夫のちんぽが入らない

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著者 : こだま
  • 扶桑社 (2017年1月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594075897

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夫のちんぽが入らないの感想・レビュー・書評

  • 学校に通って卒業して就職して、結婚して子どもを持つ、いわゆる普通の暮らしが当たり前で、それができない人は「欠陥品」。そんな価値観が21世紀の現代もどこかにまだ残っているように思うことがある。石を投げられることはなくとも、道の真ん中を堂々と歩けないような、そんな感じ。だから結婚しないんじゃなくてできない、子どもを持たないんじゃなくてできない、そういう捉え方をされてしまって苦しんでいる人がたくさんいるのだと思う。

    夫のちんぽが入らない、本当に衝撃的なタイトルで、タイトルを聞いてから手に取るまでにかなり時間がかかってしまった。でも、読んでよかった。人生は人それぞれ、価値観も、身体も心も、家族のあり方も、人それぞれ。目の前の人の考え方や生き方を否定することなく最大限尊重できる人でありたい。他人に対しても、自分に対しても。

  • ネットで初めて見た時のタイトルの衝撃。
    本屋に勤める身としては、お客さんにこのタイトル言わせるわけにいくめぇ、とPOPを書いていてふと気づく。・・・・生まれて初めて書きました、このワード・・・・しかもサインペン。
    そして即完売。

    コミックエッセイみたいに軽めに書いてあるのかと思ったら、この「入らない」ことより他の悩みが重くて。よく生きてきたなこの人、この夫婦、と思ってしまった。「この人がいいんです」と言ってくれる旦那様。「入れられなくてもいいんです、愛し合ってますから」と言ってくれる旦那様。美談。
    という感じで終わるのかと。全然違った。

    私の友人も教師になって心を壊して、久しぶりに会ったら2~3倍に体は膨れ、言動もおかしくなっていた。優しくて、真面目な子だった。
    心も体もボロボロな奥さん。ご主人もそうとう苦しかったろう。「他の人のは入った」ことはご主人知ってしまったんだろうか。

    どの悩みも、なぜすぐ病院に行かない。
    何も解決してないし。
    「私も同じ悩みを抱えているんです」という女性がもし読んでも、痛すぎる表現にまた引っ込み、プラスになることはないかも。

  • 夫婦のあれこれを楽しく買いてある本かな?と思って購入。
    ぜんぜん…重〜い気持ちになりました。

    夫婦はできればSEXやボディコミュニケーション(寄り添って眠るでも良いし手を繋いで歩くでも)がある方が仲良く暮らしていけると考える私にとって(もちろん、絶対ではないし、違っても仲の良い夫婦はたくさんいると思う)、この夫婦の、『入れる』『入らない』『他の人と』という行為に、とても気持ちが悪くなった。

    精神的な事で入らないのなら、なおのこと、違う形で寄り添える夫婦でいられなかったのか…な。

    けれど、本には表せない、私には分かり得ない、いろんなことがあるんだろうな…

  • 世の中には色々な夫婦がいる
    その中でもかなり稀なちんぽが入らないという現象
    それをきっかけに伝えたい言葉が積み重なる
    当たり前が当たり前でない人はたくさんいて、当たり前と思っている人はそれを難なく口にする
    それを受け止める側の気持ちはわからない
    私にもある
    そして逆に言ってしまっていることもある
    言葉も人も難しい
    何事からも逃げて、関わりたくないと思う日もある
    それでも、どんな風になっても一緒にいるという選択ができる夫婦は強いなと思った
    うちはそんな夫婦になるのだろうか
    なりたいと思うのか
    色々考えさせられた

  • 確かにちんぽが入らないある夫婦の、性生活が成り立たない話でもあるが、いわゆる普通に働くとか普通な家族に「入らない」、いや「入れない」話でもある。
    「普通」なんてものはないのだがみんなのその共同幻想みたいな形があると勝手に思い込んでいる。僕らはそこから逸脱することに外れることを恐れている。主人公であるこだまさんとその夫はそのことからある意味では逃避する。できないことはできる人やことへ代替行為に転換するしかない、そういうふたりの二十年にわたる話なのだが、読むことでなにかに悩んでたり病んでしまった、病んでいる人たちの癒しというか救いになるだろうし、その側面は間違いなくあると思う。
    雪だるま式にもっと広がり売れていく一冊になると思う。読みながら『統合失調症がやってきた』を思い出したりした。

