日本会議の研究 (扶桑社新書)

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著者 : 菅野完
  • 扶桑社 (2016年4月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594074760

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日本会議の研究 (扶桑社新書)の感想・レビュー・書評

  • (個人的な感想)

     先日終わった伊勢志摩サミット、消費税中止、オバマの広島訪問も、支持率を上げ、憲法改正、大日本帝国へと還るステップ。(各国首脳に伊勢神宮を参拝させたのは、文化観光スポットの意味合いよりは、上記文脈に色濃く従う。)
     この本を衆参選挙前に読めば、憲法改正と大日本帝国回帰を目指すカルト政権の是非を判断する参考になる。

     なぜ「美しい日本」というと、大日本帝国に戻りたがるのか不思議だったが、この本によってやや解消された。また、日本会議周辺に、庵野監督の「大日本戦隊」のような滑稽さがある理由が少しわかった。
     トランプの滑稽さを笑っているうちに、アメリカ大統領になる可能性も現実味が出てきた。日本も時代錯誤なカルトやカルト右翼が政権を立て、憲法改正し、漫画のような大日本帝国回帰を現実のものとしようとしている。
     議論を深め、中枢の権力基盤にまともな知性とバラエティを持たせなければ、お笑い漫画のように亡国してしまうだろう。childishな思考停止、形式的な儀式の繰り返し、全共闘のリア充憎し、内実は老人会でありルーツはラジオの落語・漫才がブレーンなのだとすると。

     ただし、本書について内容的には「生長の家」に偏っている印象。(神社系からもらった紙が、国粋ぽい表現だった事があるけど、)たとえば神社本庁とかその周辺は大丈夫なんだろうか?ほかにも影響のある団体や、ダイナミズムを生む仕組みや背景があるように思った。

     敗戦によって失われた父権。戦後、こわれた家族制度や生き血の流れなくなった村コミュニティ。受け皿となった都市部を中心に、失われた制度を模倣し穴埋めを求めた人々によって、カルト宗教が乱立繁栄した。そして、戦後70年、それらは政権の中枢を担うまでになった。
     GDPや経済効率中心で、インセンティブやトレードや虚業に精を出し、政は主に富の分配機関としてだけ利用し、市民としての良心を養わず、義務を疎かにしてきた結果ではある。

     ここは、多くの市民にとって、乗り越えなければならない、暗い時代に向かう途中だろうか?天から降ってきたマナのように享受し、貪っていた自由や権利の灯がひとつひとつ消されていくのだろうか?

    (↑20世紀末には、黒澤明「夢」だって、んなわけあっかでゲラゲラだった筈が、次世紀になってみると、そうでもなくなった。国政においては、カルト政権誕生という笑えないお笑いなオチに落ちっててるので、これぐらい悲観を並べとくぐらいで丁度いい。)

  • 安倍さんの使う「左翼」という言葉の特殊な用法の理由がわかったように思う。

    しかし現閣僚の皇室軽視との関連が今ひとつ不明。

  • 元々ジャーナリズムの世界に属していないにもかかわらず(だからこそかもしれないが)、これぞ調査報道という内容をまとめ上げた筆者に敬意を表したい。

    また、本書が岩波でもなく、朝日新聞でもなく、扶桑社からであるのも驚きだ。

    現在日本の「右傾化」と呼ばれている文脈は戦前の「右翼」とは文脈が異なっていると考えてきたが、謎が解けた感じである。しかし、一宗教の原理主義分派セクトによって政権が支持、維持され運営されているという事実は背筋が凍るし、キリスト教原理主義に支配された米国議会を笑ってもいられない。

    今のこの国を考える上での非常に重要なテキストの一つであり、主義主張に関係なく手にして読んでほしい。

  • いかに安倍政権が『偏った団体』に依存しているか。
    学生運動の気分をまとったまま、活動を続ける彼らには呆れを通り越して感心さえ覚えた。
    ネットでよく見かける日本会議なるものについて、ここまで綿密に記された本は珍しい。
    所々に痛烈な皮肉もあり、かなり楽しく読み進められた。
    森友問題に通ずる記述も少しある。

