午後には陽のあたる場所

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594073930

感想・レビュー・書評

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  • 著者、菊池桃子さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    菊池 桃子(きくち ももこ、1968年〈昭和43年〉5月4日 - )は、日本の女優、歌手、タレント、大学教員、ナレーター。ヴァイサイト(Weisheit。個人事務所)所属。

    1984年にアイドル歌手デビューしたとのこと。
    著者がアイドル歌手だったことは知っていますが、1984年当時は、私は23歳位になっており、残念ながら、アイドル歌手に熱を上げる年齢を過ぎていました。

    著者は、現在、テレビ番組、「人生の楽園」のナレーターを務めています。
    したがって、私にとっては、同番組のナレーターという方が、しっくりきます。

    で、『午後には陽のあたる場所』の内容は、次のとおり。(コピペです)

    コンプレックスだらけの元スーパーアイドルが、今では客員教授として教壇に立っているという。
    彼女に何が起こったのか。
    ひとりの女性としての、シングルマザーとしての、苦悩や葛藤、出会いと別れ。
    そのすべての想いが、いま初めて明かされる。
    菊池桃子、初の著書。

  • ふんわりとした雰囲気をまとい、おっとりと可愛らしい声で話す彼女の
    いったいどこにこんな強さとエネルギーが隠されていたのか。。。
    読み進めるほどに、曖昧だった菊池桃子という一人の女性の輪郭が
    くっきりと浮き出てくるようでした。
    生い立ちから芸能界デビュー、結婚・出産・離婚を経て
    大学教授というキャリアを得るまでの半生が
    率直に語られています。
    どんな困難にぶち当たっても、自分を憐れんで悲しむのではなく
    まっすぐに社会のシステムの不備に立ち向かおうとする彼女の活躍を
    これから期待を込めて見守りたいと思う。

  • 菊池桃子さんは、いくつになってもかわいいし、お金にも不自由せず、楽しく幸せに暮らしているのだろう、と漠然と思っていて、それには間違いはないと思うが、それだけではなく、たくさん苦労もして、その上で現在の彼女があることがわかった。

    桃子さんは、テレビでみて「ふわふわ」「天然」といったイメージを持っていたが、実際はしっかりと芯を持った自立した女性なのだとわかった。

    一番印象的だったのは、大学院生活。
    娘に障害があり、学校選びに苦労した彼女は、「こんな社会はおかしい」と考え、たまたま出会った先生の導きにより、法政大学の大学院で学びます。
    私は、正直、桃子さんがこんなに勉強して、単位を取ったと考えていませんでした。
    桃子さんは、すごい努力をして、大学院を優秀な成績で修了しました。

    この本を読んで、いいなと思ったところは、桃子さんが「すべてのことをよかった」と言っているところです。
    離婚などネガティブにとらえてしまいそうなことでも、桃子さんはいつも前向きにとらえているところです。
    これからも、頑張っていってほしいなと思っています。

  • 著者がどのようにアイドルになり、母となり、大学教員となったのか。その軌跡と過程で得られた経験を私たちに助言として伝えてくれています。

    これまで歩んできた人生を「轍」に例えていますが、どんな轍を残すかよりも、どこに向かっていくかが大事なんだと思います。向かっていく先がハッキリしていれば、振り返ったときに轍がどんなに曲がりくねっていたとしても自分の人生に誇りを持てると思います。

    著者は「この本が、ご自分のキャリアについて考えていただく一助となれば」と書かれていますが、「仕事のキャリア」という狭い視野ではなく人生のキャリアについて考えたくなる、そしてその時に大きな勇気を与えてくれるような気がします。

    個人的に著者のおばあちゃんの口癖だった「良くなってきた」という言葉がとても印象的で、誰かを教える立場の人(親であったり教師であったり上司であったり・・)にとってとても大切な言葉だと思います。

  • おばあちゃんの言葉(褒めかた)が印象深い。褒めながらも成長を促す素晴らしい言葉(良くなってきたね)です。

  • 元アイドルの著書ということで、タレント本とカテゴライズされていたが、内容は教育者という立場で書かれていることが多く、タレント本とは違う。
    障がいのある娘の母親である彼女は、障がいを持つ子供が教育機関に受け入れてもらうことの大変さを経験し、そこから障がい者サポートの勉強を始める。
    そして、現在は教育者として活躍している。
    とてもエネルギッシュで行動力があり、素晴らしいと思った。
    育児に関しても参考になる内容だと思う。
    特に、彼女がお祖母さんからかけてもらっていた魔法の言葉が印象深い。
    「桃子は良くなってきたね」
    「桃子、前よりよくなってきた」
    と言った言葉は、彼女をやる気にさせた。
    それは、褒められると同時に「まだ良くなる可能性」を示唆しているからだ。
    また、テストでひどい点を取った時にも、お祖母さんは「桃子、良くなってきたね」と言った。
    テストに慣れてきたから、緊張がとけて注意不足から失敗したのだけれど、緊張しなくなったのはいいことだよと。
    そんな祖母の褒め言葉で、努力をするようになったのかもしれない。
    内省的で堅実な彼女の姿勢からは学ぶことが多くあった。
    私も自分のキャリアについて再考しなければと思った。

  • 菊池桃子 著「午後には陽のあたる場所」、2015.12発行です。今年49歳になる菊池桃子さんの半生記、とても前向きに生きて来た轍(わだち)(キャリア)の跡でしょうか。結婚よし、子供の誕生よし、離婚よし と。そしてキャリアカウンセラーとの出会いが素晴らしい教授との出会いにつながり、修士課程修了、教育助手、母校の短大に教授ととして凱旋?w、菊池先生(雇用政策関係)として教壇に立っているそうです!

  • 菊池桃子さんの自伝的エッセイ。最近は教育政策の中でお名前を聞く事が多かったですが、その理由はこの本でわかりました。努力される方なんですね。
    ただ、後半はその努力の話題がメインになってしまったので、それまで共感できてた内容の印象が薄れてしまう構成に感じられた点がちょっと残念でした。

  • 全体的に踏み込みが中途半端な感じはしますが、著者の過去はともかく、大人になってからの自己啓発、障害者教育の実態を読者が拾えればいいというのが意義なんじゃないかと。キャリア=ラテン語の轍で、それを刻む車輪は「車輪の下(で)」の車輪と同じなのでしょうか、と「車輪の下(で)」を読んでいない私は思うのでした。

  • 大学院卒業後に母校で教鞭をとるという著者に、以前から興味を持っていました。ワイドショーなどで取り上げられていたことと少し違い、内容はどちらかというと現在の教育者としての著者と、そこに向かうまでの姿が中心に描かれています。行動的で学ぶことが好きで、決めたことはやり遂げようという信念を持つ、とても強い方に思えました。それでいて人情味のある、ご本人曰く「肝っ玉かあさん」という面もうかがえ、イメージとのギャップが面白かったです。私も著者に触発されて、学びなおしたくなってしまいました。プロローグにある「キャリアは轍」という言葉に励まされました。「今日立ち止まって、過去を見ることより、これから地面に刻むであろう明日からの轍を考えて、目標を描く」とあります。読んで本当に良かったと思いました。

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