資本主義の限界

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594075316

作品紹介・あらすじ

専門領域を軽々と飛び越えて活躍する気鋭の学者が発見した経済学の新しい視座とは、たった「一本の線」だったーー。
日本人の生活が豊かにならない理由を、アダム・スミスとケインズの対立を、マルクスや共産主義が再評価される背景を、そして資本主義が戦争や天災以外の方法で成長の限界を乗り越える方法を、たった一本の「正と反の経済線」によって解明します。
30年の研究成果の集大成たる一冊、「経済なんて他人事」と思っている人にこそ必要な「日本の現在地」を指し示します。

現在、異次元とも称される金融緩和が生んだ“反のバブル”は、マイナス金利という異例の金融政策によってさらにふくらもうとしています。
しかし、バブルは必ず弾けます。政府や日銀の思惑とはまったく違ったかたちで、日本経済をどん底に叩き落とすであろう「反のバブル崩壊」が訪れようとしているのです。ただし皮肉なことに、その猛烈な痛みによってはじめて日本経済は「正の経済」へと復帰することができるのです。これらを論理的に導き出したのが「正と反の経済線」です。

「反のバブル崩壊」はいつ起きるのか? 我々はただ手をこまねいているしかないのか? 人類が初めて経験する「反のバブル」の崩壊後、日本経済は新しい発展ステージへと突入します。本書では「一本の線」を用いて日本経済の未来について、そして、「資本主義の限界」について検証していきます。



■[本書の内容]
Chapter1 経済学の限界
Chapter2 「正の経済」と「反の経済」
Chapter3 「反の経済」と二極化
Chapter4 アメリカの限界
Chapter5 資本主義の限界
Chapter6 よみがえり政策の限界
Chapter7 アベノミクスの限界とその後

感想・レビュー・書評

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  • 正の経済、反の経済という「理論」で、所与の如く議論が展開されていきますが、需給バランスの高低というそもそもの「定義」が、単にワーディングを変えただけに過ぎず、何も解決されていきません。

    著者の指摘するインフレギャップ、デフレギャップという現象がなぜ発生するのかという、まずここに答えることが必須であるはずが、その解き明かしはされないのです。まさにその場踏み足しているような内容で、一歩も前進しないとはこのことです。

    本文中に多数、それっぽいグラフが出てきますが、なぜこの作図が可能になるのかと言う当然の疑問が湧いてきます。なぜなら、筆者の言う需要と供給の正負の値を示すことが作図の大前提となるはずですが、その値の根拠となるものがまるで不明です。素朴に捉えれば、筆者の景気の肌感覚(で集めた諸々のイベント)の高低で描いてあるように読めますが、それではいけませんよね。

    これも全て、そもそもの定義が不明瞭であるが故であり、景気ニュースを筆者がどう読むかの匙加減で議論されていることに尽きます。

  • 斜め読みだが主旨は理解できる、と言うか(素人目では)その通りだと思う。

    しかし「現状打破には戦争や大災害(あとは共産主義化やピラミッド造成)しかない」というのは、寅さんではないが、それを言っちゃおしまいかと。
    世界の独裁主義者の中にシンゾー君が列挙されていないのにも何らかのバイアスが掛かっているのかな。
    そして黒田節を批判しながら、最後には「反の経済」のバブル崩壊に導く導火線と半ば諦め気味に主張している点も…

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著者プロフィール

木下栄蔵(きのした えいぞう)1949年、京都府生まれ。1975年、京都大学大学院工学研究科修了。現在、名城大学都市情報学部教授、工学博士。この間、交通計画、都市計画、意思決定論、サービスサイエンス、マクロ経済学などに関する研究に従事。特に意思決定論において、支配型AHP(Dominant AHP)、一斉法(CCM)を提唱、さらにマクロ経済学における新しい理論(Paradigm)を提唱している。著書多数

「2016年 『資本主義の限界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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