黄泉醜女 ヨモツシコメ

著者 :
  • 扶桑社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594073060

感想・レビュー・書評

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  • 実際の事件をベースにした作品。
    登場する官能小説家は自身を投影したキャラクター。キーワードとなる「春海さくら」自身の心情はなく、関連する人物に焦点をあてているのですが、それぞれのドロドロした印象が渦巻いている感じで一気に読みました。嫉妬がテーマ。

  • この『春海さくら』って、あ~、あれか!あの婚活サギ女・・・名前なんだっけ?(とググる)そうそう!これは、あの〈首都圏連続不審死事件〉で4人以上の男性を死に追いやったとされる木嶋佳苗被告に着想を得て書き下ろされた小説なのね~。
    著者の花房さんはインタビューで「あの事件を初めて知ったとき、まず『私はこの女よりまし!』と叫びそうになりました」と語ってるけど、私もそんな風に思いました・・・「これなら私もまだまだイケるんじゃん?」とw
    花房さんは事件そのものより「これほどまで多くの女性があの事件に夢中になった、という現象のほうに興味をそそられました」とも語っています。
    そして、これまた著者自身をモデルとしたような『桜川詩子』が書き下ろすために、フリーライターの『木戸アミ』と一緒に取材します・・・そんな女たちの内に秘めた嫉妬や欲望、歪みや捩れとは・・・?

    女は・・・存在自体がホラー、なのかもw

  • 2015年、36冊目は花房観音の新刊。

    あらすじ:女流官能作家、桜川詩子はフリーライターの木戸アミからの誘いで、婚活連続殺人で死刑判決が出た、春海さくらの取材を始める。

    自らも女流官能作家である、花房観音が、木嶋佳苗の婚活連続殺人を下敷きに描いたもの。各章異なる視点で描くのは、『女の庭』にもあったパターン。その六人の女性を通して語られるのは、女の「欲」「嫉妬」「業」。この辺のテーマはこの方が得意とするトコロだろう。そして迎えるのは意外なエピローグ。このエピローグ、キャラ変してるんじゃない(?)的印象もあるが、「一般的価値観とは」みたいでけっこう好き。

    性描写、官能場面はそれほどありません。二十代後半以上の女性に読んで欲しいかな。

    個人的に評価、★★★★☆は妥当。

  • 男が読む本じゃないな。
    かと言って、女にも読んで欲しくない。
    でも面白い。
    ある意味、とてもエンターテイメントな作品。
    それも「負」の。
    お金と時間を費やして、恐怖や実世界で認められない欲望を仮想体験するのは、勿論それが現実では困るから。
    これを真剣にとらえず、作品、フィクションとして楽しんで読める人にだけ読んでほしい。
    自分自身がそうであるかは甚だ疑問だけど。

  • 木嶋佳苗をなぞったような、小説。
    恨みや妬み、嫉妬が前面に押し出されている。

    花房さんの書きたいテーマがしっかり表現されていました。

  • 昔知人の知人が自分は太っているから、童貞しか相手にしてくれないと泣いたのを思い出した。
    幸せとは何なのかを考えさせられると同時に女のそら恐ろしい感情が見れて面白かった。

著者プロフィール

兵庫県豊岡市生まれ。
京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、2010年に『花祀り』で団鬼六賞を受賞しデビュー。男女のありようを描く筆力の高さには女性ファンも多い。
著書に『寂花の雫』『花祀り』『萌えいづる』『女坂』『楽園』『好色入道』『偽りの森』『花びらめぐり』『うかれ女島』『どうしてあんな女に私が』『紫の女』など多数。
現在も京都でバスガイドを務める。

「2020年 『京都に女王と呼ばれた作家がいた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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