洞窟ばか

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著者 : 吉田勝次
  • 扶桑社 (2017年1月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594076252

洞窟ばかの感想・レビュー・書評

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  •  ナショナルジオグラフィック3月号で洞窟が特集されていた。
     転倒した拍子に岩に挟まって動けなくなり、そのまま死んでしまったからコンクリートで塗り固めたというエピソードがあり、ケイビングこえー、と思った。
     この記事から本書を知り、読みたくなって手にとった。

     アウトドア系で頭おかしいことやってる人たちの書く文章は、なんか面白い。最近だと宮城公博「外道クライマー」とか。
     今作はケイビング、洞窟探検に人生をかけている男の話だ。

     中学高校時代はケンカに明け暮れた男は洞窟と出会って人生を変えた。
     誰も見たことない世界を見たい。
     三重の霧穴に通いつめ、洞窟内部にベースキャンプを作るほど。

     メキシコの400mの縦穴をロープ一本で下り、
     ベトナムでは溶岩洞窟を発見する。

     なぜ洞窟に向かうのか。
     アウトドアをやったことはない連中は、そういうくだらない質問をする。
     やりたいからに決まっている。
     それ以上でも、以下でもない。

     世界の下には未知の世界が広がっている。

  • たぶん著者は私の苦手なタイプだと思う。声がデカくて絶倫で毛深くて自信過剰気味な男に違いない。しかし本自体はおもしろかった。未知の洞窟にはエロスがあるのではないか。密林の深い茂みに覆われた、湿った割れ目が男を奥へと誘っているのである。その割れ目の奥から引き返せなくなった、エロスに抗えなかったのがこの著者だ。現実的、肉体的には引き返せても心は割れ目に囚われていて、割れ目の奥に溜まった雫に光を当てずにいられない。変態だ。子供が6人もいるという点にも引っかかる。探検について妻は何も言わないのだろうか。洞窟探検がオンだとすれば、オフである日常はどうなっているのだろうか。

    日常や家族との生活が気になる私はゲスい。そこは認める。しかし高野秀行さんの名著「ワセダ三畳青春記」があるから、ついそんなことを思ってしまう。オンとオフの落差にはコクがあると思う。

  •  「洞窟探検家」として活躍している著者。29代後半で洞窟の世界にはまり、今まで入った国内外で1000以上という洞窟萌え~になった人だ。と言っても狭いところが好きではなく、未知の世界を見てみたいという探求心が原動力のようだ。



     洞窟にはまるまで、中学・高校時代は不良で暴れていたそうだ。その後いろいろあり、工事現場に関わる自分の会社「有限会社勝建」を設立した。そして、何か面白いことがしたいということで出会ったのが山登り、そしてしばらくしてからアウトドア雑誌「BE-PAL]の「洞窟探検特集」を見て洞窟探検に興味を持って始めた。



     洞窟探検は何が起こるか分からない、海外の場合、許可もらうのに時間がかかったり、軍に袖の下を渡したりすることがある。時間道理に電車が来ないだけでクレームを言うタイプの方には到底できない世界。読んでいくと著者の行動力のすごさが浮き彫りになっていく。



     好きなものがあるというのは人生にとって重要なことだなと思った。

  • 世界中の未知、未踏のものを知りたい、見てみたい。そんな純粋な気持ちで洞窟にのめり込んでしまった「洞窟ばか」の自伝。

    まずは本書を開いて最初のカラーページに圧倒される。著者が探検した数々の洞窟写真。その広大な風景にぽつんと著者が1人写っている。広大な場所を独り占めしている支配者のようだ。この光景を見ると洞窟に見せられてしまった著者の心情はわからなくもない。

    自伝は著者のヤンチャな青春時代にはじまり、洞窟にハマったきっかけの紹介。そして、多くの洞窟仲間に支えられ、ついには洞窟探検を社会的な組織として運営するまでになった。

    どんな分野でも「ばか」と言われるほど極めることができるものに出会えた人は幸せだ。

  • リリース:あぜやん

  • 洞窟探検家。この世にはまだまだ知らない職業があるものですね。。
    内容はタイトル通りで、期待に違わずの面白さでした。巻頭にある国内・世界の洞窟の写真がなかなか素晴らしい。でも本文にはオーストリアの氷の洞窟の話もイランの塩の洞窟の話も出てこないのね。
    とはいえ、著者の20年以上の洞窟経験から選りすぐりのエピソードを集めて1冊の本にしていて、全く知らない洞窟探検の世界を覗き見できて、読書のヨロコビってこういうトコにもあるよなぁ、という思いにさせてくれます。

