード・レイモンの『狙われた女』は、スプラッター・バイオレンスとアクション満載の作品であり、三作の中では一番面白かった。謎の男に追い掛けられる恐怖…リチャード・レイモンは『殺戮の「野獣館」』に代表される殺戮シリーズしか読んでいないが、この作品も同じ系統の作品。

    エドワード・リーの『われらが神の年2202年』は、面白いことにレイモンの『狙われた女』をパロディである。『狙われた女』の主人公シャロンが宇宙船の中で再び主人公を演じるSF仕立ての作品になっている。エドワード・リーは初読みの作家だが、ケッチャム、レイモンの大物と並ぶと引けを取る。しかし、実力はありそうな作家だ。

  • 「隣の家の少女」という不動のトラウマ読書体験を植え付けてくれたケッチャムが、仲間と同じテーマで挑んだときいて、やっほうと飛び込んだはいいものの、個人的にはあれ、って感じ。

    まあ、あとがきを読むとやんぬるかな、なんだけど、レイモン&リーの作品はまさにの期待通りで、与えられた出だしからの枝分かれの展開だったから。花形のケッチャム作品がいちばん、あれあれ?だったのでね。うーん、売れっ子作家になると、まあその原稿をいただくのがメインになるのかなあ、とか考えちゃった。

    レイモン&リーの作品は、いずれも素晴らしかった!
    レイモンのそれは、まさに不条理劇をみるようで、特にヒーローの出現からヒールの復活まで、これだけで映画になるのでは、と思うような出来栄え。
    あたしはエロの部分はあまり意味がないとおもったけれど、たしかに妄執でもないとそうか、この殺人の意味はないのかも。
    リーの作品は、展開の素晴らしさ、フーダニット、あるいはワイダニットいずれもたっぷりと読ませて、しかも最後にそこか!と、完全、あたしを含むある種のフリーク達のハートを鷲掴みでしたね。単語ひとつでネタバレというか、最後の二段階の加速度gを減速させちゃうのでここでは言わないけど。

    リーのそれが特に、かなり痛めのグロ含むなので人によっては勧められないのが残念だけど、そっち系ありの方には、この夏の読書として、大推薦です。

  • どの話も面白かった。なかでもエドワード・リーの中篇がお気に入り。

  • スプラッタホラーアンソロジー、ということだけど。思ったほどでもなかったかも? サスペンス色の強い作品と、SF作品という感じ。たしかにスプラッタもあり、恐怖感もありですが。しかしそれにしても、ほぼ同じシチュエーションからこれだけ違う物語になるのですね。
    お気に入りはリチャード・レイモン「狙われた女」。息をもつかせぬサスペンス感が見事! 襲撃者がどこから襲い来るか、というスリリングさがたまりません。

  • 予定調和というか驚きは少ない。
    電車でチラ見はされたくない系。

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著者プロフィール

ジャック・ケッチャム(Jack Ketchum)
1946年11月10日 - 2018年1月24日
ホラー作家として知られる。ボストンのエマーソン大学で英文学を専攻。卒業後は俳優、教師、営業、ライターなど様々な職業を経験するが、ヘンリー・ミラーの出版エージェントをしていたことはよく知られている。1981年『オフシーズン』で作家デビュー。1994年”The Box”で、ブラム・ストーカー賞短編賞を受賞して以来、多くの受賞歴がある。2015年にはブラムストーカー賞生涯功労賞を受賞。代表作に、実在の事件を元に、映画化もされたモダンホラー『隣の家の少女』。
(2018年5月10日最終更新)

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