    ぼくらはこうならねばいけない、世の中はそうなっているみたいなことに惑い踊らされて、冷たいナイフが知らぬまに背中に突きつけられている。だから、その枠からはみ出さないようにして自己保全に向かう。しかし、その刃先は背中に当たってるだけで差す気はないのかもしれないし、駆け出してしまえば刃先は届かないかもしれないし、やっぱり追い付かれて突き刺されるのかもしれない。それはすべてのことが関わるのでみんな同じ結果にはならないのだが。
    しかし月日が経って笑える話になってもその当時は笑えないからなんとか生き延びるしかない。このタイトルが今年前半の出版界での大きなトピックになるんだろうな、普通の私小説は今年これにはもう勝てないと思う。

  • このタイトルの本に、こんなに胸を打たれるとは。
    正直言って、辛い。人と身近に接することに苦手な作者がそばにいても大丈夫なただ一人の人と出会えたというのに、身体でつながることができないなんて。
    いや、心がつながっていれば大丈夫、ともいうけれど本当にそうなのか。
    この2人がともに過ごした年月の長さが、その「大丈夫」だと言えるまでの困難さを物語っていると思う。簡単に言えるほど「大丈夫」なものならもっと早くになんらかの結論が出せていたのじゃないか。
    信頼し合い必要としあっているのに言えないことがある。一番大切な人だから一番大事なことがいえなかったりもする。そんなあれこれをようやく乗り越えたのだな、と。
    これはただ単に夫のちんぽが入らない夫婦の話、ではなく自分以外の誰かをきちんとまるごと認める、もしくは共感できなくても受け入れる、その大切さを教えてくれる一冊なのだ。

  • 入らない。が根本的な問題ではないんだろうけれども、コミックエッセイ気分で読み始めたらヘビーな内容でびっくりした。
    無知は罪深い。

  • 家族はどんな形でもいいんだと安心させてくれます。
    何が正しいとか、不毛だとか、疑問とか浮かんで、人として落ちていく様も全部含めてそれでもこの家族にとってはこのままでいいんだなと。
    タイトル通り、生々しい表現が多いけれども、夫婦がお互いに四苦八苦しているのが伺えます。

  •  読んでいると苦しくなってくる。呼吸を忘れるのか、緊張して呼吸が浅くなるのか、心理的よりも身体的に影響がある。
     これがフィクションであったならば、まだ、楽なのだけれども。ノンフィクションであるということ。そして、タイトルにもある夫には伏せられているということがなんともいえない。

     この著者の次の作品を読みたい。ノンフィクションであれフィクションであれ。

  • 本屋でタイトルを見かけ、ずっと気になっていた本作品。
    オーディオブックにて購入、読了。
    作者による実話に基づくエッセイ。
    圧倒的な情報量、気持ちの動きを細かく伝えられる本という媒体を最大限に活かした作品だと感じた。

    かなり重たい話が続くので、気持ち的に途中で読み進めるのが辛くなった時期があった…
    ただ、読み終えたときの感動は凄かった。

    夫との夫婦生活だけではなく、教師としての仕事も全く上手くいかない作者。
    実際にその経験をした作者だからこそ分かるリアリティー、気持ちの変化が圧倒的に胸に突き刺さる。

    自分もシンドイ人生を送っていると感じていたが、その悩みなどたいしたことでは無いと教えられた気分になった。
    そう、みんな何かしらの苦しみ抱いて生きているのだ。

    最終的には、他人とは違う自分なりの生き方を見つける作者。
    人生は他人と違っても良いのだと、他人からどう見られるかは関係無いのだと、自分なりの幸せを追い求めることが人生なのだと、心からそう気付かせてくれる作品だった。

    よくある一般的な自己啓発本ではなし得ない、体験した者にしか書けない圧倒的な説得力がこの本にはある。
    自分の人生が苦しいと感じたとき、人生のバイブルとしてまたこの本を読みたいと思う。

    自分はオーディオブックでこの本を読んだので、まずはこの本を買うことから始めたいと思う(笑)

  • 衝撃的な事柄を淡々と綴っているのが印象的。夫婦って何だろうと考えさせる作品。

  • 周りの人からの子供を作るのが「当たり前」というプレッシャー。
    こうあるべきだ、っていう考え方を我々は周囲の人すべてから受けすぎだ。
    そう答えようとする人ほど、つぶれてしまう。疲れてしまう。

    ただ、夫との信頼関係がこの人を救っている。
    自分がおかしいんじゃないか?という葛藤と戦い、とはいえ一度を
    夫を裏切りながらも、夫がいたからこの人は成り立っている。