    しかし、この本を読んでどうしても比較してしまうのが宮城公博の「外道クライマー」で、30代・沢ヤの宮城氏とは違って50代でその世界の第一人者になっている吉田氏の立場が全然違うせいか、確かに「洞窟ばか」だけど、端々にどうしても大人感が伝わってきてしまうのです。(それが悪いというコトでは一切無いのですが)
    加えて、これはもう個性の問題ですが、ブログでの発信に手慣れたけいおんなんかも好きな宮城氏と、パソコンもあまり触らないいじめっこ出自の吉田氏。吉田氏の文章はわかりやすく、読む人を選ばないとは思うのですが、鬱屈したものを発散させずに蓄積させて、文章に昇華させるというのは宮城氏の方が一枚上手なのかもしれません。
    山登り業界(?)は人口がそもそも多く、古来から小説やノンフィクションのネタにされている訳ですが、洞窟業界はまだこれから。著者の次作に加えて、幅広い人が色々な切り口で世に洞窟の魅力を訴えかけてくれれば広がりが出てくるのでは。

    なんてゴチャゴチャ書きましたが、面白い本ですのでタイトルでおっ?と思ったらぜひ。

  • 探検家の自著。舐め太郎氏と雰囲気が非常によく似ている。楽しく読める探検家本。

  • テレビなどで時々お見かけする洞窟探検。そのオーソリティーらしい。
    すごい人ですね。読み終わってから改めて巻頭の写真を見直してしまいました。

  • なんかね、吉田さんをそのまんま表現してる感じで面白かった。

  •  地球上に残された未踏の地なんて、もう深海しかないと思っていたけど、そうか洞窟があったんだ、というのがまず最初の目からウロコ。未踏の洞窟の、先に何があるのか、あるいは何もないのかもわからずに17cmの隙間を潜り込んでいく。300mの縦穴を降りていく。スキューバダイビングで潜っててその先へ行く。そして、迷う。排泄物は持ち帰る。明かりはヘッドランプだけ。高所恐怖症で閉所恐怖症で暗所恐怖症の僕は、読み進めるだけでジワリと手のひらに汗が・・・・・。著者は言う「未知なる世界を探検したい」。洞窟探検では、まだ人類が見たことも、立ったこともないところ、その未知の世界に世界で一番最初に立ち会うことができて、その感動は途方もないものであるという。それは、たぶん理解できる。でも、圧倒的な暗黒の洞窟に何日も泊まりながら探検を続けるなんて・・・。
     惜しいのは、「外道クライマー」沢ヤの宮城公博くらいの筆力があれば、この本はもっととんでもなく面白いものになっただろうに・・・ということ。

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洞窟ばかの作品紹介

暗闇の先に広がる誰も見たことのない世界が、どうしても見てみたい!

「なぜ洞窟か?」と聞かれれば、「そこに未知の世界があるから」。
17㎝の隙間があれば身体を押し込み、泥にまみれ、ロープに吊り下がり、落石で肩を砕かれたこともある。そこに現れるのは、荘厳な鍾乳石のホールであり、何十メートルもそびえ立つ氷の柱であり、水の張った美しい棚田のプールであり……。地下には想像を絶する素晴らしい世界が広がっている。
しかしそれ以上に吉田を駆り立てるのは「未踏」だ。人類で初めて自分が足を踏み入れる空間。その興奮が吉田を洞窟のとりこにした。

ロープ1本で400メートルの縦穴(東京タワーがすっぽり入る)を下りる恐怖や
最長では11日に及ぶという洞窟内での過ごし方(排泄物は持ち帰る!)、
ベトナムで見つけた火山洞窟があとから大発見だと判明したりなど、
洞窟探検譚はもちろん、洞窟内で遺体を発見した仰天エピソードから、真剣に取り組む洞窟ガイド育成まで、「洞窟のおかげで人生が豊かになった」という洞窟愛がこれでもかと詰まった1冊。

破天荒な行動と憎めない人柄、何よりも、洞窟にかける情熱とときめきに、こちらまで胸が熱くなる。人なつっこくて怖がりで、ロマンチストで、たまにアホ。
読んだら元気が出ることは間違いない。

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