  • 抜群の面白さ。日本の将来は暗いと改めて感じる。

  • 高校時代に立花隆の『中核VS革マル』(講談社文庫)を読んだ時と同じ面白さがあった。

  • 2017/08/22:読了
     あまり印象に残らなかった

  • 1.緊急事態条項の追加
     非常事態に際し、「三権分立」「基本的人権」等の原則を一時無効
    化し、内閣総理大臣に一種の独裁権限を与えるというもの。
    2.家族保護条項の追加
     憲法13条の「すべての国民は、個人として尊重される」文言と、憲法
    24条の「個人の尊厳」の文言を削除し、新たに「家族保護条項」を追加
    するというもの。
    3.自衛隊の国軍化
     憲法9条2項を見直し、明確に戦力の保持を認めるというもの。

    安倍晋三のブレーンに名を連ねる伊藤哲夫が代表を務める「日本政策
    研究センター」がセミナーで公表した憲法改正のポイントである。

    自衛隊の国軍化よりうすら寒いのは、その前の2項目だ。これは改憲の
    レベルを遥かに超えている。

    期せずして熊本震災後、菅官房長官は定例の記者会見において大規
    模な自然災害が発生した時の為に緊急事態条項が必要だと述べた。
    災害対策基本法で十分に対処できるのに…だ。

    近年、正体不明な不気味な怖さを感じている。大きな要撃ではなく、
    じわじわと追い詰められているような怖さだ。

    私が生まれ育ったこの国は、どこへ行ってしまうのだろうという怖さ。
    安倍政権になってその怖さが顕著になった。そこで聞こえて来たの
    が「日本会議」なる団体の名前だ。

    本書は安倍政権の陰に見え隠れする日本会議の成立過程や、本流
    を遡った秀逸な調査報告だ。

    「生長の家」まで遡り、日本会議を取り巻く人々、関連団体とその主張
    するところを綿密に描いている。

    日本会議は多くの関連団体を通じて「草の根運動」と見せかけて賛同者
    を増やしている。

    「新しい歴史教科書をつくる会」「北朝鮮拉致家族を救う会」「北朝鮮拉致
    家族を救うブルーリボンキャンペーン」「港区から日本をよくする会」
    「美しい日本の憲法をつくる国民の会」等々。

    正体を知らなければ賛同したくなくような名称が並んでいる。特に北朝鮮
    による拉致被害者の為の運動なのだと思ったら、まんまと騙される。

    薄気味の悪さは大本の正体が見えないことだ。調べれば日本会議に連な
    る団体だと分かるのだろうけれど、そこまで調べようとする人がどこまで
    いるかだ。多くの人は裏を読もうとはしないだろうな。

    そうして、冒頭に記した改憲ポイントを公表した日本政策研究センターの
    伊藤哲夫は、日本会議と共通する「生長の家」に連なる人物である。

    70年代の学生運動の際に、民族派と言われた学生たちが社会人になり、
    「左翼憎し」の恨み言を唱えながらあまり賢くない政治家たちのプロモー
    ター役を務めているって感じだな。

    安倍晋三を筆頭に、政権与党の政治家センセイたちの言動の幼稚さには
    頭が痛くなるんだが、政治家が幼稚であればそれだけブレーンとしては
    操りやすいのかもな。

    それにして本書の著者は個人でよく調べ上げたものだ。資料に当たるのは
    勿論、本書に登場する人物を知る人からも証言を取っている。本来であれ
    ば新聞などの大手メディアが調査報道してもいいくらいなのだけれどね。

