願わくは、鳩のごとくに (扶桑社文庫)

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594070908

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  • 著者は、ドラマ「北の国から」の演出家。50歳の時に妻を癌で亡くした著者は、57歳の時に30歳下の女性と結婚する。そして、57歳で第一子、60歳で第二子、63歳で第三子を授かる。本書は、そのような筆者の人生を自ら描いたもの。著者は、1943年生まれ、本書の初版発行が2010年のことなので、筆者67歳の時の本である。書名の「願わくは、鳩のごとくに」だが、鳩は再婚はするが、つがいの間は決して離れないと言われており、「願わくは、鳩程度にはなんとかしたい、と思う」という筆者の想いを表している。
    奥様が傑物。大学の数学科を出たのち銀行に勤めていたのだが、著者と付き合っている時に銀行を辞めてしまい、きちんと受験勉強をした後、医大に進学し、医師になってしまう。その他、奥様の傑物ぶりを示すエピソードは、事欠かない。
    とても面白く、かつ、じーんと来る物語だ。

    私は本書を自分自身の体験と重ねて読んだ。
    私が妻を同じく癌で亡くしたのは48歳の時。タイ勤務中にタイ人の女性と再婚したのが52歳の時で、子供が52歳の時と54歳の時に生まれている。この二人の子供と、最初の妻との間の子供とは、25歳以上歳が離れている。私と妻の歳の差も、30歳とまではいかないが、かなり大きい。
    筆者が本書に書かれている色々な場面での色々な気持ち、想いには共感する部分が多い。奥様やお子様とのエピソードの中に、筆者のしみじみとした喜びや楽しみが感じられる。
    それは、よく分かる。それは、幸福であり、奥様やお子様に対しての感謝の気持ちだ。
    妻を亡くし、前の妻との間の子供たちが独立してしまった後、今の妻と出会わなかったら、私は今でも一人で暮らしている可能性は大きかった訳で、その寂しさに耐えられるかどうかは、あまり自信がない。 

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