    周りの人の期待には応えられなくても、強くいきる心があれば、
    人生は戦えるのだ。

    強く生きよう。

  • 作者さんの凄くきちんと自分のこれまでと向き合った感じとか、”当たり前”を押し付けてくる世間に言いたかったこととか伝わってきていいと思うんだけど、なんかちょっと同じく人生不器用に生きていそうな夫さんは彼女ほどガッツリ真っ向から二人の問題に向き合ってないんじゃないだろうか?っていう疑問がそこはかとなく湧いてきちゃってむずがゆい。

  • 苦しい、本当に。わかるところもわからないところもあるけど、面白いとかそういう次元で語れない。セックスってどれだけ大事か、普通ってなんなのか、絆ってなにか、そういうのが色々。ふざけて語れない、生傷から出た滲出液のような私小説。

  • なし水を何度も何度も読んでいたのに、思ってたより加筆が多くてまた初めて読んだ気分でどきどきした。
    わたしは語彙力がないから感想をうまく言えない。心を揺さぶられる、心に染み渡る、ひきこまれる、人生の断片。
    こだまさんからしずかにこんこんと湧く澄んだことばをこれからもずっとずっと見せてほしい。

  • 読後感は非常に悪かった。でも、学ぶことは多々ある。何も感じない本よりはずっとまし。強く感じたのは「自己肯定感」の大切さ。ありのままの自分を受け入れる事ができていれば、自分を傷つける行動に走らずに済んだだろうなと・・・。
    「こんな私を」というフレーズが出るたび辛くなる。
    そして、頑張る方向が間違っていると思った。自分の意見を伝えるのが苦手というけれど、それを克服する努力はせずに、一人で頑張れると思い、結果、追い詰められる。死を考えていた時期に、ネットで出会った男性と後腐れない関係を持つ件。「どうせ死ぬんだから」という事を理由に相手の男性の言うなりにされてしまう。「無料の風俗嬢だ」と言い放たれても、その場で「必要とされている」ならそれで受け入れてしまう。根底には全部「こんな私」。どうせ死を考えるなら夫に全てをぶつけたらいいのにと思った。お互いどこに惹かれて一緒にいるのかわからないけれど「一緒にいて居心地がいい」という事に尽きるのかなぁ。もちろんそれは重要な事だけど、正直一緒にいる意味が感じ取れなかったし、一緒にいるから生まれる苦しみの方が多いような気がした。教員時代、あんなに一人で抱えて頑張ってこれたなら、離婚しても生きていけるような気がします。
    ういろうと金つばの描写は必要?しばらく思い出してしまう・・・。
    自虐性を強調するには抜群だとは思いますが。

  • 作品として、素晴らしい。

  • (Amazonに書いたレビューの転記)
    一見共感を拒否するような簡潔な文体で、決して長くもない文書量なのに著者の20年の懊悩がきれいに収められている。
    パンチの効いたタイトルと手頃なサイズ感で手に取ると、すっきり飲み下しやすい文章を裏切るかのように腹に残る。でも読んだことを後悔しようと思わないのは著者が他者や環境へのマイナスの感情を文章に残していないからだろう。善良な生活者としての健やかさが清々しい。
    苦役列車(西村賢太)が芥川賞ならこの作品もなにか賞に引っかからないと嘘だと思う。

  • タイトル勝ちです。
    これが実話なら、もう少し何かできたのではないかと他人事ながら残念でならない。

  • 胸が締め付けられる。でも、すごく救いになった。

  • そのタイトルゆえかちょっとしたセンセーションを巻き起こした本作。
    どうせまた出落ちだろうなんて見下しつつ読んだのですが、良い意味でその予想を裏切られました。

    大学進学と同時に上京した先のアパートで知り合った彼。後に夫となるその人の、要はちんぽが入らないのだという話である。
    何を言ってるか分からないと思うが私も著者のこだまさんももちろんさっぱり分からない。
    ただちんぽが入らないという事実とその弊害が、淡々と落ち着いた筆致で、そしてそんな自分たちを嘲笑い自虐するかのようなユーモアをもってそこはかとなく綴られている。
    とても重い話だった。夫は風俗通い、教員生活も散々、なぜか他の人のちんぽが入ることが分かってからは自身もビッチ化、発病、等々。他人事ながら地獄のような日々だ。
    ラストもこれで終わり?という唐突さなのだけれど、まぁ事実を基にした半自伝的小説らしいのできっとそれが現実なのだろう。