    残念なのは校正がずさんなのと、掲載されている図表が小さいこと。

    メインテーマとなっている日本会議周辺から出版差し止め請求が出ている
    せいか、売れてるようで私の手元にあるのは既に2刷り。大手書店では
    「お一人様1部」と数量限定をしているところもあるとか。

    そう言えば蓮池透さんが「家族会は救う会に乗っ取られた」と言っていた。
    その「救う会」には在特会が入り込んでいるらしい。在特会も日本会議
    と関係があるんだよね。

  • 現在の政治風景の背景を垣間見たかと。
    内閣改造しても衛藤補佐官いる限りなんも変わらんわw

  • 今をときめく日本会議も、その中心には生長の家原理主義ともいえる宗教があり、安東巌という学生運動の闘士がいまだにその運動の支柱としてありつづけているとのの分析。取材の様子も含める形で書かれ、結論に迫っていく形になってるのは臨場感があり、読み物としても面白い。


    安倍政権と生長の家のつながりを3つのラインにまとめている。

    1 椛島有三グループ
    日本青年協議会(書記長椛島有三)は、長崎大学で左翼に勝利した運動からできた全国学協のOB組織。日本会議と同じフロアに入っていてその事務をも取り仕切っている。ここから脱会した早瀬善彦氏の証言によると、天皇を崇拝するカルトのようなものだとか。
     各種活動の裏側に見える百地章、高橋史朗などの「一群の人々」もこのグループ。

    2 伊藤哲夫グループ
    日本政策センター代表の伊藤哲夫は、安倍の私的ブレーンになっている。5月に突如9条への自衛隊追記を提案するなど、ころころ変わる改憲目標はここの発案。
    狙いは改憲でなく反憲、現行憲法を破棄し明治憲法を復活させることだという。

    3 教団グループ
    生長の家の創始者を崇拝する「谷口雅春先生を学ぶ会」を中心とする生長の家原理主義運動。稲田朋美、籠池泰典などが属する。

    これらの運動に活力を与え実質的に率いているのが安藤巌というカリスマで、その学生運動のころの同志がそのまま活動し続けているという。
    政権も動かすほどの力を持ちながらその中心は学生運動をいまだに続けている1人にすぎないというのだ。
    この黒幕説は、面白いがちょっとできすぎかもしれない。

    長崎大学での運動で左翼に殴られた原体験から、実現したい理想が先にあるというよりも左翼が憎い、これを倒せという否定的な動機(安倍の民進党批判を繰り返す答弁にも現れていうように見える)による運動がここまで大きくなって影響力を高めているのはちょっと恐ろしい。

    今をときめく日本会議だが、その中心人物と起源までたどると、これは恐れる必要などないと受け止めるべきだろう。
    安藤の機関紙100万部運動のためにサラ金に追われ自殺者もでたという記述のために出版差し止めになるといういわくつきの本。

  • 今の日本の政治・市民社会において隠然とした勢力を保っている日本会議。
    その内実を、徹底した文献調査、取材などから解き明かそうとするのが本書である。

    この手の議論や書籍に対してなんとなく偏見を持ってしまっている人も多いかもしれない。
    しかし、本書は(著者の主義主張が現れている部分も当然含まれてはいるが)基本的には客観的事実ベースで組み立てられていて、説得力がある。


