スナイパーの誇り(下) (扶桑社ミステリー)

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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594071660

感想・レビュー・書評

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  • さすが、スティーブン。

    シンクロする現在過去
    を交互に場面転換して、

    ひとつのシーンを視点
    を変えて輪唱すること
    で、

    複雑なプロットを無理
    なく理解させます。

    美貌の狙撃手と彼女を
    助ける男たち。

    その並み居る魅力的な
    登場人物たちの個性。

    第二次大戦の東部戦線
    における惨たる戦場の
    数々。

    闇のなかで蠢く現代の
    国際テロ。

    そして最後に待つ最高
    のロマンス。

    おもちゃ箱をひっくり
    返したような内容を、

    全く散らかすことなく
    感動的なラストに収斂
    させる筆致は、

    世界的ベストセラーの
    なせる技ですね。

    捕虜と敵軍将校として
    出会うミリとカール。

    そこで交わされたごく
    短い会話。

    二人が恋に落ちたその
    瞬間にグッときました♪

  • ハンターもボブと同じ68歳なのかぁ。スワガーサーガもっと読みたいなぁ。白い魔女の”ミッションを成すだけ”という諦観にはハラハラ。でもこれが活きてくる往年の冒険小説のテイストも味わえ大満足です。面白かった!

  • 前作「第3の銃弾」が上手いことツボにはまったのか、同じ路線で来ましたね。
    今度は第2次世界大戦時のソ連のスナイパー、愛称「ミリ」、恐るべき狙撃技術から「白い魔女」と呼ばれた女性が第2の主役。
    歴史に埋もれた最後の狙撃が今、スワガーに依って白日の下に晒される。
    導入部はいいです。スワガーの事件の関わり方が相変わらず弱いとは思いますが。
    「白い魔女」はいったい誰を暗殺したのか?成功したのか?失敗したのか?70年前の狙撃を解き明かすことが、何故現在のスワガーへの妨害に繋がるのか?
    この辺が解き明かされていく様は、実にスリリングです。
    話が現在のスワガーに、1944年のウクライナに、ドイツに、ソ連に、と目まぐるしく変わるのですが、意外と読み易い。
    極端な場合、2~3頁で場面転換してしまうのですが、同じ謎を追う形になっているので話が繋がるんですね。
    スワガーの銃撃戦よりもミリの狙撃の方が面白い、と言う逆転現象が起きてしまっていますが。
    老スワガーが無理やり事件に巻き込まれるよりは上手に話が展開します。まぁ、面白ければ何でもいいですが。珍しくハッピーエンドですし、後味はいいです。
    この調子で次回作もお願いします。

  • 失礼しましたーっ!ボブ・リー、おじいちゃんになっても面白いです!!やっぱりスナイパーとして深く描かれるところに良さがあるんですね。現在と過去にまたがる陰謀の交錯具合、スナイパーとして「白い魔女」の活動を解き明かしていく様子、最高に面白かったです。2015/10読了。

  • 前作に続いて過去と現在を交互に書いていますが混乱することも無く読みやすかったです。
    『先生』の正体には驚きましたが存在すら消された女性狙撃手が生き延びてハッピーエンドだったのは幸せな終わり方で良かったです。
    ボブ・リーの活躍はあまり有りませんが過去の出来事がその分をカバーしてハラハラドキドキさせてくれました。

  • 前作「第三の銃弾」が好評だったからか、今回も過去の狙撃事件とのクロスオーバー。JFK暗殺と比べるとスケールとしては見劣りするものの、ストーリーは緊張感に溢れている。またドイツ軍内にも誇り高き武人がいたという設定は目新しいものではないが好感が持てる。とはいうものの、その分現代のストーリーでのボブの活躍が少なく不満は残る。しかも最後の最後に直接的明記はないものの勝手に個人的判断でスナイプしちゃってますけど、立派な犯罪ですよ!?ということで少々評価は低め。

  • ロシアの女性スナイパーの足跡を辿る話。その下巻。
    スナイパーのミリはナチス高官の暗殺を命じられ、ウクライナに潜入するが、本国高官の裏切りに会い、殲滅されかける。しかしスナイパーとしての執念により不可能に思える暗殺を実行する。
    対して、過去の真実に到達しようとするスワガーたちにも真実の解明を阻む輩が立ちふさがる。

    そんなバリバリのアクション大作。
    最後に全ての糸が繋がり、ハッピーエンドにするのは見事。

  • スワガーサーガ、久しぶり!
    でもさすがにちょっと質が落ちてるなぁって感じします。

    70年前の武器、使えるか?錆びるやろ湿気るやろ。どんだけの保存状態やねん、とか
    ウクライナなんとか谷の村人たち、その伏線使ってないやん、とか

    映画かドラマを狙ってるっぽい演出だろうなぁ、確かにそれはそれで良いのだけど、WW2当時の話に特化させて、ボブが出てくる現代劇はなしで良かったんじゃないかなぁ。

    カメオ的に最後だけちょっとオーストラリアで…とか、そんなんの方がファン心理くすぐられたように思うけどなぁ。

    良くも悪くも大味なアクション小説です。

  • 現代の悪役が弱くて、ヒリヒリする緊張感には欠けるが、70年前と現代のストーリーが交錯する語り口は安心して楽しめる。
    しかも途中の伏線から期待できる通り、強引なハッピーエンドまでつけてくれてサービス満点。
    年寄りは元気だ(^^)

  • 最初は「何でスワガーがWW2時代の、しかもロシアのスナイパーを調査せなアカンねん」って思ったのだが、下巻のラストで答えを導き出したところがスティーブンハンターの上手いところだったな。上下巻で一気読みするくらいに面白かった。個人的には作風は違うが、極大射程より面白かったかもしれないな。

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著者プロフィール

Stephen Hunter
スティーヴン・ハンター

1946年ミズーリ州カンザスシティ生まれ。
68年ノースウェスタン大学卒業。
71年ボルティモア・サン紙に入社。
書評担当などを経て映画批評担当になる。
96年ワシントン・ポスト紙に転じ、
映画批評部門のチーフとなる。
2003年ピューリッツアー賞(批評部門)を受賞。

「2022年 『囚われのスナイパー(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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