    読後、夫婦とは何か、なんて改めて考えたりはしなかった。
    ただあとがきにもあるように、著者が全力で晒しにきたこの恥を読み物として受け取った。
    そういうこともあるのだな、と人生の裾野がすこし広がった気がします。

  • その先が気になり眠るのも惜しんで読んだ。
    赤裸々な告白と、読ませる文章。
    結婚とは何か。考えさせられた。
    あまり人前で公表しあう事がない夫婦の営み。
    普通ってなんだろう。
    子宝に恵まれることがあたり前ではない夫婦。
    でも、家族だから。
    簡単に離婚しない選択。
    著者が本当にそう望んでいるのか、自分の娘ならなんと言ってあげられるだろう。

  • 読む前に想像していたより、重かった。辛いことを乗り越えた救いのある話かと勝手に思っていたけど、まだ悩み中なんだなぁと。現実だからこれが事実なんだろうけど、とくに起承転結があるわけではなく、読み終わってもなんだかモヤッとしてしまい、そっか…こんな形で苦しんでる人もいるんだな…と。

  •  衝撃的なタイトルに惹かれて、この本を手に取った。最初はちんぽが入らない様が様々な例えで表現されてて、普通に笑っていた。
     しかし、話は段々と重い話に展開されていく。特に思い知らされたのは妊娠しないこと、子を産まないことがこれだけ世間一般では普通ではなく、他の人の承認を得辛くて、そのせいで女性は生き辛い思いを味わわなくてはならない、ということ。
     その中で子供を産まない、産めない人は当然今までものすごく悩んできて、そこに納得して肯定しつつ生きていくことにどれだけの苦労を払わないといけないか、うかがわれた。人間の幸せがどれだけ環境にノレるかにかかってるのは不憫でならない。

  • ここまで赤裸々に書けるのは、同人誌からのせいか?エロさはない。この題名がインパクトありすぎ!買うのに勇気いる人多かったのでは?
    本人の思いをベースっというか、エッセイだからそれがいいのだけど、自分という人物に着目しすぎてて、リアリティーがより伝わった。ここまで『私』になるのもよんでいておもしろい。
    そして、ジェットコースターに乗っているかのような、展開の早さ。実際は、数年に及ぶんでしょうが、それすらも感じない。
    処女ではないときっぱり断言されてますし、文章をよんでも違うことはわかる。
    ではなぜ?なぜなのか。本人も旦那さんもわからないこの現象。不思議でならなかった。

    しかしながら、旦那さんの気苦労を思うと涙が止まりませんでした。教員同士の嫌がらせこそもっと世にでてもいい問題なのに。
    先生が心を病むのは、親や生徒だけではなく、教師間の嫌がらせも多いのが事実。

    最後に、
    素敵な旦那さんとこれからも仲良くお過ごし下さい☆そして、病気の進行が少しでも遅くなることと、旦那さんの病気が早くなおりますように。

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夫のちんぽが入らないの作品紹介

2014年5月に開催された「文学フリマ」では、同人誌『なし水』を求める人々が異例の大行列を成し、同書は即完売。その中に収録され、大反響を呼んだのが主婦こだまの自伝『夫のちんぽが入らない』だ。

同じ大学に通う自由奔放な青年と交際を始めた18歳の「私」(こだま)。初めて体を重ねようとしたある夜、事件は起きた。彼の性器が全く入らなかったのだ。その後も二人は「入らない」一方で精神的な結びつきを強くしていき、結婚。しかし「いつか入る」という願いは叶わぬまま、「私」はさらなる悲劇の渦に飲み込まれていく……。

交際してから約20年、「入らない」女性がこれまでの自分と向き合い、ドライかつユーモア溢れる筆致で綴った“愛と堕落"の半生。“衝撃の実話"が大幅加筆修正のうえ、完全版としてついに書籍化!

いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。交際期間も含めて二十余年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。周囲の人間に話したことはない。こんなこと軽々しく言えやしない。
何も知らない母は「結婚して何年も経つのに子供ができないのはおかしい。一度病院で診てもらいなさい。そういう夫婦は珍しくないし、恥ずかしいことじゃないんだから」と言う。けれど、私は「ちんぽが入らないのです」と嘆く夫婦をいまだかつて見たことがない。医師は私に言うのだろうか。「ちんぽが入らない? 奥さん、よくあることですよ」と。そんなことを相談するくらいなら、押し黙ったまま老いていきたい。子供もいらない。ちんぽが入らない私たちは、兄妹のように、あるいは植物のように、ひっそりと生きていくことを選んだ。(本文より抜粋)




こだま

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