    日本の政治や市民社会の背景・裏舞台にあるものが分かる、貴重な資料。

  • 先ず本書の内容を1000字で要約したあと、わたしの感想を4点述べて、このベストセラー本を冷静に評価したい。

     日本会議の主なメンバーは、ほとんど生長の家の学生運動出身である。最初は1966年の長崎大学学正常化闘争が出発点だ。左翼系全学連から学園封鎖を阻止して、自治会選挙で勝ったその運動は、右翼学生から全国的に評価され、、やがて「全国学協」に発展し、社会人組織「日本青年協議会」を生み、樺島有三はそのトップとして君臨し続けている。
     1970年代の元号法制化運動で、日本青年協議会は「日本を守る会」の事務局に入る。しかし靖国神社国家護持法案で失敗し閣僚の公式参拝運動に切り替える。97年「日本を守る国民会議」と統合して「日本会議」が生まれる。それをプロデュースしたのは、同じ生長の家会員の参院議員村上正邦である。靖国神社問題の核心は宗教性を保ったまま慰霊行事を行う事であり、日本会議の存立に関わるので、会員たちはは公式参拝にこだわるのである。また、「日本会議国会議員懇談会」を設立し、第三次安倍内閣では閣僚に占める割合は84.2%になっている。首相補佐官に生長の家の出身の衛藤晟一が入っている。
     安倍政権の筆頭ブレーンの伊藤哲夫(「日本政策研究センター」)も生長の家出身。伊藤の主張は「歴史認識」「夫婦別姓反対」「従軍慰安婦」「反ジェンダーフリー」。改憲の目標は、憲法9条ではなく、「緊急事態条項」と「家族条項の追加」である。
     生長の家本体は1983年に政治運動から撤退したので、それに反旗を翻した信徒たちが作ったのが、日本会議の人々である。彼らの主張は「反左翼」「反ジェンダー」で単純なので、人々が集まりやすく、かつ真面目に草の根運動(選挙前のアンケート、国会請願、署名活動)しているので、組織票目当てに国会議員も結集しやすい。また、高い事務能力も有する。そしてこれらの運動をまとめているのが、長崎大以来の古参幹部の安藤巖である。
     菅野完は言う。「日本社会が寄ってたかってさんざんバカにし、嘲笑し、足蹴にして来た、デモ・陳情・署名・抗議集会・勉強会といった「民主的な市民運動」をやり続けていたのは、極めて非民主的な思想を持つ人々だったのだ。そして大方の「民主的な市民運動」に対する認識に反し、その運動は確実に効果を生み、安倍政権を支えるまでに成長し、国憲を改変するまでの勢力になった。このまま行けば「民主的な市民運動」は日本の民主主義を殺すだろう。」(298p)

    読んで分かったことは二つ。ひとつは、彼らの主張の貧弱さである。脱退会員が言うようにカルト宗教だろう。理論的でないから様々な人々が結集できるとも言える。伊藤哲夫の作ったレジュメを見ても穴だらけだ。そしてもうひとつ、日本会議の歴史はよく分かった。
    分からなかったことは二つ。菅野氏は彼らの「市民運動」を高く評価しているが、全く「同じ事」を、めげずに、愚直に、地道にこつこつやって来たのは、当の本家の「市民運動」である事を菅野氏はどうやら知らないらしい。そして署名数でもデモ参加者でも他の数字も、いつも日本会議を遥かに凌駕しているのも市民運動なのだ。それでも「国憲に影響を与える」ところにならないのは何故で、日本会議が安倍政権下で影響を与えているのは何故か、菅野氏は分析しなくてはならないだろう。
    もう一つ。日本会議が安倍政権を利用している面と、安倍政権が日本会議を利用している面、両方あると思うが、どちらがパワーバランスで強いのか。それを見極めるのは作戦を練る上でも重要だと思うのである。

    2016年8月20日読了

  • 日本会議側から発行停止を求められたことでも話題の書。この作品は、まず「日本会議」という団体について専門的に扱ったおそらくはじめての書であるということにおおいに価値がある。かねてから指摘されていた「生長の家」や学生運動との関係も叮嚀に調べ上げ、この団体の実体をあきらかにしてゆく。前から日本会議という団体についてはいろいろと知りたいことが多かっただけに、読んでいて非常に興味深かった。また、とくに安東巖にかんする記述は重要であろう。これまでに安倍首相のブレインとして報じられたことがある伊藤哲夫などと比べ、安東の名前は聞いたことがなかったし、おそらくほかの文献にも名前が登場したことはなかったのではないか。そういう人物についても、さまざまな取材をもとにその実像を解き明かしてゆく。よくぞここまで調べてくれた、と著者には拍手を送りたい。ただ、著者はジャーナリスト・ライターとしてはまだ経験が浅いこともあり、ところどころ粗い部分も目立つ。そもそも、本書は大半が文献を漁ることに頼っていて、ジャーナリズムの基本である人物への取材があまりできていない。椛島有三については取材を申し込んだが梨の礫であるという記述があり、もしかしたらほかの人物もそうなのかもしれないが、もっと直接取材してほしかった。百地章は判例などに対して新聞にコメントを寄せることがあり、また大学の研究者という公的な立場にあることから、いっさいを取材拒否するとも思えないし、かりに拒否された場合でも、「この件について本人に取材を申し込んだが、回答を得られなかった」などの記述をちゃんとしておくことで、文章の印象はだいぶ違う。現段階では、たんにお勉強のできるお坊ちゃんの文章の域を出ていない。真のジャーナリストに脱皮するためには、そのあたりをもうすこし追求する必要があるし、そこができていれば、本書に対して★★★★★評価を与えることもできていたであろう。今度は青木理らもっと実績があるジャーナリストによる類書の刊行が予定されているので、そちらにかんしても期待したい。

  • 現在の安倍政権の閣僚の大半が日本会議のメンバーというからよほど強大な組織を想像するとまったく違うので、かつての「生長の家」に端を発した宗教的情熱に支えられたごく限られた人員がえんえんと学生運動華やかなりし70年代からうまずたゆまず活動を続けてきたのであり、市民運動的な地方自治体への働きかけ、若いメンバーの育成などをずっと続け、市民社会が民主主義をせせら笑い地道な運動をバカにし続けたあげく無力化し、まったく非民主的な主張をしているこの小規模な団体が憲法改正を視野に入れつつあるという恐ろしい皮肉が膨大な調査を経て炙り出されている。
    継続は力なりというのはいいことでなくでも成立するらしい。

  • 出版差し止めの申し入れ、というニュースで本書の存在を知り手に取りました。実はそれまで日本会議という名前さえ知りませんでした。急激に改憲が政治日程に入っている状況が理解出来ずになんとなくの違和感を覚えるだけでしたが、そのモヤモヤの源泉をハッキリ特定している本です。ハッキリはするのですがスッキリしないのは、民主主義は活動している人のものであって、傍観している人のものではないという、改めての気づきと、人の途切れない活動を支えるエネルギーは宗教体験から生まれるものである、という今更の気づきにたじろいでいるからだと思います…

  • 昨今の右傾化は安倍政権に端を発するものではなく、日本会議という謎めいた宗教団体によるものだった。

    テレビや新聞では普段あまり登場しない日本会議がいかに今日の日本に影響を与えているか本書を読めばよくわかる。なぜ日本会議が報道されないかは想像するほかないが、このような本が出版されることで少しでも日本会議の存在を知る人が増えてほしい。

    安倍氏は日本会議の傀儡だというと語弊があるが、その思想は日本会議の受け売りだ。もともとが岸信介の孫だけに親和性は非常に高かっただろう。
    宗教団体「生長の家」や、60年代の学生運動の時代に左翼の反動として民族派学生が組織した「日本学生文化会議」などなど数々の団体が登場し、日本会議の歴史が紡がれる。
    椛島有三はもとより、高橋史朗、百地章、村上正邦、安東巖らがどのように日本会議と関わってきたのか、どのようにつながっているのかが詳細な調査によって明らかにされた。
    本書の一番重要な部分は安東巖という人物に関する記述である。生長の家で宗教的体験をえた彼がこの団体を操ってきた事実はどの機関も報道していない。まだまだ裏がありそうな人物だ。
    安東もそうだが日本会議は謎に満ちている。本書の続編が待たれる。

  • 「日本会議」研究の嚆矢。文献調査、インタビューと、よく調査されていると思う。輪郭の不明だった怪しい団体がようやく姿を現してきた。

  • 墨塗りの本というものが見たくて手に取った。ここ最近、見聞きする現政権の中の人たちの言動が、なんだか悪い宗教に引っかかっちゃった人みたいだなーと思っていたら本当に宗教だった話。怖い。

  • 過去の流れから見る安倍政権

  • 非民主主義的思想を持つ人々による、民主主義的手法での市民運動。なんという皮肉。なんつうか、グロテスクだったな。

  • 日本会議という組織の「核」に迫っていく叙述は、ミステリの真犯人捜しのようでもある。かつての市民運動の手法が、日本会議による民主主義を殺す改憲運動の手法と重なるという指摘に慄然とせざるをえない。しかしこれは、市民運動的手法には力がある、ということでもあるだろう。対抗するには、やはり地道な方法しかないのではないか。ましてや、日本会議が推進するような改憲については少なくともまだ対抗するだけの余力と、社会のなかの理解が存在している現状においては。

  • 買った後で著者が女性に性的暴行したという記事を読んで、読む気なくして本棚に入れっぱなしになってた。いつまでも寝かしておいても仕方ないし読むか。

    話題になっていた割には読み応えがない本だ。政治などくだらん。
    図書館ではまだ予約待ちの人がいるみたいだし、寄贈してみようかな。リサイクルコーナーにまわるかわからんけど。

  • 基本的に古本を読み込んで書いた本。大手マスコミが手を付けなかったものによく取り組んだとは思うが、文章もちょっとあれだし、もう少し勉強しないと駄目だ。

  • ★今となっては当然に見える先駆取材★籠池問題もあって右派・日本会議がらみのトピックスは消費されつくしたように見えるが、きちんと調べたのは本書が最初なのだろう。書きぶりはやや拙い(というか盛り上げようとしてやり過ぎ)感じはあっても、地道なデータ取材が素晴らしい。取材できた人の例を長々と記しており、どれだけ普遍性があるのか分からないが、読み物としては数人を広く浅く取り上げるより面白いのかもしれない。

    しかし学生運動を経て政治活動をしていた生長の家の面々が、運動・政策・教団の3方面から、地方議会を動かしたり集会を開いたりといった手間と時間のかかる(著者曰く民主的な)活動を今に至るまで続けられた手法を知りたい。中心メンバーは団塊の世代かその上で70歳を超える。理念はあったとしても、人材は2世中心で不足しているというし、カネはどこから来ているのだろう。
    地道な活動が安倍晋三という偏った長期政権にたまたま食い込めて勢力を増したのか、逆に彼らがバックについていたからこそ安倍政権が誕生したのか。衛藤晟一と首相の関係の深さなど、正直なところ理屈では分からない。

    反左翼という一点で、日本会議のもとに様々な宗教団体がまとまっているのも不思議。成功例が日本会議だけだからなのか。

    そして生長の家の谷口雅春は天皇信仰があり、米国から押し付けられたものとして「反憲法」の立場だという。安倍政権の動向をみると後段は分かるとして、天皇制はないがしろにしているようにしか見えない。その整理はどうなっているのだろうか。

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日本会議の研究 (扶桑社新書)の作品紹介

市民運動が嘲笑の対象にさえなった80年代以降の日本で、めげずに、愚直に、地道に、そして極めて民主的な、市民運動の王道を歩んできた「一群の人々」がいた。

彼らは地道な運動を通し、「日本会議」をフロント団体として政権に影響を与えるまでに至った。
そして今、彼らの運動が結実し、日本の民主主義は殺されんとしている。――

安倍政権を支える「日本会議」の真の姿とは? 中核にはどのような思想があるのか?
膨大な資料と関係者への取材により明らかになる「日本の保守圧力団体」の真の姿。

日本会議の研究 (扶桑社新書)のKindle版

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